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クラウドセキュリティ市場は273億円の予測

クラウドセキュリティ市場は273億円の予測

2019年11月07日更新

国内クラウドセキュリティ市場は273億円

Cloud Security

 IDC Japanは、国内企業向けモバイル、クラウドセキュリティ市場予測を発表した。

 2018~2023年の国内モバイルセキュリティ市場の年間平均成長率(以下、CAGR)は11.4%の見込みだ。また同市場規模は2018年の82億円から、2023年には141億円に拡大すると予測している。背景には、2020年に開催される東京オリンピック/パラリンピックに向け、公衆Wi-Fi環境の整備が進んでいることが挙げられる。しかし、公衆Wi-Fiサービスはパスワードを公開し、誰でもアクセスできる方式で提供するケースが多い。オープンなWi-Fiサービスを暗号化せずに使用すると、通信内容を盗聴されるリスクが生じる。オフィス外に持ち出すモバイルデバイスはこれらのリスクにさらされる可能性が高い。今後は、モバイルデバイスのデータ暗号化通信やウイルス対策などの情報漏えい対策に対する需要が拡大するとIDC Japanは指摘している。

 また、2018~2023年の国内クラウドセキュリティ市場のCAGRは19.1%を示した。2018~2023年の市場規模は、114億円から273億円に拡大すると予測。背景としては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、社内外でさまざまなエンドポイントからクラウドサービスを通じてデータを活用する機会が増えることで、クラウド環境へのセキュリティ対策需要が高まっていることがある。また政府では、政府情報システムにおいて「クラウド・バイ・デフォルト」の原則にのっとり、パブリッククラウドサービスの利活用を推進している。例えば、クラウドサービス提供事業者に対する安全評価基準プログラムの日本版FedRAMPの創設やデジタルファースト法案の整備などを進めており、官公庁および地方自治体に限らず、一般企業においてもパブリッククラウドサービスの利用が加速すると見込んでいる。

モバイルやクラウドは包括的なセキュリティ対策を

 クラウドサービスは、DXの進展や働き方改革による生産性の向上のための取り組みが増加したことで、モバイルデバイスから公衆Wi-Fiを利用してアクセスするといったケースが増加している。一方で、モバイルデバイスをターゲットにするマルウェア攻撃は巧妙化しており、モバイルデバイスを経由したクラウドサービスに対する不正アクセスも防ぐ必要がある。世界的にも、欧州連合の「EU 一般データ保護規則」や米国政府が定めるセキュリティ対策基準「NIST SP800-171」など、企業が所有している重要データの保護規制を強化しているとIDC Japanは説明する。

 こうした世界各国の状況を踏まえ、国内企業においても、モバイルの脆弱性管理やセキュリティポリシーの一元管理など包括的なセキュリティ対策の需要が増加するだろう。

 こうした現状を受け、IDC Japan ソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーである登坂恒夫氏は以下のように説明している。「サプライヤーは、モバイルデバイスからクラウドサービスを安全に利用するためにクラウドサービスへの暗号化通信やアクセス管理など、モバイル環境とクラウド環境の両方に対するセキュリティソリューションの統合化を図るべきである。これによって、企業におけるモバイルを経由したクラウドサービス利用時の情報漏えい対策の強化が図れる」

クラウドの普及でVPNの用途が拡大

Network

 ノークリサーチは、中堅・中小企業向けの通信/ネットワーク関連サービスに関する調査を実施し、その結果を発表した。

 中堅・中小企業が働き方改革に伴う業務効率化を図るためには、業務アプリケーションだけでなく、基盤となる通信/ネットワークシステムも改善する必要があるという。つまり、ベンダー、販社/SIerにとっては、働き方改革が通信/ネットワーク関連サービスの拡販機会になると同社は指摘する。

「働き方改革や人材不足に対処するIT活用に際して導入したいネットワークサービス」の回答を見ると、「仮想ネットワーク(VPN)」の回答割合が最も高く、「リモートアクセス」がそれに続く。従来、VPNはユーザー企業の拠点間を接続する手段として活用されていた。しかし、クラウドの普及によってユーザー企業の拠点とデータセンターを接続する役割としても重要だと認知され始めたことで市場が拡大した。人材不足対策として、リモートアクセスの導入意向も高くなっていると同社は分析した。

 ペーパーレスファクスに注目すると、卸売業や小売業で導入意向が高い。以前から卸売業と小売業では受発注処理のデジタル化を進めていた。しかし、卸売業がEDI(電子データ交換)導入を検討しても、取引先の小売業が紙面処理の継続を望むことから導入が進まないケースも多かった。ペーパーレスファクスを導入することで、生鮮食品など電子機器の利用が難しい業種は紙面処理を継続しつつ、それ以外の業種ではPC上で受発注を行う取引形態も可能となる。上記の理由から、ペーパーレスファクスが卸売業と小売業の双方に受け入れられていると同社は分析している。

PC資産管理市場は94億円まで増加

PC Management

 アイ・ティ・アールは、国内PC資産管理市場の規模推移および予測を発表した。

 2018年度のPC資産管理市場は、前年度比6.8%増の94億円と堅調な伸びを示している。背景には、2020年1月のWindows 7の延長サポート終了に伴うWindows 10へのアップデートやPCの買い替えが進んでいることが挙げられる。

 PC資産管理市場の現状では、導入に一巡感が出始めており、PCの出荷台数の伸びも鈍化している。しかし、Windows 10 の導入後は、定期的なOSアップデートの運用や管理の負担が大きくなるため、それを解消できるPC資産管理製品のニーズが高まる。PC資産管理製品を提供するベンダー各社もその機能の充実度をアピールして販売を推進しているとアイ・ティ・アールは指摘している。これらの背景から、2018~2023年度の同市場の年間平均成長率は5.1%と安定した伸びを見込んだ。

 アイ・ティ・アールの取締役/リサーチ統括ディレクター/プリンシパル・アナリストである金谷敏尊氏は、以下のように説明している。「ベンダーにおけるPC機器やPCマネジメントの提供形態が多様化する中、サービス利用(SaaS)型で調達する企業は徐々に増加すると予想しています。今後、PC資産管理ツールの導入やリプレースを計画する企業は、パッケージ製品だけでなくSaaSを候補に加えて評価することを推奨します」

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