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熱中症リスクから作業員を守るオプテージのソリューション

熱中症リスクから作業員を守るオプテージのソリューション

2019年10月23日更新

腕時計型ウェアラブル端末で作業員を守る「みまもりWatch」

最高気温が35度を超える猛暑日が続き、熱中症の発症件数は増加している。屋外での作業が多い建設業や製造業の作業員は、冷房の効いたオフィスで勤務する従業員と比較して熱中症を引き起こすリスクは高い。こうした熱中症発生の危険性の高い建設業や製造業の作業員の安全を守るため、オプテージは作業員安全管理支援ソリューション「みまもりWatch」を開発した。

IoTで熱中症リスクを回避

 屋外や高温環境での作業が多い製造業や建設業では、就業中の熱中症発症リスクが高い。現場管理者の目の届かない場所で、作業員が体調不良を引き起こすケースも想定される。

 そうした屋外での作業員の安全を守るため、オプテージは作業員安全管理支援ソリューション「みまもりWatch」の提供を開始した。腕時計型のウェアラブル端末を各作業員が装着することで、作業員の体調状況を現場管理者がリアルタイムで把握できる。労働災害を防止する役割を持つ情報の見える化を実現したIoTソリューションだ。

 オプテージは、昨年から製造業に向けて“IoTで人と設備を守る”をテーマにソリューションを提供している。「設備を守るソリューションとして『予知保全支援パッケージ』を提供しています。振動センサーと通信機能一体型のIoTデバイスを工場・プラントの機械や設備に設置するだけで工場内の機械を可視化できる製品です。そして人を守るソリューションとして新たに提供をスタートしたのが『みまもりWatch』です」とオプテージ ソリューション事業推進本部 伴 成和氏は説明する。「製造業や建設業へのヒアリングを通して、IoTを活用して熱中症対策や体調不良者の早期発見といった作業員(人)の安全管理を行いたいという声がありました」(伴氏)

 同社 ソリューション事業推進本部 森前和宣氏は「水分補給の指導や環境温度の把握など、企業ごとに熱中症対策を講じています。しかし、個人の体調にも左右されることから、作業員ごとの体調管理を綿密に行う企業は少ないです」と製造業や建設業の安全管理についての現状を語る。こうした背景を受け、作業員の体調を集中管理し、危険時には作業管理者に早期通知するIoTを活用したソリューションであるみまもりWatchが開発された。

熱中症危険度を判定

 みまもりWatchは、作業員にLoRaWAN対応の腕時計型ウェアラブル端末を配布し、作業員の心拍数や皮膚温度を計測する。同じくLoRaWAN通信機能を備えた温湿度センサー内蔵通信端末を作業現場に設置し、これらのデバイスで取得したデータは、同社が提供するmineo回線でインターネットに接続されたLoRaWAN親機を通じて、オプテージのIoTプラットフォームで集計される。集計されたデータは作業管理者用のWeb画面で把握できる。事前に登録した作業員のバイタル情報を元に、異常を検知すれば、管理者に通知される仕組みだ。

 ウェアラブルデバイスは、心拍センサーや皮膚温度センサーを内蔵しており、作業員が身に付けることで心拍数・皮膚温度が測定できる。ほかにも、作業者の転倒を知らせる転倒検知機能や作業員が自らアラートを上げられるSOS機能、心拍数低下検知アラート機能など作業員の緊急時に管理者がすぐに現場に駆け付けられる機能が搭載されている。転倒検知機能やSOS機能があることで熱中症だけではなく、通年使えるため労災事故防止にもつなげられる。

 森前氏はみまもりWatchの特長について次の三つを挙げる。一つ目は作業員への配布がウェアラブルデバイスのみである点。ウェアラブル端末とスマートフォンを連携させて、クラウド上でバイタルデータなどを分析する製品と比較して、作業員が管理する端末は1台のみで扱いやすく、貸与管理コストを軽減できる。

 二つ目は1台のLoRaWAN親機で100名以上の作業員データが収集できる点。データ収集用のスマートフォンが不要で、現場に1台設置するLoRaWAN親機の通信のみでデータを集約できる。管理するウェアラブルデバイスの台数が大幅に増えても、安価な通信コストで利用可能だ。

 三つ目が、独自のアルゴリズムで熱中症の危険度の判定ができる点。「救急医療関係者の知見を基に、取得した作業員のバイタル情報と環境温度から熱中症の危険度を判定できる独自のアルゴリズムを採用しています」(森前氏)

 熱中症の危険度は個人の暑さへの耐性に加え、作業している環境にも左右される。そこで同社が採用している独自のアルゴリズムでは、ウェアラブルデバイスから取得した個人のバイタルデータと、作業所の各所に設置された温湿度センサーの情報を組み合わせて危険度を判定している。温湿度センサーの情報から、WBGT値と呼ばれる人体の熱バランスに大きく影響する乾球温度、湿球温度の値を算出するため、より精度の高い熱中症危険度判定ができる。作業員のバイタルデータは3~120分の指定した間隔で定期送信できるため、常に最新のデータ管理が可能だ。

「管理者Web」画面のイメージ。作業員の心拍数や皮膚温度などの体調状況が一覧表示で確認できる。

IoTで人と設備を守る

 2019年7月16日の発表後から、20社以上の企業から導入を希望する声が上がっているという。その中には、製造業や建設業関係の企業だけではなく、化学関係や警備関係など同社が想定していなかった企業からのみまもりWatch導入の要望もあったという。森前氏は「労働災害の防止だけではなく、企業にとって大事な従業員が安心して働ける職場を作ることで、従業員のモチベーションの向上や、貴重な作業員の流出を防ぐといった効果も期待できます」とみまもりWatchの導入効果を説明する。

 今後もオプテージは“IoTで人と設備を守る”をテーマにソリューションを拡充していく予定だ。「みまもりWatchで収集した心拍データから作業強度のシミュレートや、位置情報から作業員の導線を分析するといった、見える化から一歩進んだ高度化のフェーズでお客さまの作業効率の向上に結び付けられるようなソリューションを検討しています」と森前氏は展望を語った。

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