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OutSystems、kintone、D-Analyzer...人材不足にITツールで対処する

OutSystems、kintone、D-Analyzer...人材不足にITツールで対処する

2019年04月11日更新

エンジニアの業務アプリ開発負担を大きく低減

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すでに人材不足による負担が生じてきている企業は、ITツールの導入でその負担を軽減させたい。BlueMemeが提供する「OutSystems」はエンジニアの開発負担を低減できるビジュアル言語を採用した開発基盤だ。

Webデザイナーと開発を分業

 開発が楽しくなるプラットフォーム--。そうBlueMemeの取締役 最高執行責任者 辻口真理子氏が語るのは、ポルトガル生まれの超高速開発基盤「OutSystems」だ。BlueMemeは2012年から国内代理店としてOutSystemsを提供しており、100社以上の導入事例を持つ。

「OutSystemsはアイコンをつなげて業務アプリケーションを開発できるビジュアル言語を採用した開発基盤です。開発から運用・保守フェーズまでカバーしているだけでなく、開発環境から本番環境へ移行する際にもバージョンの違いなどを自動でチェックしてくれるため、エンジニアの負担を大きく低減できます」と辻口氏。

 OutSystemsは開発期間も大きく短縮できる。通常のソースコードを記述する開発の場合、Web画面を作るだけでも数日かかってしまっていた。しかしOutSystemsではアイコンをつなげて設計するだけでよく、1時間もしないうちにWeb画面が作成できる。辻口氏は「この手軽さを生かして、例えばWebデザイナーがOutSystemsで画面をプログラミングするような開発も可能になります。裏のシステムをつなぐ部分では専任のエンジニアがロジックを組むといった分業もしやすいでしょう」と語る。

 また、従来のソースコード開発の場合、エンジニアごとに記述のくせがあり、新しく採用したエンジニアや、既存のシステムを引き継いだエンジニアなどがシステムを理解する時間が必要になっていた。しかしOutSystemsはアイコンでどういった設計をしているのかが一目で分かるため、新しいエンジニアへの引き継ぎもしやすい。

BlueMeme 取締役 最高執行責任者 辻口真理子 氏

VRシステムの開発にも

「クライアント型の基幹システムからのリプレースする際の開発ツールとしても活用されています。現在の業務アプリケーションはモバイルに対応することが前提になっていますが、モバイルアプリケーションと業務システムを両方作っているエンジニアはほぼ見つからないと言っていいです。OutSystemsがAndroid、iOSといったモバイルに対応したアプリケーション開発も対応しているため、エンジニア不足も補えます」と辻口氏。

 OutSystemsの導入先の多くはユーザー企業の情報システム部門や事業部門だ。ビジュアル言語を採用しているため、自社で使いやすいと判断して導入するケースが多いようだ。

 もちろんユーザー企業で開発が完結するケースもあるが、アプリケーションの作り込みや既存のシステムとの連携などは外部のエンジニアに依頼するケースもあるという。またSI企業がSaaS基盤としてOutSystemsを活用して自社のサービスを提供している事例もある。

「当社がOutSystemsで開発した事例に、VR空間における映像評価の仕組みがあります。VR空間上のCMの効果を検証するもので、目線がどれくらい集中しているか、あるいは別の箇所を見ているか、心拍数はどうかといったデータを分析してダッシュボードで表示するツールです。フルスクラッチ開発であれば1年~1年半かかる開発内容を3カ月で完了できました。OutSystemsは『作って、見せて』というアジャイル型の開発が非常にしやすく、また早いサイクルで確認してもらえるため、ユーザー側との大きな齟齬がなく開発ができましたね」(辻口氏)

 Webアプリケーション開発を簡単に、かつ柔軟に行えるOutSystemsは前述したVRやIoTのデータ取得ダッシュボード開発にも生かせるため、今後需要が増加する先端技術に対応できるIT人材育成にも活用できそうだ。

■OutSystemsの開発画面
アイコンをつなげてプログラミングするOutSystems。Javaや C#を用いた機能拡張にも対応している。
■スマホアプリも開発できる
スマホアプリの開発にも対応している。またオープンソースとして公開されたライブラリから、端末固有のカメラや指紋認証などの機能も組み込み可能だ。

現場主導で業務アプリケーションを開発する

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すでに企業の情報システム部門は、内部からのシステム改善要望に対応できないケースも出てきているようだ。サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」は、業務部門が自分たちの業務課題を解決するために、自分たちでアプリケーションを開発できるプラットフォームだ。

手軽にアプリ開発

 サイボウズが提供する業務改善プラットフォーム「kintone」。ノンプログラミングで現場が抱える課題を解決する業務アプリケーションを開発できるツールだ。サイボウズ 営業本部 パートナー第2営業部 部長 清田和敏氏は「案件管理や顧客管理など、営業からのニーズが高いアプリケーション、また総務の契約書管理など、現場でシステム化をしたいけれどコストがかけられない業務は多くあります。そうした現場の人間が抱えている不満を解消できるのが、kintoneです」と語る。

 kintone上には、日報や案件管理、問い合わせ管理といったサンプルアプリが用意されている。まずはこのサンプルアプリから自社業務で効率化したいアプリケーションを選択する。例えば顧客管理を選択した場合、Excelで管理しているデータを取り込めば、一瞬でそれらのデータベースがアプリ化できるようになっている。それらを操作するWebアプリケーションのUIは、必要なフォームをドラッグ&ドロップするだけで開発できるため、プログラミングに対する知識がまったくないユーザーでも業務アプリケーションが開発できるのだ。

 清田氏は「最近では企業内の業務効率化だけでなく、企業間の業務効率化にも活用されています」と語る。特に複数社が協力してコンテンツを制作している場合、1社だけがkintoneを導入して業務効率を図っても他社の効率が悪いままでは効果が半減してしまう。企業間のコミュニケーションに生じるボトルネックを業務アプリケーションで解決することが、業務改善の近道となるのだ。

サイボウズ 営業本部 パートナー第2営業部 部長 清田和敏 氏

情シスの負担を軽減

 通常、業務で利用するアプリケーションやシステムは、情報システム部門主導で導入したり、自社に合わせてカスタマイズしたりする。しかし、kintoneが現場の業務部門が主導で導入するケースが主だ。業務の流れを知っている部門の従業員自身が開発した方が使いやすいからだ。

「情報システム部門は基幹システム以外にコストをかけにくいという側面もあります。また従来はインフラの運用保守ができるIT人材や、ベンダーが提案した製品を選定するスキルがあるIT人材が情報システム部門に配属されており、それらのスキルで十分業務が遂行できたのですが、昨今は営業部門や総務部門の従業員のITスキルが大きく向上しており、現場からの要望に情報システム部門が対応しきれないという課題があるのです」と清田氏。そのため、情報システム部門の中には基幹システムのみに対応し、ほかのツールを導入するのは各部門に任せるという運用をしている企業もある。

 ユーザー企業での活用が中心のkintoneだが、もちろんkintoneを利用した開発やコンサルティングによるビジネスも可能だ。kintoneの7割は販売店経由で提供していると話す清田氏は「実際にkintoneを業務改善ツールとしてコンサルティング提案していると、大きな商談につながる例も少なくありません。今後のIT人材は、物売りだけではビジネスの継続が難しく、話を聞いて提案していく営業スキルが重要になってくるだろうと感じていますね」と語った。

■kintoneの開発画面
左側の「ラベル」「リッチエディター」などの機能フォームを右側にドラッグ&ドロップするだけで新たな機能が組み込める。
■リニューアルされたスマホアプリ
スマートフォンアプリも提供している。自社で開発したアプリをkintoneアプリ上で利用できるようになっており、マルチデバイスでの活用が可能だ。3月からデザインを大幅にリニューアルしており、5月からは正式版がリリースされる予定だ。

RPA導入時の業務切り分けを自動化

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既存の定型業務をソフトウェアロボットが代行するRPA。人材不足を解消するツールでもあるが、導入するためには業務の切り分けやヒアリングが必要となり、ハードルが高い側面もある。そうした導入時の煩わしさを解消するプラットフォーム「D-Analyzer」を提供しているのがテンダだ。

業務ログからフローを抽出

 企業における人材不足は、IT人材にとどまらない。その人材不足の負担を軽減する手段として、RPA(Robotic Process Automation)を活用し、定型業務をソフトウェアロボットに負担させる活用が広がりつつある。

 しかし、RPAを業務に導入する場合でもIT人材によるサポートは不可欠であり、“人材不足ゆえに人材不足を解消できない”という事態になりかねない。またIT人材が在籍していてもRPAに置き換える業務の洗い出し方や、ヒアリングなど比較的長い期間の検証が必要であるという理由から、なかなか導入に踏み切れないのだ。

 そういったRPA導入の前段階に生じる課題に対して提供されているのがテンダの「D-Analyzer」だ。D-AnalyzerはRPA業務自動分析・導入のソリューションプラットフォームで、業務ログを分析してRPA化に適切な業務フローを自動抽出してくれる。

 テンダ 取締役 CPO 最高製品責任者 大久保卓氏は「D-Analyzerはもともと、NECソリューションイノベータと共同研究していた『業務自動化支援プログラム』をベースに開発した製品です。業務自動化支援プログラムには当社のマニュアル作成ソフトウェア『Dojo』のテクノロジーを活用しています」と語る。

(左)テンダ ビジネスプロダクト事業部 ビジネスプロダクト営業部 営業1課 島﨑圭輔 氏
(中央)テンダ ビジネスプロダクト事業部 プロデューサー 谷内卓也 氏
(右)テンダ 取締役 CPO 最高製品責任者 大久保卓 氏

RPA提案サポートツールにも

 D-Analyzerの活用方法は簡単だ。まず定型業務が多いと想定される経理部門や人事部門のPCにD-Analyzer Client(収集処理用)をインストールし、業務操作ログデータを記録する。操作ログデータは管理サーバーであるD-Analyzer Server(分析処理用)にアップして、ログデータを分析、その結果から業務プロセスのフローを自動で抽出し、フローチャートで可視化する。

 テンダ ビジネスプロダクト事業部 プロデューサー 谷内卓也氏は「RPA導入時の課題として、費用対効果の示しにくさがあります。しかし、D-Analyzerのフローチャートでは一連のフローの総作業時間やRPA化した際に削減できる時間を可視化でき、検討資料として有効に活用できます」と話す。

 D-Analyzerは昨年10月に提供をスタートした製品だが、既に複数社から引き合いがあるという。テンダ ビジネスプロダクト事業部 ビジネスプロダクト営業部 営業1課 島﨑圭輔氏は「提供当時は5人~10人程度の小規模な人数からの利用を想定していましたが、実際には300人規模で導入を検討しているケースや1部署の業務に適用したいというニーズが多いですね。RPAに対する認知が進み、ユーザー企業のリテラシーが高まってきていることも背景にありそうです」と語った。

 また、RPAツールを提供しているベンダーが、D-Analyzerを活用するケースもある。RPAを導入する場合、前述したように業務の洗い出しやヒアリングが必要になるが、これらのノウハウが身に付いていないエンジニアも存在する。そうしたノウハウ不足を解消する手段として、D-Analyzerを選択するケースもあり、人材不足解消のツールとして有効だろう。

■業務分析結果をグラフ表示
D-Analyzerによる業務分析画面。上から作業量が多いタスクとなっており、作業回数や作業時間も可視化できる。
■業務プロセスをフローチャートで可視化
業務プロセスのフローを自動で抽出し、フローチャートで可視化する。一連の業務フロー総作業時間も表示されるため、RPA化した場合の効果が分かりやすい。

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