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今後の企業のIT投資はBCPやサーバー仮想化がカギ

今後の企業のIT投資はBCPやサーバー仮想化がカギ

2019年07月03日更新

IT投資のポイントはBCPやサーバー仮想化にあり

IT Platform & Server

システムへの投資ニーズとして、ネットワークセキュリティや自然災害対策への注目度が高くなっているようだ。中でもサーバーは、仮想化の普及で製品単価の向上が継続している。電子情報技術産業協会(JEITA)の発表から、ITプラットフォームの市場動向や2018年度のサーバー出荷実績を解説する。

自然災害対策のためのシステム強化が注目される

 ITプラットフォーム市場が拡大している。背景には、労働人口の減少による生産性の低下を防ぐ取り組みや、政府が提唱するSociety 5.0のための環境整備として、ITへの投資が増加していることが挙げられる。

 そうした状況をよく表しているのが、電子情報技術産業協会(以下、JEITA)が5月28日に発表した「ITプラットフォームの国内市場動向およびサーバーの2018年度出荷実績」だ。説明会で解説された内容を紹介していこう。

 冒頭に登壇した、JEITA ITプラットフォーム事業委員会 プラットフォーム企画専門委員会 委員長 三木和穂氏によると、2018年度のIT投資スタンスや投資予算は一昨年よりも堅調に増加し、2019年度もその傾向は続いていくという。同協会では、IT投資が増える中でも特にIT化を行う分野で関心の高い「IT化関連テーマ」について、項目ごとの“注目度”と“取り組み度”の二つの調査で10年間の推移を分析している。

 まず、IT化関連テーマの“注目度”について。本調査における“注目度”とは、企業がどのようなIT化関連テーマに関心を持っているかを項目ごとに回答した割合だ。それによると、「ネットワークセキュリティ」に対する注目度の割合が毎年高いことが分かる。次に注目度が高いのが「自然災害や事故に対するシステム強化対策」だ。本項目は、東日本大震災のあった2011年に急上昇したあと下降し、2018年に再度急上昇している。この理由について三木氏は、「昨年、西日本や北海道などの地域で自然災害が発生し、事故への対応などに追われたことから再び関心が高まったと捉えています」と解説した。また、今年初めて調査を実施した「RPAを活用した業務自動化」の項目では注目度が50%と、ユーザーから高い関心を得た。

 IT化関連テーマの“取り組み度”では、前年度と比べて「クラウドの活用」の割合が急増している。中でも「クラウドサービスの利用状況」において、パブリッククラウド、プライベートクラウドともに長期的に利用率が増加している。

「パブリッククラウドの成長は、2014~2016年度にかけて緩やかになったものの、その後の数年で再度加速しています。プライベートクラウドは一時期利用率が減少しましたが、その後は上昇方向に回復しており、今後も増加を見込んでいます」(三木氏)

 クラウドの利用が進む中で、サーバーの利用率、または利用動向はどのように変化しているだろうか。IT化関連テーマの“取り組み度”でネットワークセキュリティの次に高い割合を示しているのは「サーバー統合化」「仮想化システムの構築」だ。取り組み度とは別に調査された「サーバー統合、仮想化取り組み推移」の調査を見ると、サーバーの統合化・集約化について「既に取り組み済み」と回答した割合は31%。サーバーの仮想化においては34%が「既に取り組み済み」と回答した。

JEITA ITプラットフォーム事業委員会
プラットフォーム企画専門委員会
委員長
三木和穂 氏

サーバー仮想化の増加と比例して単価が上昇

 前述したサーバーに関連する取り組み状況を踏まえ、2018年度のサーバー出荷実績や単価の傾向について、JEITA ITプラットフォーム事業委員会 プラットフォーム市場専門委員会 委員長 香川弘一氏が説明した。

 2018年度のサーバー総出荷実績は、IAサーバー、UNIXサーバー、メインフレームコンピューターの三項目が調査された。出荷台数・出荷金額がともに一番高かったIAサーバーの単価推移を見てみると、2011~2018年度までの単価は上昇傾向を示している。実際に2011年度の1台あたりの単価59万2,000円と比較してみると、2018年度は1台あたり85万3,000円と、約44%増加している。

 さらにIAサーバー単価推移について、単価クラス別の成長率を見てみよう。金額が50~100万円未満のミッドレンジクラスのサーバーが、年平均成長率で6.87%伸びており、市場をけん引した。また、2013年度の50万円未満クラスの金額構成比では40.9%だった割合が、2018年度の金額構成比で32.2%と減少。IAサーバーの単価クラス別推移の結果を踏まえると、50万円未満クラスのサーバーより上の上中位クラスへと出荷台数がシフトしたことが分かる。

 需要が伸びているミッドレンジクラスのサーバーの出荷金額を見てみると、平均117万円と、通常よりも増額しているという。ミッドレンジクラスのサーバーの単価が上昇した背景としては、メモリーなどを増設して導入するケースが増えたことが挙げられた。香川氏は「サーバーの仮想化や統合化に取り組む企業が増加したことで、メモリー増設のニーズが伸長しています」と背景を説明する。それを示したのが上図の「仮想化取り組みとサーバー単価の関係」だ。具体的には、仮想化取り組みの増加に伴い、サーバー単価も増額傾向にあるという。仮想化によって1台のサーバーで複数のシステムを動かす場合には、メモリーを大量に増設したり、ネットワークを増強したりする必要があるからだ。上記の理由から、上中位サーバーであるミッドレンジクラスのサーバーが通常の単価よりも高額で出荷される結果となった。

 これまで紹介してきたIT化関連テーマへの注目度・取り組み度や、サーバーの出荷実績の市場動向で示されている通り、ITプラットフォームの市場はさらなる需要の拡大が期待される。2019年度以降のIT化関連項目の見通しとして香川氏は、Society 5.0に向けた取り組みを踏まえ「ITインフラへの投資の増加は今後も継続していくでしょう」と述べた。

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