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Qualcomm Snapdragon 850を搭載した「Lenovo Yoga C630」

Qualcomm Snapdragon 850を搭載した「Lenovo Yoga C630」

2019年07月25日更新

マイクロソフトの悲願を形にした

Lenovo Yoga C630

レノボのYoga C630は、一見すると普通の2in1モバイルPCのようだ。しかし、その心臓部であるプロセッサーには「Qualcomm Snapdragon 850 Mobile Compute Platform」を搭載している。インテル系以外のプロセッサーを搭載したWindowsは、これまでにも「Windows RT」や「PowerPC」などの歴史を持つ。その多くが製品寿命を終えた今、Yoga C630はマイクロソフトの悲願をかなえる革新的なモバイルPCになるかもしれない。
text by 森村恵一

スマートフォン感覚で使えるPC

 Qualcomm Snapdragon 850を搭載したYoga C630の最大の魅力は、約18.6時間というバッテリー駆動の長さだ。スマートフォン向けに開発されたQualcomm Snapdragon 850は、何よりも省電力に優れている。レノボが公表するバッテリー駆動時間は、電子情報技術産業協会の「JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver.2.0)」に準拠して測定している。

 測定方法を簡単に説明すると、動画ファイルを連続で再生し続けてシャットダウンするまでの時間(①)と、デスクトップ画面を表示した状態で放置し続けてシャットダウンするまでの時間(②)をそれぞれ計る。そして測定した①と②の時間を足して2で割って平均化する。この測定法で算出した時間がバッテリー駆動時間として示すことのできる数字だ。

 つまり、フルHD動画を連続で18時間も再生することはできないが、オフィス系のアプリを使いながらWebを閲覧するような作業であれば、おそらく20時間以上は使える。一般的なモバイルユースであれば、朝充電して帰宅するまで、十二分に使い続けられるだろう。まさにYoga C630は、スマートフォンのような感覚で使えるモバイルPCなのだ。

 Qualcomm Snapdragon 850の処理性能は、インテル系プロセッサーと比較すると、インテル Core m3~Core m5の間くらいと評されている。動画の編集や高速演算などには向かないかもしれないが、モバイルユースや動画再生を楽しむ、といった目的であれば、実用十分な性能を発揮する。もちろんファンレス設計なので、長時間の利用でも本体は熱くならない。

 加えてYoga C630の魅力的なポイントが、充実した通信機能だ。eSIMをサポートするLTE対応はもちろん、LTE-Advanced対応のWWANやIEEE 802.11ac/a/b/g/nのワイヤレスLAN、Bluetooth v4.2に高速で接続する。

Yogaらしさを継承しつつ、尖りを入れた

 レノボは、昨年7月以降からコンシューマー向け製品のブランディングを修正して、YogaブランドをハイエンドPCのカテゴリーとした。YogaブランドのモバイルPCと言えば、ディスプレイが360度回転して、ノートPCとしてもタブレットとしても利用できる便利さが人気だ。そのYogaブランドの中で、尖った製品としてYoga C630が開発された。

 Yoga C630は、Yoga製品の特長である360度回転ディスプレイを継承しながら、Qualcomm Snapdragon 850を搭載し「Windows 10 Home(Sモード)」を採用した。Office 2019やMicrosoft Edgeなどの代表的なWindows用アプリが利用できる2in1モバイルPCとして日本語化を実現させた。

 日本語版のYoga C630は、海外での発売から遅れを取らないように、短期間で対応できる日本語キーボードの設計が取り入れられている。ベースとなる英語版キーボードの基本構造には大きな変更はせず、日本語のキートップを違和感なく配置した。

 WindowsのMicrosoft Storeからインストールできるアプリは、64bit(x64)アプリと64bit(ARM64)アプリ、32bit(x86)アプリ、そして32bit(ARM32)アプリの4種類だ。この中で、インテル系64bitに限定された64bit(x64)アプリだけは、Yoga C630にインストールできない。それ以外のアプリであれば利用できる。インストール可能かどうかは、Microsoft Storeで対象となるアプリを表示して確かめられる。

標準でActive Pen を付属している。ディスプレイが360 度回転するので、自分の使いやすい角度で、自由に書き込みができる。

ビジネスに機動性をもたらす

 マイクロソフトでは、Snapdragonプロセッサーを搭載したWindows 10(Sモード)の魅力や特長について、「インターネットへの常時接続」や「PCよりも消費電力が少ない」、「電源を入れると直ちにオンになる」といったスマートフォンのような使い勝手を紹介している。個人的にも、Yoga C630が小型化されていけば、そのまま新世代の「Windows Phone」になるのではないかと感じる。それほど、スマートフォンの利便性をモバイルPCで実現した1台となる。

 このSnapdragonプロセッサーの搭載に注目している企業からは、すでに多くの問い合わせがレノボに寄せられているという。外回りが中心の営業やフィールドサービスなどの部門で、導入を検討し始めたケースもある。

 Yogaブランドはコンシューマー向けのハイエンドPCとなっているが、その性能や今回のYoga C630のような尖ったモデルは、ビジネスユースにも十分な魅力がある。従来の2in1PCの常識を覆すYoga C630は、ビジネスの機動性を求める企業に向けて格好の商材となるはずだ。

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