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戸田覚がビジネスチャットの使い方を伝授

戸田覚がビジネスチャットの使い方を伝授

2019年08月26日更新

もはや導入しないと時代遅れ

テーマ:ビジネスチャット

社内や顧客とのやりとりに、いまだにメールを使っているのは完全に時代遅れになっている。ビジネスチャットがあっという間にブームになり、今や多くの企業で使われているのだ。今回はビジネスチャットを使うメリット・デメリットを紹介していこう。

ビジネスチャットは会話

 ビジネスチャットには数多くの種類があるが、基本的な仕組みはどれも同じで、要するにLINEのビジネス版だ。

 メールとは違って、掲示板に書き込んでいく感覚でやりとりができる。「いつもお世話になっております……」という挨拶は不要だし、文末のフッターもいらないから話が早い。メールが手紙だとすれば、ビジネスチャットは会話なのだ。

 ビジネスチャットがここ数年で大ブームになっている理由は、便利だからにほかならないが、僕は違う要素もあると考えている。一つは、誰もがLINEを使い慣れていたことだ。仕組みが似ているLINEを多くの人が使っていたために素地があった。また、仕事用に勝手にLINEを使っている人も少なくなかった。違和感なくすぐさまビジネスチャットを利用できたのは、まあ当然の流れと言えるだろう。

 もう一つは、スマホでの使いやすさだ。今や、コミュニケーションの中心ツールは、PCではなくスマホだ。移動中でも、休暇で旅行に出ていたとしても、連絡ができるのはスマホがあってこそだ。休みの日まで仕事の連絡をしたくないという人もいるだろうが、僕は逆。休みの日でもある程度連絡をしていた方が、結果としてトラブルが防止できてあとで時間を食わないからだ。逆に、仕事中でもプライベートの重要な連絡はやりとりするので、“引き分け”だと考えている。話がそれたが、チャットはメールよりもスマホに適しているのだ。

 ビジネスチャットを導入するだけで、確実にコミュニケーションの時間が短縮できる。「承知しました」というひと言の返事さえ許されるので、テキストを打つ総量が減るからだ。スマホの入力が苦手なオジサン世代も、実はメールよりも使いやすいはずだ。

 コミュニケーションが早ければ、当然仕事の速度も上がる。重要な連絡をすぐに返せるので、判断のスピードが上がる。「メールを待って○○したいのだけど……」という、待ち時間も大幅に減る。

「Microsoft Teams」の画面。会話感覚でさくさくやりとりできる。

プロジェクトごとにスレッド

 ビジネスチャットでは、一つのプロジェクトや取引先とのやりとりごとに、部屋(スレッド)を作れるから、コミュニケーションの仕分けがしやすい。メールでは、返信をたどっていかないと過去のやりとりが見えなくなる。そこで、引用を使って返信の返信の返信……というやりとりが起こり、メールがどんどん長くなる。しかも、スパムを含むあらゆるメールの中からそれを探し出さなければならない。

 ところが、ビジネスチャットなら一つのプロジェクトの話題はひとまとまりになっていて、簡単に探し出せるから非常に便利だ。LINEでグループチャットを作って話題を切り分けるのと同じだと思えば良い。

 このグループは、必要に応じて作成できる。社内でもプロジェクトごとに作成してもいいし、必要なら同じサービスを利用している外部メンバーを含めた部屋を作ることも可能だ。僕個人としても、最近では、ビジネスチャットでやりとりしたいという申し出をよく受けるようになってきた。

 実際に利用してみると、特に便利なのが添付ファイルだ。メールに大きな添付ファイルが付いていると、ダウンロードに時間がかかる。また、過去の添付ファイルを探すのも大変だ。ビジネスチャットなら必要に応じてダウンロードすれば良く、また、それぞれのやりとりに添付ファイルがまとまっているので、あとから探し出すのも簡単そのものだ。

 プロジェクトごとにやりとりの場が分かれているので、誤送信が減る点も見逃せない。メールではCCが付いていることを見落として全員に返信し、漏れてはいけない話が流れることもある。ところが、ビジネスチャットなら、書き込む場を間違えるケースはほとんどないので、安心感が強い。しかも、万一間違って書き込んだとしても、気付いた時点で消したり編集することが可能だ。送ってしまったら終わりのメールが古すぎることが実感できるはずだ。

 プロジェクトが完了したら、やりとりは全部消してしまうこともできる。外部メンバーを含めたやりとりで、記録を残したくない場合にもこれで対応できる。また、参加メンバーを退去させることも可能なので、途中退職者などに履歴を見せないことも簡単だ。メールは届いてしまったら、相手のメールボックスから消すことはできない。取引を停止した相手のメールさえ消せないのだ。

 ビジネスチャットは、プッシュで送られてくるのは基本で、かつ一つのやりとりのデータ量が小さいために、いつでも確実にチェックできる。打ち合わせ中に届いたメールを受信し終えるまで内容が読めない--といったこともないはずだ。

プロジェクトやグループごとに部屋(スレッド)を作れる。

利用時のルールを作ろう

 とても便利なビジネスチャットだが、適当に使うのはあまりおすすめしない。

 まず、プロジェクトごとの部屋を作る際にルールを決めるべきだ。自由に作って良いことにすると、やたらに部屋が増えてしまい、特に見ているプロジェクトの多い管理職が始末に負えなくなる。部屋の数が増えすぎても管理しきれないので、それぞれの仕事内容や職種に見合ったルールが必要だ。

 また、会社全員のように、多くの人に情報を伝えるにはあまり適していない。各部屋の参加者は5~10名程度がベスト。多くても20名くらいが限界だろう。50名、100名となると、やりとりの数が多くなりすぎて、誰がどの話題に参加しているのか、どれが自分が読むべきやりとりなのか分からなくなる。課や部単位での利用が最適で、それを超えた人数になったら、メールを使った方がいいだろう。つまり、メールとビジネスチャットの使い分けの基本ルールを社として決めるべきなのだ。

シスコシステムズの「Cisco Webex Teams」の画面。ファイルの共有も簡単。
やりとりしたファイルは一覧で確認したりもできる。

見落としをフォローできる

 僕の会社では、外部の取引先ともビジネスチャットを利用してやりとりしている。そこで成功したノウハウが、見落としのチェックだ。顧客の書き込みに対して、自社メンバーの返事が遅く見落としていると思われる場合には、気付いた人が警告するようにしている。こちらは、別途自社内のビジネスチャットで伝えれば良い。だれでも見落としは発生するし、返事が遅くなってしまうこともある。こんなときに、仲間内でフォローできるのもビジネスチャットのメリットの一つと言えるはずだ。

 ビジネスチャットでは、言葉足らずでコミュニケーショントラブルが起こるケースが案外少なく、メールの方がトラブルになりがちだ。トラブルの芽があっても、スグに謝ることができるビジネスチャットは、火消しも早い。大きな問題になる前に上司や同僚が入って、仲裁をすることも難しくないのもいいところだ。

ビジネスチャットでは、送信したメッセージは、編集や削除も可能。間違えて送ってしまった場合も修正できる。

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