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戸田覚が提案するモバイルモニターのビジネス利用

戸田覚が提案するモバイルモニターのビジネス利用

2019年10月18日更新

スマホ作業もモバイルモニターで快適に

テーマ:モバイルモニターの使い方

だんだん、PCとスマホ、タブレットの垣根が低くなってきている。例えばメール、SNSのチェックや返信は、PCでなくても十分にできる時代だ。今回は、さらに一歩進めてスマホで仕事をする方法を紹介しよう。もちろん、何が何でもスマホとか、逆に、絶対にPCがいいと言うつもりはない。どうせ多くの方が両方を持っているのだから、適材適所で使いこなそうというのがコンセプト。そこでスマホ作業を快適にするモバイルモニターを紹介する。

2画面のアドバンテージ

モバイルモニターは、まだひっそりと販売されている。それほどメジャーではないのだが、とても便利だ。今回取り上げるレノボ・ジャパンの「ThinkVision M14」は、14インチの外付けモニターだ。

14インチのThinkVision M14。
折りたたみ式のスタンドを搭載し、背面はこんなスタイルになる。

 当初は、外付けモニターと言えばデスクトップに接続する製品だった。その後、ノートPCやモバイルノートが全盛の時代になると、画面を広く使うために会社の机上で接続するモニターがよく使われてきた。どちらも、20~28インチ程度で画面を大きく使うための製品だ。

 ところが、モバイルモニターは考え方からして違う。モニターを単体で持ち歩こうという製品だ。ThinkVision M14は、14インチなので、「ThinkPad X1 Carbon」と同じ画面サイズだ。こんな小さなモニターを増設して意味があるのか--と考える向きも少なくなさそうだが、実際に使ってみるとなかなか便利だ。

 2画面利用できれば、片側で写真のサムネイルを見ながら逆のモニターでWordやPowerPointに貼り付けることができる。もちろん、ノートPCのみでも同じ作業はできるのだが、どうしても表示サイズが小さくなる。14インチ1画面に対して、14インチ2画面のアドバンテージは相当に大きい。

 ThinkVision M14は、カタログ値で570gと軽量だ。だが、見どころは軽さだけではない。なんと、給電もUSB Type-C端子で行うのだ。つまり、USB Type-Cケーブルを1本つなぐだけで、外付けモニターが使えてしまう。専用の電源すら不要だから、ACアダプターを持ち歩く必要がなく、PCのバッテリーで駆動する。もし、PC用のUSB Type-C接続のACアダプターを持っているなら、ThinkVision M14に接続することで、パススルーで充電できるわけだ。

 つまり、モバイルノートに加え570gの荷物を許容できるなら、出先での作業性は大きく向上する。サイズはA4用紙より微妙に長い程度。最薄部で4mmだが、折りたたみ式のスタンド部分は10mm程度になるだろう。持ち歩く際には、折りたたむことでフラットなスタイルに変わるわけだ。

 もっとも、移動中のカフェで使うようなイメージではなく、ホテルや支社などでガッツリ作業するのに向く。実際には、付属のスリーブに入れて、USB Type-Cケーブルも合わせて持ち歩くことになる。それでも、ThinkPad X1 Carbonと合計して2kg以下の軽さに収まる。出張先でガッツリ仕事をしたいなら許容できる重量だ。

 商談ツールとして使うのもおすすめだ。セカンドモニターのThinkVision M14を顧客に向け、自分はPCを見ながらプレゼンをするのだ。少人数の商談にはなかなか有効な方法だ。

 ThinkVision M14は、ほぼ、つなぐだけで使えるので、特に設定などを変える必要はない。

手前部分にスタンドが付いていて、ちょっとした高さ調整にも対応。
本来はこのようにPCと接続して使うのが役目だ。

スマホだけで利用する

 ThinkVision M14は、スマホやタブレットに接続しても使える可能性がある。僕の手元にあるスマホやタブレットでは利用できている。もちろん、USB Type-C接続ができるのが前提だが、メーカーが保証している使い方ではないので、必要に応じて機器の対応を確認して欲しい。というより、本来はPCと組み合わせて利用するために導入し、スマホやタブレットでも使えた--というのが現実的な利用方法だろう。

 例えば、スマホとThinkVision M14、USB Type-Cを持ち歩くだけでプレゼンができてしまう。重量は全部合わせても800g程度に収まるのがありがたい。

 もちろん、800gのモバイルノートでもプレゼンはできる。だが、最大の違いは14インチの大画面でプレゼンできること。さらに、自分はスマホを見ながら、相手にはThinkVision M14を向けて、しっかり説明できることだ。実は800gという合計重量もナンセンスだ。というのは、そもそもThinkVision M14を持ち歩くかどうかにかかわらず、スマホは持っている。だから、追加重量としてはケーブル込みで600g程度と考えるのが正しそうだ。

 普通にスマホを接続すると、ThinkVision M14の画面には縦長にスマホの画面がそのまま表示される。ところが、スマホ版のPowerPointを起動すると、スマホとThinkVision M14の画面が横に変わる。これならかなり使い勝手がいい。外付けのキーボードを用意すれば、書類作成もある程度はできる。

普通にスマホをつなぐと縦長の画面が表示される。ACアダプターなしで使えるのはすごい。
スマホ版のPowerPointでプレゼンができる。

 普段からPCに慣れている方は、スマホのキーボードが苦手だろう。何を隠そう、僕も苦手だ。ところが、モバイル向けの折りたたみキーボードとThinkVision M14を持ち歩くと、まさにPC並の作業ができる。旅行などに予備で持ち歩いても、最悪の場合には対応が可能だ。

 なお、スマホは常にインターネットにつながっているので、PCと違ってWi-Fi接続などに苦労することもない。

スマホのツールも使える

 最近のスマホには、PCのように使えるツールが採用され始めている。この機能を使うと、スマホとThinkVision M14を接続しただけで、WindowsやChrome OSのような画面が表示される。スマホにインストールしたアプリの何割かが、横方向のウィンドウ表示で利用できる。マルチウィンドウも可能なので、まさしくPCライクに使えてしまうわけだ。

 この手のツールは、メーカーが盛んに開発しているが、実際には、まだそれほど普及しているとは言えない。テレビに接続して使うことが想定されるが、テレビ自体を動かすのも難しく、好みのスタイルでは利用しづらいのが実情だ。

 さらに、スマホにUSB Type-C変換のアダプターをつなぎ、HDMIケーブルでテレビと接続するのが面倒だ。そんなに荷物が増えるなら、PCを持ち歩いた方が早いと考えるのが普通だろう。だが、ThinkVision M14なら荷物は最小で済む。

 ThinkVision M14+スマホというシンプルな組み合わせは、基本的に規模の小さなプレゼンにおすすめ。スマホ版のPowerPointでも、それなりにスライドショーはできる。しかし、急遽スライドを直したり、ちょっとした報告書を作る程度の作業が発生したなら、外付けキーボードを組み合わせて、スマホのPCモードで作業すればいいだろう。メーカーによって異なるが、このモードでは、スマホがタッチパッドになる。折りたたみキーボードとThinkVision M14さえ持ち歩けば、かなりPCライクな作業が実現するのだ。

 気になるコストは3万円台前半。スマホのキーボードが苦手で出先では複雑な作業はしない役員や、とにかく荷物を減らしたい女性にもおすすめしたい。実用性は想像以上だ。

スマホのPCモードを利用すると、Windowsのような作業が可能。
外付けキーボードを使えば本格作業にも対応。

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