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KDDIのKCPS ベアメタルサーバーがクラウド移行の課題を解決

KDDIのKCPS ベアメタルサーバーがクラウド移行の課題を解決

2019年05月28日更新

クラウド型のベアメタルサーバー提案で
オンプレミスとクラウドの“いいとこ取り”

企業の情報システム基盤として、クラウドの採用を第一に検討するクラウドファーストが進んでいる。しかし、クラウドを検討した場合でもオンプレミスよりも柔軟性が低いと判断し、クラウド導入に踏み切れないケースも少なくない。そうしたクラウドが抱える柔軟性の課題を解決するのがベアメタルサーバーだ。

Lesson1 オンプレミスからクラウドへ移行する上での課題

 クラウドの導入意向ニーズが増加している。新規システムの導入はもちろん、既存のIT環境を刷新する場合であっても、クラウドを優先的に検討したり、オンプレミスと同等に評価・検討する企業が増えているのだ。しかし、その半面国内のサーバーの大半がまだクラウド化されていないという実情もある。特に複雑なカスタマイズが必要なサーバーや、仮想デスクトップなどを利用している企業は、オンプレミスでの運用が適しているためなかなかクラウドへの移行に踏み切れないのだ。

 そうした従来のクラウド環境が抱えていた課題を解決するのがクラウド型のベアメタルサーバーだ。占有の物理サーバー環境をオンデマンドに利用できるため、既存のオンプレミス環境と同様に、柔軟性の高いシステムをクラウド上に展開できる。

 大手通信事業者のKDDIも2018年10月30日より「KCPS ベアメタルサーバー」の提供をスタートしている。同社は以前から、法人・ビジネス向けIaaS「KDDI クラウドプラットフォームサービス」(略称:KCPS)を提供していた。そうした中でユーザー企業から、オンプレミスからクラウドに移行する上でネックとなる占有性やパフォーマンス、ライセンスといった課題を相談されるケースが多く、それらの課題を解決するIaaSとしてKCPS ベアメタルサーバーをローンチしたのだ。

Lesson2 オンプレミス上の仮想環境をそのままクラウドへ

 KDDI ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部 企画1グループリーダー 佐藤康広氏は、KCPS ベアメタルサーバー利用のメリットを次のように話す。「ベアメタルサーバーは1社でハードウェアをまるごと占有できる、オンプレミスに近いクラウドです。そのため、既存のパブリッククラウドで課題になりがちだった設計自由度の低さを解消できるのです」

 特にオンプレミスからクラウドに移行する際に課題が生じやすいのが仮想化環境だ。パブリッククラウドの場合、ハイパーバイザーなど環境設計が事業者管理になるため、ユーザー側が既存の環境をそのまま移行することは難しい。またオンプレミスのハイパーバイザーライセンスはクラウドに適さないケースも少なくなく、既存のオンプレミス環境をそのままクラウドへ移行することは難しいのだ。

 しかし、KCPS ベアメタルサーバーの場合、仮想環境のシステム全体をオンプレミスからクラウドへ移行できる。既存のオンプレミス環境の柔軟性とクラウドの利便性を組み合わせて運用できるのだ。

Lesson3 EOSに伴い仮想デスクトップ導入ニーズが増加

 特に昨今は、Windows 7のEOSに伴うWindows 10への移行を契機に、仮想デスクトップの導入を検討するケースが増えているという。定期的なメジャーアップデートが発生するWindows 10は運用負荷が高いため、仮想デスクトップ環境によって一元的に管理できるようにするニーズが高いのだ。また、Windows Server 2008/R2のEOSも迫っており、それを契機にクラウドへの移行を検討するユーザー企業も少なくないという。

 KDDI ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部 企画1グループ 課長補佐 來嶋宏幸氏は「そうしたEOSに対するニーズにも、KCPS ベアメタルサーバーは対応可能です。クラウドファースト思考が浸透しつつありますが、前述したとおりオンプレミスからクラウドへの移行は課題も多くあるため、KCPS ベアメタルサーバーの選択肢は有効に訴求できるでしょう」と語る。

 ネットワークとの親和性が高い点もユーザー企業にとってはメリットが大きい。KCPS ベアメタルサーバーは高い安定性のネットワークで接続できるだけでなく、クラウドとの接続料やデータ転送料が無償だ。多くのパブリッククラウドがイントラネット接続、データ転送に接続料がかかることを踏まえると、オンプレミスからのシステム移行に最適な製品と言えるのだ。

Lesson4 既存の提案ノウハウを生かしたビジネスが可能に

KCPS ベアメタルサーバーの導入事例は前述したような仮想化環境の移行が主だ。また、自社でハードウェアを占有できるメリットから、設備機器の稼働状況を見える化するようなIoTの用途にも活用されている。データをセキュアに扱いつつ、どこからでもアクセスできるクラウドのメリットを享受できるためだ。社内やグループ会社共有のプライベートクラウド基盤として採用された事例もあるという。

 佐藤氏は「SI企業などはKCPS ベアメタルサーバーを基盤として仕入れて、自社のクラウドサービス基盤としてOEM提供するケースもあります。オンプレミスと比較してリードタイムが短縮できたり、自社の強みを生かしたクラウドサービスをスモールスタートで提供可能です」と語る。また、既存のオンプレミスサーバーを提案していた企業がKCPS ベアメタルサーバーを取り扱うことで、得られるメリットもあると來嶋氏は話す。「これまでオンプレミスのサーバー提案をしていた販売店は、そもそもサーバーの上に載せるシステム構築を得意としています。KCPS ベアメタルサーバーは既存のオンプレミスシステムのノウハウを生かしつつ、サーバーの保守作業は当社が行うため、既存の提案ノウハウを生かしてサブスクリプションのビジネスモデルに転換できるでしょう」(來嶋氏)

 今後も同社はKCPS ベアメタルサーバーの機能やサービス面の拡充を進めつつ、パートナービジネスの拡充にも力を入れていく方針だ。

本日の講師
(左)KDDI ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部 企画1グループリーダー 佐藤康広 氏
(右)KDDI ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部 企画1グループ 課長補佐 來嶋宏幸 氏

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