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モバイルプロジェクターを活用したプレゼン手法を戸田覚が伝授

モバイルプロジェクターを活用したプレゼン手法を戸田覚が伝授

2019年07月22日更新

客先でのプレゼン力を向上させる

テーマ:モバイルプロジェクターが武器に

セールスパーソンにおすすめの小道具「モバイルプロジェクター」の使いこなしを紹介しよう。コンパクトで持ち歩きやすいが、輝度が低いという側面のあるコンパクトなプロジェクターも使い方によっては強い武器になるのだ。

いつでもプレゼンできる環境に

 もはや、商談の現場でプレゼンを行うのはごく当たり前になった。まだ紙に印刷した企画書を提示しているなら、考え方を改めた方がいい、しかも、即刻だ。

 紙を見せる商談では、情報の伝え方のコントロールは相手任せになってしまう。紙で渡した瞬間に、相手は勝手にページをめくり、こちらの説明など聞かずに読み進めてしまうだろう。1対1の商談ならまだしも、複数名が相手だとコントロールはまったく効かない。

 ところが、プレゼンなら情報の伝え方は、自分でコントロールできる。そもそも、今見せたいスライドしか表示しないわけで、レーザーポインターなどで必要な部分を指し示すことも可能だ。さらに、アニメーションを使えば、動的に情報を見せられる。例えば、売上の伸びをグラフで見せる際にも、グラフを動かせるわけだ。

 このように、商談ではメリットしかないプレゼンだが、まだまだその環境が整っているとは言いづらい。企業によっては、商談室にプロジェクターとスクリーンがないケースもある。あったとしても、部屋が使われているために、仕方なくオープンな打ち合わせスペースを使う――現実にはこんなことも非常に多い。

 客先に出向いて商談をする場合には、どんな部屋に通されるか分からない。プレゼンができないとマイナスになるなら、いつでもプレゼンができる環境を整えたい。

 PCの画面を見せながらプレゼンをしても構わないが、その場合にはマウスか外付けのキーボードの利用がマストだ。相手と自分で画面を見ながらスライドをめくるのに、いちいちキーボードに手を伸ばしているのはうっとうしい。マウスでもどうにかなるが、使いやすいのは外付けのキーボードだ。モバイルキーボードをあえて持ち歩くと、スライドのコントロールがとてもしやすい。

 iPadなどのタブレットを所有しているなら、PCの外付けモニターとして利用し、そこにスライドを映すのもよい手だ。この場合、ワイヤレスの接続アプリは不安定なので、ケーブルで接続するタイプがおすすめだ。

モバイルプロジェクターはコンパクトさが魅力。かばんに入れて持ち歩いても負担が少ない。写真は、MP-CD1とiPhone Xsを並べたもの。

プロジェクターを持ち歩く

 本気でプレゼンをしたいと思っているなら、モバイルプロジェクターを持ち歩くのもいい手だ。

 例えば、ソニーのモバイルプロジェクター「MP-CD1」は、大きなスマホ2台分程度の大きさだ。重量は約280gなので、かばんの中に常に入れておいても負担にならない。バッテリーを内蔵しているので、ACアダプターのない部屋でも使える。つまり、客先の環境に頼ることなく利用できるのだ。連続投映は約2時間なので、一般的な商談には事足りる。充電はUSB-C端子で行えるため、スマホの充電器を流用できる。

 モバイル専用モデルらしく、約5秒で起動する。さらに、別売のワイヤレスディスプレイアダプターを外付けにすれば、PCやスマホとの接続もケーブルが不要だ。

 ただ、個人的にはワイヤレスはあまり好きではない。商談の現場でつながらなかったり不調な状態になったりして相手を待たせるのはナンセンスだからだ。僕は先進のデバイスが大好きだが、時間が限られる中での利用には、徹底して安定性を重視している。余談だが、モバイル用のマウスもBluetoothではなく、専用アダプターによるワイヤレスを利用しているのだ。

 さて、便利なモバイルプロジェクターだが、実は大きな欠点がある。一般的なプロジェクターに比べると暗いのだ。MP-CD1はこのコンパクトなボディとしては明るい方だが、それでも105ANSI lmしかない。会議室などに置いてあるプロジェクターは1,500~3,000lm程度が普通なので、非常に暗いのだ。

 MP-CD1は最大120インチでの投映が可能(距離は3.45m)だとしているが、このようなサイズで使いたいなら、部屋を真っ暗に近くしなければ実用的ではない。

 現実的には40インチ程度が普通に使えるサイズだろう。僕は、もっと小さな15インチ程度のサイズで投映することが多い。ピントが合えば小さく投映する分には問題はない。

ピントの調整は手動で行う。
三脚があると好みの角度で投映でき、HDMIケーブルに引っ張られて動く心配も減る。

はっとさせられる

 15インチ程度の投映で意味があるのかと思う方も少なくないだろう。だが、相手の目の前に投映して自分はPCでスライドを操作すればよいので、とても見やすい。何より、PCを向けられるのと違って、相手はそのおもてなし感の溢れる準備にハッとするだろう。

 準備は簡単で、発泡スチロールやポリプロピレンなどのボードを投映サイズに合わせてカットする。「PPシート」「発砲ボード」「スチレンボード」といった名称で100円ショップでも販売されている。なお、発砲ボードには、裏にノリがついているタイプもある。こちらは、A4やB4サイズのボードを手に入れて白い面を投映に使い、裏面にはカタログなどを貼り付けてもよいだろう。

 ボードを立てるには、タブレット用のスタンドを使えばよい。こちらも1,000円以下でいろいろ選べるので好みで選択すればいい。もちろん100円ショップでもタブレットスタンドは売っているので、全部で200円でそろえることも可能だ。

 どちらも超軽量なので、かばんに入れておいても負担になることはない。

 こんなミニマムな投映環境だが、距離が近い分明るさも十分に確保できるので、案外見やすい。目の前にPCを置かれるよりも、はるかに注目するはず。こういった目新しさも、実は重要なのだ。

 モバイルプロジェクターをPCにつなげば、プレゼン以外の用途でも使える。最近、多くの企業が製品の使い方などを紹介した動画を用意している。こんな動画を見てもらうのも、スマホやPCより、プロジェクターの投映の方が目立つ。自社のWebページや商品製造現場の写真をスライドショーで見てもらうなど、使い道は非常に多い。

 商談で使わないときには、展示会や店頭でのイベントなどでも利用可能だ。とにかく目立って気を引くので、さまざまな場面で積極的に利用していきたい。

 MP-CD1は、スマホとMHLケーブル接続にも対応する。ワイヤレスの接続はMiracastを利用する。どちらも、対応機種を確認した上で手に入れて欲しい。より気軽に使いたいなら、スマホとの組み合わせも重宝する。

 さらに、最近はモバイルプロジェクター自体にOSを搭載し、単体でファイルを投映できるモデルも登場している。このような製品を使えば、PCを持っていなくても、スライドやビデオを表示できる。また、PCの画面+プロジェクターという二段構えの情報提示も可能だ。

プロジェクターを利用すれば、自分はPCを操作しながら、顧客にスライドを見せられる。
安価なボードを切り抜いて、タブレット用のスタンドに立てかけて投映するとなかなか雰囲気がよい。

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