ホーム > PC-Webzineアーカイブ > ワンストップでIoT導入が可能なMomoのIoTプラットフォーム

ワンストップでIoT導入が可能なMomoのIoTプラットフォーム

ワンストップでIoT導入が可能なMomoのIoTプラットフォーム

2019年07月30日更新

柔軟かつ簡単にIoTを導入できるプラットフォーム
「Palette IoT」

センサー情報を収集し、そのデータをもとに多様な価値を生むIoT。いざ導入の検討を始めるとコストがかさんでしまい、導入を断念するケースも少なくない。コストがかさむ背景には、一つのIoTシステムに複数の企業が関わることが挙げられる。そうしたIoTシステム導入の煩わしさを解消させるため、Momoが開発したのが「Palette IoT」だ。

コスト課題から普及が進まない

 兵庫県神戸市に本社を置くMomoは2016年3月に設立されたベンチャー企業だ。経済産業省が主催する「飛躍Next Enterprise」で採択、総務省主催の平成29年度「起業家万博」で審査委員特別賞を受賞するなど、高い注目を集めている。

 注目の要因となっているのが、2018年2月にリリースしたIoTプラットフォーム「Palette IoT」だ。コストや開発難度が高く導入が進まないIoTシステムを、専門知識が不要なレベルまで簡易化した。

 Momoの代表取締役を務める大津真人氏は、Palette IoTの開発経緯を次のように話す。「国内のIoT市場は注目を集めている半面、市場の成長速度が遅いと感じていました。実際2019年3月11日にIDC Japanが発表した『国内IoT市場 ユースケース(用途)別/産業分野別予測』によれば、2018~2023年の年間平均成長率は13.3%と決して高い数値とは言えません。導入が進まない背景として、IoTシステムはセンサーや通信インフラなどをそれぞれ別々の企業が製品を提供しているためコストがかさみやすく、ユーザー企業が導入するハードルが高いのだと考えました」

 そのハードルを解消するべく開発されたPalette IoTは、アプリケーション、サーバー、ネットワーク、通信デバイス、センサーボードまでMomoがトータルで提供することで、ユーザー企業の導入ハードルを下げることを実現した。仕組みは、センサーから取得した情報を送信基板から受信基板に送り、Android端末を介してクラウドに送信する。クラウドサーバーでは送られた情報を保管。またWebサイトやアプリにセンサー情報を表示することで、ユーザーのスマートフォンやPCに情報を表示する。Momoではすでに30種類以上(2019年6月現在)のセンサーを自社で提供しており、ユーザー企業のニーズや用途に合わせて柔軟に組み替えて活用できる。センサーを追加する場合でも容易に拡張可能だ。専門知識がなくてもIoTシステムが構築でき、ユーザーがすでに所有しているスマートフォンがゲートウェイとして利用できるためコストメリットも大きい。

ワンストップで提供

 Palette IoTは通信規格にLPWAのWi-SUNを採用している。150m~最大1.5km(Momo調べ)でP2P通信が実現できるため、通信コストも抑えられる。用途に合わせてBLEやLTEなどの通信規格も利用可能で、IoTシステムのニーズに応じたカスタマイズに対応している。

 提供を開始した当時は「ブログのように簡単に開発できるIoT」として、ドラッグ&ドロップでプログラムできるアプリケーションを用いて、ユーザー企業側で自社にあったIoTシステムを開発してもらうスタイルを提案していた。しかし、「現在は当社が要望をヒアリングして開発を進めています。現場の問題解決を目的にIoTシステムを導入したいというユーザーは、ITリテラシーが高くないケースが多く、コードを書かないプログラミングツールでも使いこなしが難しいようでした」と大津氏。

 同社ではPalette IoTを導入する企業に対して、筐体の取り付けなどまで対応し、導入後に混乱することがないようワンストップで構築に対応している。

 すでに企業や公共機関における導入や実証実験も実施されている。例えば六次産業を通じた新たな価値創造を掲げている日本農業では、農園と流通販売の現場をつなげるためにPalette IoTを活用した。具体的には期間限定の飲食店の下膳コーナーを味の評価に応じて三つに区分けし、それぞれにレーザーセンサーを設置した。評価されるごとに、農家のスマートフォンに通知が届き、5回たまると農家から飲食店側に「ありがとう」というメッセージが表示できるような仕組みだ。

電子ペーパーを活用

「電子ペーパーを活用したダイナミックプライシングの実証実験にもPalette IoTが活用されました。フードロスを実現するため、前述した飲食店で販売するスープの残量をセンシングして残量に応じた価格調整を行い、それらの価格をリアルタイムで電子ペーパーに反映させるシステムです。デジタルサイネージで同様のシステムを組むと電力コストが大きいのですが、電子ペーパーであれば電力を大きく削減できます。この技術の実用化によって、バスの時刻表のリアルタイム表示など、デジタルサイネージでは対応が難しかった箇所への導入が目指せます」と大津氏は語る。

 ほかにも、介護における転倒防止IoTや、防犯の侵入検知IoTなど、幅広い用途での活用が進んでいる。「農業、医療介護、施設管理、ロジスティクス、工場、公共、リテールの7分野が、現在の主要領域です。普段ITをあまり積極的に活用していない分野ほど、IoTは強力に作用します」(大津氏)

 導入事例はすでに60件に上る。ユーザー企業のニーズに応じ、センサーの選定からIoTシステムの構築、アプリケーション開発までをMomoがトータルで手がけた。大津氏は「これまでは事例を非公開にしていましたが、今後はこれらの蓄積されたノウハウをもとに、SI企業とのアライアンスを進めていきます」と話す。

 すでに同社はアクセルマークやビッグローブが販売代理店となっているが、今回募集するのはソフトウェア部分の開発を担うSIerだ。「まだ大々的にオープンにしていない情報で
はありますが、IoTのハードウェア部分は当社が担当し、ソフトウェア部分をアライアンスパートナーに担当してもらいたいと考えています」と、PC-Webzineに独自の情報を公開してくれた大津氏。もともとアプリケーション開発部分はユーザー企業が担う予定で開発されたPalette IoT であるため、SI企業の負担も大きくはなさそうだ。IoTビジネスへの参入を考えているSI企業は、アライアンスを検討してみてはいかがだろうか。

キーワードから記事を探す