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人とRPAの協働が本格化する働き方改革ICT市場

人とRPAの協働が本格化する働き方改革ICT市場

2019年03月05日更新

ユーザー企業主導のIoT運用が増加

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 ノークリサーチは、2019年の中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイントのうち、IoTや働き方改革を含むソリューション視点からの調査結果と今後の見解を発表した。同調査では、2019年も引き続き注目すべき領域の筆頭として「IoT」と「働き方改革」を挙げている。

 まず着目すべきなのは、IoT機器の活用形態に変化が起きていることだという。従来、ユーザー企業がIoT機器を活用する際は、IT企業がセンサー設置やデータ分析を担うため、データ収集の過程ではユーザー企業側が介在しないケースが多かった。しかし、昨今IoT機器を活用してデータを収集・分析する際は、ユーザー企業が主導するケースが増加している。IoTのデータ分析や収集などの運用が「IT企業主導」から「ユーザー企業主導」へ変化してきているのだ。こうした変化を踏まえた上で、IT企業はユーザー企業と共創する形でIoT活用提案を模索していくことが重要になるとノークリサーチは指摘する。

 働き方改革においては、長時間労働を是正し無駄な手作業を自動化する「業務の自動化」だけではなく「人材の活性化」のバランスが必要だ。中堅・中小企業は大企業と比べて人員数や業務量が少ないため、業務の自動化だけでは労働時間削減の効果が限られる。有能な人材を確保して維持するためにはモチベーションの向上なども不可欠だ。そのため、人材データベースを活用して従業員間の交流を図るHR Techなどによって業務効率化と職場改善を進める人材の活性化に取り組み、個々のユーザー企業に適したバランスを見出すことがIT企業の重要な役割だと提言している。

機能分類にとらわれないIoT提案が必須

本調査で示された「『生産管理』製品/サービスにおける年商別のIoT関連ニーズ状況」のグラフをみると、「原価管理を目的としたIoT連携」と「工程管理を目的としたIoT連携」の二項目の回答割合は年商規模によって異なっている。それぞれに共通した傾向がみられないことから、生産管理分野におけるIoT活用提案では、既存の機能分類にとらわれ過ぎないことが重要だと同社は指摘する。例えば、同じ生産管理製品でも、人的作業も含めたコスト算出に課題を抱えている企業の場合は原価管理を目的としたIoT連携が有効だ。半面、納期遅延の原因特定が重要である企業は、工程管理を目的としたIoT連携を求めているといったように、IoT活用の目的はユーザー企業の抱えている課題によって異なる。IT企業がIoT活用提案をする場面では、既存の機能分類に固執しやすい傾向にあるため注意が必要だ。

働き方改革ICT市場は2兆2,769億円

Work Style Reform

 IDC Japanは「日本国内における働き方改革ICT市場予測」を発表した。同調査によると、2017年の市場規模は2兆2,769億円。2017~2022年の年間平均成長率は7.6%で、2022年には3兆2,804億円まで拡大すると予測している。

 同市場で成長率が最も高い分野はITサービス/ビジネスサービスで22.1%、次にソフトウェアが12.2%、通信サービスは3.0%、ハードウェアは0.8%とみている。

 国内働き方改革ITサービス/ビジネスサービスの市場規模は、2017年では約2,800億円と小規模だったが、エンタープライズモビリティ向けとコグニティブ/AIシステム向け市場の急成長により、2022年には約7,500億円まで拡大するという。働き方改革に影響を及ぼすハードウェア市場は大部分が買い替え需要に支えられており、2017~2022年の年間平均成長率は同市場内の割合で最も低くなっている。

 安倍内閣で行われてきた働き方改革は今年で3年目を迎える。本取り組みは過去2、3年では残業時間の削減のための施策が中心だったが、2018年に入ると、膨大なルーチンワークを抱える企業がRPAを試験導入し、本格導入に移行する例など、積極的にICTを活用した取り組みが増え始めた。

 アナリティクスやAIは、各ソフトウェアと組み合わせることで高度な自動化、個人の知識とノウハウの共有化、人の判断サポートなどの分野で活用が進み、人とRPA(デジタルワーカー)の協働、働き方改革の根本的な見直しへの機運が高まりつつあるとIDC Japanは指摘している。

クラウド型CRM総市場は4,780億5,000万円に

Cloud CRM

 ミック経済研究所は、CRM分野におけるクラウド型市場の現状と中期予測をまとめた「クラウド型CRM市場の現状と展望 2018年度版」を発表した。同調査は、CRM分野にクラウドを提供するICTベンダー187社を対象に、そのうちの主要ベンダー59社を調査したデータをもとに総市場を集計・分析した結果だ。

 CRM市場におけるクラウドとオンプレミスの市場比較では、二つの市場の推移が反転する結果になった。2017年度のクラウド型CRM総市場は1,640億3,000万円であった。同年から年平均成長率が24.3%と高水準で推移し、2016年度に1,297億7,000万円だった同市場は、2020年度に3,089億8,000万円にまで上昇すると予測した。東京オリンピック・パラリンピック開催後となる翌年の2021年度は3,427億5,000万円と成長にブレーキがかかるものの、2022年度には4,780億5,000万円まで増加すると同社は予測している。

 一方オンプレミス型CRM市場は、2016年度に5,000億円だった市場が2017年度以降はダウントレンドで推移し、2022年度には1,800億円マイナスの3,200億円規模にまで縮小するとみている。

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