ホーム > PC-Webzineアーカイブ > 監視カメラシステムに新たな付加価値を生み出す「アロバビューコーロ」

監視カメラシステムに新たな付加価値を生み出す「アロバビューコーロ」

監視カメラシステムに新たな付加価値を生み出す「アロバビューコーロ」

2019年04月23日更新

マーケティングに利用できる画像解析エンジンが
監視カメラシステムに新たな付加価値を生む

さまざまな場所、施設に導入されている監視カメラ。その用途は、犯罪が発生した場合の記録や、その犯罪を抑止するための防犯として設置されているケースが主だ。しかし、監視カメラで記録したデータを有効に使えば、業務の効率化や効果的なマーケティングも実現できる。その鍵となるのが、クラウドサービスだ。

Lesson1 監視カメラ運用に不可欠なクラウドサービス

 アロバは防犯カメラ録画システム「アロバビュー」の開発と提供を手がけるソフトウェアベンダーだ。マルチベンダーに対応しており、監視カメラソフトウェアで国内シェア1位を獲得している※。

 アロバ 代表取締役社長 内藤秀治郎氏は、監視カメラシステムに生まれている新たな潮流について「防犯を目的とした設置にとどまらない、新たな活用が生まれてきています。例えば、大学などで講義収録システムとして活用されたり、飲食店で店舗スタッフの研修などに活用されています」と話す。

 また飲食店では、新商品が開発された場合はマニュアルを配布し、それを指導者が各店舗に出向いて調理のクオリティを均一化させている。しかし、この手法では手間も人件費もかさんでしまう。

 そこで求められているのが監視カメラのシステムだ。チェーン展開している飲食店の厨房にネットワークカメラを取り付け、スタッフが調理をしている手順を本部で確認する。誤りがあれば本部から音声などで指導する手法を採ることで、新商品展開の立ち上がりを短く、より効率化できるのだ。そしてこれらの効率的な監視カメラ運用に不可欠であるのが、クラウドサービスだ。
※テクノ・システム・リサーチ調べ

Lesson2 煩雑な監視カメラシステムをシンプル化する

 監視カメラシステムで利用されるクラウドサービスは、ネットワークカメラで録画したデータを保存するサーバーの役割を果たす。従来であれば店舗の内部にサーバーを設置してそこにネットワークカメラの録画データを蓄積していたため、ハードウェアの資産管理も必要になっていた。しかし、クラウドサービスを利用すればそれらの資産管理が不要になる。また一部のネットワークカメラでは、本体にマウントされたSDカードに録画データを蓄積していく製品もある。万が一店舗内部でトラブルが発生したり、特定の日時の録画データを確認したい場合は、SDカードを逐次取り外す必要があり運用の煩わしさにつながっていた。クラウドサービスにデータを蓄積できれば、それらの煩わしさが解消できるのだ。

 内藤氏は「クラウドサービスを監視カメラシステムに組み込めば、よりシンプルな運用が可能になります。ネットワークカメラの多くはPoE給電に対応しており、有線LANから給電できるため電源不要で設置できます。サーバーを持たなくても運用できれば、監視カメラとネットワーク環境を整えるだけでよく、手間がかかりません」と語る。アロバでも従来からクラウド型の監視カメラ録画システム「アロバビュークラウド」を提供しており、多店舗展開をしている飲食店など大規模なシステムから商店街やコンビニなど小規模なシステムまで幅広く導入されている。

Lesson3 他社解析エンジンと組み合わせて付加価値提案

 同社では自社のクラウドサービスを提供するだけでなく、他社のサービスを利用して監視カメラシステムの新たな付加価値を生み出している。マイクロソフトが開発した機械学習API群をAzureで利用できる「Cognitive Services」を活用して監視カメラによる画像解析を実現する「アロバビューコーロ」の提供を行っているのだ。

 アロバビューコーロは、カメラで取得した映像を画像解析し、年齢や性別などの属性、喜怒哀楽などの感情を可視化するマーケティングツールだ。内藤氏は「システム構成としてはシンプルで、ネットワークカメラ、スティックPC、SIMが挿入されたモバイルルーターを現場に設置するだけで利用できます。本製品では録画はしておらず、ネットワークカメラで撮影したデータをスティックPCで顔のみの画像にトリミングして、モバイルルーターを経由してデータをCognitive Servicesへアップロードします。Cognitive Servicesで取得した解析結果はPower BIに送信され、クライアントPCから閲覧できるようになります」と仕組みを語る。

 アロバビューコーロの活用が特に有効となるのが小売店だ。既にPOSレジなどで購買動向を分析している小売店は多いが、店舗に立ち寄っただけでそのまま購入しなかった客層を小売店側で認知することは難しかった。そうした層の把握に、アロバビューコーロは有効なのだ。

Lesson4 監視カメラシステムの新たな可能性

内藤氏は「例えば20代向けに商品をそろえているアパレルショップでも、実際に映像を分析した結果、30代が来店の中心であることが判明するケースがあります」と語る。ほかにも、展示会の人数カウントや飲食店のリピーター解析など、カメラを活用したデータ分析の需要はさまざまだ。中にはデジタルサイネージを展開している企業が、配信コンテンツのプロモーション効果を検証するためにアロバビューコーロを採用するケースもあるという。

「解析エンジンをAzure以外のサービスにすることも可能です。顔認識の精度の高さからAzureを選択しましたが、用途によって適した解析エンジンが異なるため、ニーズに合わせてほかのクラウド解析エンジンを組み合わせることも可能です。用途に合わせて解析エンジンを組み替えられる点もクラウドの魅力だと感じています」と内藤氏。解析エンジンを一から開発するのは大きな負担になるが、クラウドであれば既存の解析エンジンを組み合わせて新たなサービスを生み出せるのだ。

 アロバビューコーロは、現在アロバからの直販が中心となっているが、内藤氏は「今後は代理店販売などの販路を広げていきたいと考えています」と語る。今後はネットワークカメラビジネスにもクラウド提案の商機が広がっていくだろう。

本日の講師
アロバ 代表取締役社長 内藤秀治郎 氏

キーワードから記事を探す