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会議における課題を解決するTISのソリューション

会議における課題を解決するTISのソリューション

2019年09月24日更新

スマートスピーカーで議事録作りを効率化
「COET Record Meeting」

議事録の作成は、録音データの聞き直しや文字起こしなどの作業に時間と労力を取られてしまうケースが多い。しかし、ビジネスにおいて議事録は情報共有や会話の備忘録として重要な役割を担っており、作業負担が大きいことを理由に怠るわけにもいかない。こうした会議における課題を解決するため、TISはスマートスピーカーを組み合わせたソリューション「COET Record Meeting」を開発した。

スマートスピーカーが文字起こし

 社員同士の打ち合わせや、顧客との商談など対面での話し合いは日々行われている。その内容はICレコーダーによる録音でデータとして残したり、議事録を作成して分かりやすく情報を共有したりするケースも多いだろう。しかし、音声は聞き直しに時間がかかるため“録音しただけ”になりがちだ。議事録作成にあたって音声を聞き直す場合などはさらに手間や時間がかかってしまいほかの業務を圧迫してしまう。

 そんな課題を解決するため、TISは会議を自動記録するサービス「COET Record Meeting」の提供を開始した。COET Record Meetingは音声認識や音声合成、翻訳、対話エンジンを組み合わせて提供する音声・対話AIサービス「COET」の一つだ。

 TISは、2017年にAIサービス事業部を立ち上げ、自然言語の分野において意図推定、対話、音声認識といった技術を活用したサービスの開発を進めてきた。特に音声認識の分野では、窓口業務で役立つ自動顧客対応デバイスの製品化などスマートスピーカーを活用したソリューションの開発に取り組んでいる。それらの成果の一つがCOETだ。音声認識や音声合成といった音声関連AI技術に加えて多言語翻訳や対話シナリオなどのエンジンとスマートスピーカーを組み合わせて提供するVUI(Voice User Interface)ソリューションの総称となる。

 COET Record Meetingは、参加者ごとの発話内容と音声をリアルタイムに記録し、スマートフォンやPCで記録の閲覧・編集・保存ができる。クラウド管理基盤システム上で提供され、スマートスピーカーの個体管理と、会議で収集された情報共有を安全に運用する仕組みを実現している。TIS サービス事業統括本部 福島 歩氏は「会議をより生産性の高いものにするツールとして役立ててほしい」と説明する。

専用ソフトが不要で導入が簡単

 COET Record Meetingは、スマートスピーカーとスマートビュアーと呼ばれる小型のディスプレイがセットで提供される。提供するスマートスピーカーは音声合成エンジン開発を行うエーアイとTISが共同開発した法人向けスマートスピーカーがベースだ。スマートスピーカーには360度の方向から音声を認識できるマイクが搭載されている。3人ずつ分かれて座る6人程度の会議であれば、発話者を明確に区別して記録できる。会議の参加者は一人ずつスマートスピーカーに向かって名前を発言すると発話者が登録される。発話者の登録人数は最大12人までだ。

 スマートビュアーには、会議ごとに専用のQRコードが表示される。このQRコードをスマートフォンなどで読み取ると、読み取った音声をテキスト化した会議の記録が確認できる。QRコードを利用することにより、当該の会議の参加者のみで情報を共有できるためセキュリティ面でも安心だ。

 導入も簡単だと福島氏はアピールする。「デバイスの電源とネットワーク環境を確保して本製品を起動、参加者の登録、スマートビュアーに表示されたQRコードを読み取るだけで自動記録を開始できます。専用のソフトウェアや参加者ごとにマイクを用意したりする必要がありません」

 テキスト化される録音データは、発言単位で発話者とひも付けされ、リアルタイムで画面上に表示されていく。ただし、音声認識の精度は100%完全というわけではない。誤認識や発言者が異なる場合は、修正したい発言を選択すれば編集できる。画面上でテキストの編集や参照ができる期間はセキュリティの観点から最大7日間までだ。録音したデータはtxtやCSV形式でPCなどの端末に保存可能だ。

会議革命を目指す

 COET Record Meetingは2019年5月からトライアル提供を開始し、7月25日から本格提供を行っている。トライアル提供期間中に製造業から金融業など業種問わず60社以上の企業に利用され、多くのフィードバックを得たという。「社内会議はどの企業でも、業務の中で最も時間を費やしており、会議を充実させることが企業共通の課題だと強く感じました」と同社 サービス事業統括本部 小西啓介氏は語る。

 フィードバックで得た意見から正式発表時に追加された機能もある。言語の翻訳ができる「言語選択機能」だ。海外のエンジニアが常駐する企業も増えているが、会議での使用言語は日本語であるケースもまだまだ多い。常駐している海外のエンジニア自身がある程度日本語が話せても、タスクの指示などで齟齬が生じてしまうケースは多々ある。翻訳機能を使用すれば、選択した言語へ即時翻訳して記録され、発言単位で参照できるようになる。翻訳言語は英語、中国語、韓国語の3カ国語に対応する。

 COET Record Meetingのトライアル利用では、会議での活用のほかに対面接客などのロールプレイングに取り入れられる事例もあったそうだ。「COET Record Meetingは、テキストを残せるので、営業教育などで会話の練習をして、練習後にテキストを見ながら自分の発言を振り返ることができます」(福島氏)

 正式リリース後も、利用者からの声をもとに使い勝手のさらなる向上や、現段階では技術的に難しいという要約機能などを追加していく予定だという。「議事録作成などの負担のかかる作業を機械が行うことで、アイデアを生み出す作業に時間をかけられるような会議の在り方を変える会議革命を起こしたいですね」と小西氏。

 福島氏は「特に今、働き方改革や生産性向上などをテーマに働く企業や専門の組織が増えているので、求められている部分にうまく埋め込んでいけるようなサービスとして展開したいですね」と展望を語った。

取材時に記録した会議のブラウザー画面だ。福島氏が「月島さん」と誤認識されたが、編集機能により修正可能だ。

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