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従業員や現場の力も引き出すマイクロソフト「PowerApps」

従業員や現場の力も引き出すマイクロソフト「PowerApps」

2019年11月12日更新

PowerApps

マイクロソフト

目指すはアプリ作成の民主化

マイクロソフトが提供している業務アプリケーションプラットフォーム「Microsoft Power Platform」でアプリ作成を担うのが「PowerApps」だ。

データの収集から解析・予測まで一気通貫

「アプリ作成の民主化を促し、データの統合と業務変革の実現をサポートするのが、Microsoft Power Platformです」――。マイクロソフト Power Platform|Power CAT Customer Advisory Team Senior Program Managerの吉田大貴氏は、マイクロソフトが提供するカスタムアプリサービスの基盤であるMicrosoft Power Platformをこのように表現する。

 Microsoft Power Platformは、カスタムアプリを作成できる「PowerApps」、ワークフローを自動化する「Microsoft Flow」、BIツール「Power BI」で構成された業務アプリケーションプラットフォームだ。マイクロソフトはMicrosoft Power Platformを「データの収集から解析・予測まで、一気通貫でノンコーディング・ローコーディングで実現可能なプラットフォーム」と説明している。

「現在、基幹システムやコミュニケーション基盤などさまざまなシステムがばらばらに稼働している状況で、データが各所に散らばってしまっています。それらを一元的につなぎ合わせられれば、これまでにないインテリジェンスをもたらせるはずです。そうした環境をMicrosoft Power Platformは実現します」(吉田氏)

 データの統合によって、次のようなメリットが得られるとマイクロソフトは指摘する。

■統一されたデータから業務プロセスを実行することで、分担された情報を統合し単純化

■ビジネスインテリジェンス(BI)を同じデータを基に構築し、正確かつ最新の状態で会社の洞察を得られる環境を構築

■データとBIが統合され、AIによる業務変革が可能に。今までのシステム/業務を最適化し差異化が可能に

PowerAppsでアプリを作る

従業員や現場の力も引き出す

 Microsoft Power Platformにおいて、実際に業務で使用するアプリをコーディング不要で作成できるのがPowerAppsだ。「ビジネスのスピードが加速している中、従来のようなパッケージソリューションの導入は、コストや期間、トレーニングにおいて、大きな負担が生じます。人手不足も深刻化しており、業務に適したアプリを短期間で手軽に作成できるローコードソリューションが求められているのです。そのニーズに応えるのがPowerAppsです」(吉田氏)

 PowerAppsには、PowerPointと同じような操作性で柔軟にUIなどを設定し、Excelライクの関数を用いてアプリを作成できる「キャンバスアプリ」と、データモデルや業務プロセスを基に自動的にレスポンシブ対応したアプリを作成してくれる「モデル駆動型アプリ」が用意されており、いずれも手早くアプリを作成できる。「リッチな画面操作を実現させたい場合も、JavaScriptなどが不要です」(吉田氏)

 アプリの基盤には共通データモデルが採用されていて、データの共有や2次活用なども容易だ。作成したアプリは、Microsoft FlowやPower BIだけでなく、他社のものも含めて230種類以上のサービスと連携させられる。「Office 365やMicrosoft 365とも親和性が高く、SharePointやMicrosoft Teams、Excel、Outlookなどとも連携させられます。他社のクラウドサービスでは、Salesforceやkintoneなどとも連携可能です」(吉田氏)

 PowerAppsのようなローコードソリューションの利用によって期待できる効果は、「経費の削減」「専門性の需要を埋める」「短い開発期間」「最小限のトレーニング」「システム連携の問題を削減」など。こうしたメリットから、2016年11月のサービス開始以降、グローバルですでに22万社以上が導入しており、月間の利用者数は200万人以上を超えている。

 それでは、PowerAppsの導入事例の中で、顕著なサクセスストーリーを一つ紹介しよう。英ロンドンのヒースロー空港の事例だ。同空港で13年間にわたってセキュリティを担当していた人物が、独学でPowerAppsを勉強した。そして、顧客の案内用のカタログをPowerAppsで1週間でアプリ化した。それが高い評価を得て、現在はセキュリティ担当から社内のアプリ開発者としてIT部門へ異動、社内のさまざまなアプリ開発に携わるようになったのだ。同空港では、PowerAppsの導入1年目で、1,500万円の人件費削減、850時間の残業時間短縮、2万5,000枚の申請書削減、5,000万円分のアプリ開発費の削減なども実現している。

「現場で要件定義をして現場でアプリを作成できる環境をPowerAppsは提供します。ヒースロー空港では、現在90ものアプリをPowerAppsで作成して大きな成果をあげているのです」と吉田氏は紹介する。PowerAppsは、業務の改善だけでなく従業員や現場の力をも引き出すカスタムアプリサービスと言えそうだ。

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