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デルはシンクラ専用と Chrome Enterpriseモバイルで攻める

デルはシンクラ専用と Chrome Enterpriseモバイルで攻める

2019年12月09日更新

THIN CLIENT / CHROMEBOOK

Dell

クラウドモバイルの新提案

New Wyse 5470 モバイル シンクライアント
Latitude Chromebook Enterprise

今年の8、9月と立て続けにクラウドモバイル領域のデバイスを発表したデル。シンクライアント専用デバイスとして市場をけん引してきた「Wyseシンクライアント」の新製品と、Chrome OSを搭載した法人向けのデバイスをラインアップした。

デルでシンクライアントソリューションを担当するクライアント・ソリューション統括本部 ビジネスディベロップメント事業部の鈴木 真氏は、「働き方改革の影響でシンクライアント市場がかなり伸びています」と手応えを語る。

「中でもモバイルシンクライアントの需要が高まっています。通常のPCはデバイスにデータが残ってしまいますが、シンクライアントならばデータは保存されないのでモバイル時でも安心です。現在は、不測の事態が生じた場合、大きな問題になる時代です。そのため、セキュリティやデバイスの管理という側面でシンクライアントの選択が増えているのです。こうした背景を受けて国内ではモバイルのシンクライアントデバイスの比率が5割近くにまで高まっています」

シンクラ専用OSを搭載したモバイル

 今年の8月にデルが市場に投入したのは、14インチノートタイプのシンクライアントデバイス「New Wyse 5470モバイル シンクライアント」だ。約30MBと軽量のシンクライアント専用OS「Wyse ThinOS」を搭載できる。

「シンクライアントデバイスのモバイル化需要に応えた製品です。専用OSを搭載できる強みが生きます。WindowsベースのPCはウイルス感染のリスクがありますが、Wyse ThinOSにはその心配がありません。高いセキュリティを備えつつ、どこでも使える環境を提供できるのがNew Wyse 5470モバイル シンクライアントです」(鈴木氏)

 Wyse ThinOSは、OSイメージや設定をサーバーから自動で取得する仕様となっている。そのため、キッティングなどが不要だ。OS自体の容量は約30MBなので、ネットワーク帯域を逼迫させる心配もない。ユーザー側ではデバイスの起動時にイメージをダウンロードして利用する。

 New Wyse 5470モバイル シンクライアントには、「Wyse Management Suite」という管理ツールも用意されている。稼働状況の把握や設定の管理、ヘルプデスク対応、OSイメージの展開など、シンクライアントの運用を効率化できるツールだ。「Wyse Management Suiteはオンプレ版とクラウド版の両方を用意しています。クラウド版はインターネット経由でLAN外の環境にある端末の管理や把握が手軽に行えます。管理サーバーの運用も不要なので、管理者の負荷を軽減できます」(鈴木氏)

 デバイスの強固なセキュリティを実現するNew Wyse 5470モバイル シンクライアントについて、「Wyseシンクライアントは、OSの軽量さやハッキングを受けていない実績などで、入札案件にも大きな強みを発揮します。Windows 7 EOS特需後のPC提案における新たな切り口にしていただきたいですね」と鈴木氏は期待する。

(左)Dell Japan inc. Makoto Suzuki デル/鈴木 真氏
(右)Dell Japan inc. Yuichi Iizuka デル/飯塚祐一氏

企業向けChrome Enterpriseを搭載

 デルがクラウドモバイルデバイスとしてラインアップしたもう一つの製品が「Latitude Chromebook Enterprise」だ。これは、同社のノートPC LatitudeシリーズにChrome Enterpriseを搭載させたクラウドネイティブデバイスとなる。Chrome Enterpriseは、Chrome OSを搭載したChromebookの中で、ビジネス向けの管理機能などを利用できるようにする。

 ChromebookはWebブラウザーベースのOSによって、G Suiteなどのクラウドサービスの利用を前提としたクラウドデバイスだ。基本的には重要なデータはクラウド上に保存して利用する仕組みになる。もちろん、VDIのデバイスとしても採用できる。

 Chromebookは従来まではコンシューマーや文教市場向けのイメージが強かったが、企業が必要とするデバイスの管理機能などが利用できるChrome Enterpriseの搭載によって、法人市場の開拓が従来以上にしやすくなる。こうした中でデルは、同社のPC開発のノウハウが詰まったLatitudeシリーズにChrome Enterpriseを採用した製品をラインアップし、クラウドモバイルの領域をいち早く攻める狙いだ。

 用意されたのは、14インチノートタイプの「Latitude 5400 Chromebook Enterprise」と、13インチ2in1タイプの 「Latitude 5300 2-in-1 Chromebook Enterprise」だ。両製品とも第8世代 インテル Core i5/7プロセッサーの選択が可能で、LTEにも対応する。

「デバイス自体はLatitudeなので、ハードウェア面では通常のノートPCと変わらない使いやすさを提供できます。併せて、クラウドデバイスにとって最も重要と言えるLTE対応も実現しています」(デル クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 飯塚祐一氏)

 シンクライアント専用デバイスであるWyseシンクライアントシリーズも提供している同社だが、Latitude Chromebook Enterpriseの提案ポイントはどこにあるのか。飯塚氏は次のように解説する。

「セキュリティを最も高められるのはシンクライアントですが、コスト面で負担が重くなる場合もあります。コスト負担を軽減したいというお客さまには、シンクライアントへの移行の前段階として、Chrome Enterpriseによるクラウドネイティブの環境を実現するLatitude Chromebook Enterpriseの提案がいいでしょう。もちろん、WyseシンクライアントシリーズとLatitude Chromebook Enterpriseの併用も想定されます。また、WaaS(Windows as a Service)という形態になったWindows 10のアップデートの運用管理で負荷が高まっているユーザーに対しても訴求力は高いはずです」

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