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"給紙"に制約されない自由なプリンティングを提案「RICOH Handy Printer」

2019年09月27日更新

アイデア次第で可能性が広がる

RICOH Handy Printer

リコーの「RICOH Handy Printer」は、インクジェットプリンターのヘッド部分をハンディータイプにしたユニークなモノクロプリンターだ。紙の厚みや形状にとらわれることなく、自由な印刷を可能にする。ありそうでなかったハンディータイプのプリントソリューションは、私的な利用からビジネス用途まで、幅広い需要を開拓する。
text by 森村恵一

書きたいところに印字できる

 RICOH Handy Printerは、手で本体を動かして紙などに印刷するハンディープリンターだ。本体はバッテリーやインクヘッドなどの印刷装置と、インクヘッドを保護するカバーで構成されている。印刷装置には充電用のUSBポート、LEDランプ付きの電源ボタンや印刷ボタン、印刷時に印刷開始位置を分かりやすくする印刷ガイドが取り付けられている。

 使い方は簡単で、専用アプリ「Handy Printer by RICOH」をスマートフォンかPCにインストールして、BluetoothまたはUSBで本体と接続する。アプリから印刷を実行すると、本体の印刷ボタンが点灯するので、印刷したい媒体に本体をセットして、印刷ボタンを押しながら水平にスライドさせるだけだ。RICOH Handy Printerが水平に移動することで、本体のヘッドがインクを噴出して印字されるシンプルな仕組みだ。

 対応するOSは、Windows・Android・iOSの三つだ。Windowsアプリは、Windows 10だけではなく、7や8.1にも対応する。CSV形式のデータを読み込んで印刷するといったビジネスユースに適した機能も充実している。

 一方のスマートフォンアプリでは、基本的に三つの印刷方法が用意されている。「テキスト」「バーコード」「画像」だ。テキストの印刷は、アプリの編集画面で印刷したい文字を入力すればいい。フォントサイズは6~32ポイントで調整可能、印字できる文字数は最大500文字だ。印字領域は最大13.5mm×594mmまで。バーコードでは、URLや文字などをQRコードとして印刷できる。画像は幅10~127mm、高さ10~182mmの出力サイズで写真やイラストが印刷できる。

スライダーモードで画像の印刷を行った。印刷ガイドを目安に、右から左へ本体をゆっくりスライドするのがコツだ。

二つの印刷モードをカバーで切り替え

 RICOH Handy Printerのインクヘッドカバーは、インクヘッドの乾燥を保護するだけではなく、スライダーと呼ばれるパーツを印刷装置に脱着する機能も備えている。スライダーを外したローラーモードでは、本体を直線的に移動させるためのローラーが露出した状態になる。印字がズレないため、テキストやバーコードの印刷に適している。

 逆にスライダーを取り付けたスライダーモードでは、ローラーが機能しなくなるので、本体を自由な方向に動かせる。主に画像を印刷するときに利用する。ただし画像の印刷は複数行にわたるため、印刷ガイドを使っても印字結果に白いスジやズレが生じることもある。解決するためには、何度か練習して印刷ガイドを正確に合わせる動かし方を体得するしかないだろう。

 リコーが想定しているRICOH Handy Printerの利用シーンは、ひもや針金の付いた商品札へのテキスト印刷、段ボールへのバーコード印刷、名刺やグリーティングカードへのイラストや似顔絵の印刷などだ。“給紙”に制約されない自由なプリンティングを提案している。また、縦書きを活用すれば、熨斗や祝儀袋への印刷にも活用できる。

インクヘッドカバーをつかみながら、本体上部を引き出すと印刷装置とカバーを取り外せる。

あると便利で見たら使いたくなる

 RICOH Handy Printerは、開発当初からビジネスでの利用を想定した設計になっていた。そのため、個人で購入するには少し敷居の高い価格となっていたが、実際に販売を開始してみると、法人よりも個人の注文が殺到して、品薄になるほどだったという。個人での購入の中には、会社の総務部などで試験的に購入したケースもあり、その後の法人需要に結び付く可能性もある。

 今後の主流はビジネスニーズになるとリコーは想定しており、2年間で2万台の販売を目指している。実際に、営業担当者が訪問先でRICOH Handy Printerの印刷デモンストレーションを行うと、反響は大きいという。

 いろいろなところに印刷できるという用途は、これまで多くの業務の現場で諦めていたプリンティングの需要を発掘できる。実際に、導入を推進している企業からは、「色」に対する要望も寄せられている。現在は黒のみだが、業務で利用するとなると、「赤」や「青」などの違う色へのニーズが高いという。リコーでは、そうしたニーズに対応するために、次期モデルの開発も検討している。リコーのサイトに紹介されている動画でも、RICOH Handy Printerの使い方や便利さも理解できるが、実物を使ってみるとビジネスの可能性をもっと感じるはずだ。

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