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Azureのメリットを生かすRobot As A Service on Azure

Azureのメリットを生かすRobot As A Service on Azure

2019年04月09日更新

Azureと連携してサービス化

Robot as a Service

サーバー構築の手間を省く

 デジタルレイバー(ロボット)を利用して業務の自動化を目指すRPA(Robotic Process Automation)の認知度が拡大し、検討から導入フェーズへと移行する企業も増えてきているようだ。このRPAには、各クライアントPCでロボットが稼働するデスクトップ型と、ロボットをサーバーで一括管理するサーバー型が存在する。RPAの利用規模や使い方に応じて、デスクトップ型とサーバー型の選択は分かれるが、サーバー型の場合には、どうしてもサーバー構築の工数と労力が必要とされる。

 そのため、現状のサーバー型RPAの課題として、「サーバーコストが高い」(オンプレミスサーバーの初期投資の問題)、「サイジングと初期設定のリードタイム」(ロボット開発のプロジェクトの納期が環境準備に影響される)、「ロボット開発、運用に専念できない」(環境設計漏れで、ロボットの開発や本番稼働に影響が出る)などが挙げられる。これらの課題を解決するためにRPAテクノロジーズがマイクロソフトと協業して提供を開始したのが、クラウド型RPA「Robot As A Service on Azure」だ。

 これは、RPAテクノロジーズが提供する「BizRobo!」や「Blue Prism」などのRPAツールと手書きOCRを、マイクロソフトの「Microsoft Azure」上に構築して、ユーザーに提供するサービスだ。Azureを利用したas a Serviceという位置付けになる。特にBlue Prismが、1ライセンスからAzureで利用できるなど、RPAをより低いハードルで導入できる普及型のパッケージだとRPAテクノロジーズはアピールしている。手書きOCRエンジンにはシナモンの「Flax Scanner」がラインアップされており、RPAとAIを組み合わせた高度な業務の自動化もワンストップで提供できるプラットフォームとなっている。

 as a ServiceとしてのRPAのリリースに至った背景について、RPAテクノロジーズ ソリューションラボ BPグループ グループ長の林 祥詮氏は次のように補足する。「2016年がRPA元年と言われていましたが、それから3年が経過し、多くの企業でRPAが利用されるようになってきました。そうした中で、2019年は中小企業に対しても、どれだけ普及させられるかがテーマになります。サービスとして手軽に利用できるas a Serviceのラインアップは、訴求力が高いでしょう」

Azureのメリットを生かす

 Robot As A Service on Azureは、Azureというクラウド基盤上で、BizRobo!やBlue Prismを稼働させられるサービスだが、Azure上で提供されるメリットがやはり大きい。サービスとして、使用した分だけ支払う従量課金になるため、初期投資が抑えられる。また、Azureという実績のある推奨環境での提供も安心だ。SQLデータベースも構築しやすく、クラウドならではのスケールメリットもある。ロボットの追加やディザスタリカバリー(DR)環境の構築も容易だ。Azureで用意されるサービスとの連携も視野に入れられる。

「Robot As A Service on Azureの提供は、Blue Prismなどをオンプレミスで利用されていたお客さまが、社内基盤をクラウド化される際の移行支援という側面もありました。クラウド環境での提供なので、一部門の導入から他部門、全社展開をさせる際に同じ基盤上で稼働させたいというニーズにも応えられます」(林氏)

 RPAツールの選定については、「まず部門単位で利用したいのならば、開発スピードの観点からもBizRobo!の利用がお薦めです。一方、全社展開などの拡張性を重視するのであれば、Blue Prismが最適でしょう」と林氏は話す。

 例えば、Blue Prismを選択した場合のサービス提供形態は次のようになる。Azureのクラウド環境(サーバー、データベース群)は構築された状態で引渡されるため、すぐにBlue Prismの利用が可能だ。システム概要は図のようになる。オンプレミスで導入するRPAツールと比較して、システム構築に要する時間を大幅に短縮できる。

 また、Blue Prismの初期導入時に必要なトレーニングや参考資料、サポートなどがスタートパックとして一緒に提供される。Officeなどの汎用的なアプリケーションを動作させる部品や豊富なドキュメント、ナレッジベースなどが顧客専用ポータルサイトから無償で利用可能だ。

「ロボット用の仮想端末は20分ほどで構築できます。あとはまるごと複製していけばいいので、ロボットの展開・追加も簡単です」(林氏)

 実際の環境構築パターンは三つある。一つ目は、ユーザーが契約したAzureの基盤上にRPAテクノロジーズがシステムを構築したあと、ロボットの運用などをユーザーが担うパターン。「Azureの構築サービスを提供しているパートナーと組んで展開しています」(林氏)

 二つ目は、RPAテクノロジーズが契約するAzureの環境上にRPAの仕組みを構築し、それをユーザーに提供するパターン。ユーザーはその環境上でロボットの開発と運用を行う。三つ目は、RPAの環境だけでなくロボットの運用・保守までもRPAテクノロジーズが担うパターンだ。「これはロボットアウトソーシングのようなイメージですね。ユーザーは成果だけを得られる仕組みです」(林氏)

RPAテクノロジーズ 林 祥詮 氏
「サービスとして手軽に利用できるas a Serviceのラインアップは、訴求力が高いと考えています」

AIとの連動でRPAを進化

 Robot As A Service on Azureの提供については、サービスの発表時に以下のような内容が掲げられた。


――RPAの導入企業が増えて一般化する中、地方や小規模のお客さまの導入ニーズが高まってきている。RPAテクノロジーズでは、RPAの大衆化と高度化をミッションに、クラウドテクノロジーを用いることで従来より導入のハードルが低く、さらにAIとの連動で高度に進化したRPAを提供することで、お客さまの働き方改革のお役に立ちたいと考えている。

マイクロソフトとのRPA分野での協業は、このRPAの高度化と大衆化を加速させる象徴的な取り組みであるだけでなく、今後両社がAI分野で協業することで、全く新しい切り口でサービス提供が可能になると確信している。


 林氏も次のような展望を語る。「まだまだ、新しいもの、つまりRPAとクラウドという組み合わせに対する抵抗感があることも事実です。そうした抵抗感を軽減し、より多くのお客さまに利用していただけるように、さまざまなニーズを伺って、サービスに反映させていきます」

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