
戸田覚が伝授するモバイルマウスの使いこなし方
モバイルマウスを使いこなす
テーマ:出先での作業効率を上げよう
生産性を高めたい――という方はとても増えているが、案外自分が頻繁に使っているツールには気を配っていないものだ。出先でもストレスなく作業するためには、使い勝手の良いマウスをおすすめする。今回はその選択や使いこなしを紹介しよう。
マウスは生産性を高める
大昔の話をすると、そもそもPCはキーボードで使うものだった。MS-DOSの時代は、ほとんどキーボードで利用していたのだ。その後、GUIが採用されたWindowsが登場し、マウスが普通に利用されるようになってきたのがこれまでの流れだ。
画面上でマウスポインターを動かして作業するというのがWindowsの基本だが、最近はマウスを使わない人がとても多い。ノートPCのほぼ全てのモデルにタッチパッドが搭載され、その操作に慣れている人が増えているのだ。
確かに、使い慣れればタッチパッドでもそれなりに作業はできる。だが、マウスを使った方が作業性が良いのは言うまでもないだろう。デスクトップPCで外付けのタッチパッドを使っている人がほとんどいないことを見ても分かる。誰もがマウスを利用しているのだ。使う人が少ないから、Windowsでは外付けのタッチパッドが普及しない。まあ、Macでは別の世界があるのだが、今回は話を仕事でよく使うWindowsに絞る。
ノートPCを使う人でも、机上でA4ノートをヘビーに使っている方は、多くがマウスを利用している。ところが、モバイル環境でも数千円で買えるマウスを携帯して利用すれば、作業性が向上すること間違いなしだ。電車の中などでは事実上使うことができないが、自宅やカフェ、出張先のホテルでは問題なく使える。こんなときには絶対にマウスで作業した方が生産性が高まる。
特に最近は、モバイルノートが大画面化している。14インチモデルの人気も高くなってきた。また、15インチのノートでも1kgクラスの製品が登場している。画面が広ければ、比例して一覧性が高くなり作業性も向上するが、タッチパッドでは使いづらい。画面が広いほど移動距離が長くなり、タッチパッド上での移動が難しくなるのだ。
さらに、最近増えている4Kなどの高解像度モニターでは、13~14インチでもタッチパッドでは作業がしづらい。マウスポインターの速度を上げると、タッチパッドと画面の端から端の動きを一致させることもできるが、今度はポインターの動きが速すぎて緻密な操作がしにくくなる。リッチな表示のPCこそマウスを使って欲しい。
モバイルマウスの上手な選び方
モバイル環境でも使えるコンパクトなマウスは色々な種類が発売されており、僕もあれこれと購入して利用してきた。そこでいくつかの結論に至ったので紹介していこう。
コンパクトなマウスほど持ち歩きはしやすいのだが、使い勝手は落ちる。このあたりは、バランスを考えて選ぶしかない。出先でも長時間使うならなるべく大きな製品を選ぶべきだ。逆に、ちょっとしか使わないなら小さな製品をかばんに常備しておいても良いだろう。
個人的には、Microsoftのアークマウスシリーズが気に入っていて代々使い続けている。持ち歩く際には小さいが、使うときには折り曲げ部分を開いたり、逆に曲げることで使いやすくなるのだ。ロジクールのモバイルマウス「ロジクールBluetoothマウスM557」などはやや大ぶりでかばんの中でかさばるものの、使い勝手は良好だ。マウスのサイズは手の大きさによっても使いやすさが変わってくるので、自分に合った製品を探したいところだ。
最近は、モバイルマウスにもBluetooth接続の製品が非常に増えてきた。ワイヤレスで使えるのはとても便利で、レシーバーがいらないのも重宝する。
ただし、自分自身でも散々使ってきたのだが、最近はBluetoothが万能ではないと思えてきている。確かに、接続してしまえばBluetoothマウスは便利だしシンプルに利用できるが、ペアリングが切れてしまうことがままあるのだ。すると、再度ペアリングしなければならず、これが結構面倒だ。
多くの製品が、ボタンを数秒間押し続けて、ペアリングモードになったら、PC側でマウスを選んで接続する。難しい作業ではないのだが少々手間がかかる。出先のカフェでちょっと作業したいときにペアリングが切れていると、面倒だからタッチパッドで操作してしまう。結局こんな思いをしているとマウスを使わなくなるものだ。
そこで、僕は専用のドングルが付属した古いモデルを愛用している。ドングルをPCに差し込みっぱなしにしておけば、いつでも確実に利用できる。Bluetoothのように切れることはないからいつでも即利用できる。しかも、最近は古い製品になっているためか、安く買えるケースが多い。5,000~8,000円程度したワイヤレスマウスもかなり割安で買えることもあり、少しまとめて購入している。
ただ、今後はUSB端子もUSB Type-Cに変わっていくことは間違いなく、いつまでも使えるとは限らない。また、コンパクトなドングルでも差し込みっぱなしにしてモバイルノートを持ち歩くのは、若干危険性がある。万一落としたときにドングル部分が床などに当たると、一発で基板が壊れる可能性が高いのだ。高い堅牢性をうたう製品でも、USBポートに何か差し込んでいて、その部分から落としたり、ぶつかると非常にもろいのだ。
商談の場でも重宝する
トータルで考えるとBluetoothマウスがよいという考えも否定するつもりは全くないし、僕も併用している。Bluetoothマウスが便利なのは、Androidタブレットやスマホでも利用できることだ。AndroidタブレットではExcelの利用が可能で、出先ではPC並に作業することも可能になってきた。ただし、範囲指定を指で行うのはかなり苦痛なので、マウスを使うことをおすすめする。iPadは残念なことにマウスが使えないので、Androidタブレットの優位点と言えるだろう。
さて、マウスを使うメリットは操作性の良さだけではない。商談の現場でもかなり重宝する。例えば、2~3名での商談や会議では、プロジェクターを使わずにPCの画面を見せてプレゼンをすることが多いだろう。こんなときにも、マウスを使っていれば、PCを思い切り相手に向けてスライドがめくれるのだ。プレゼンター代わりにも使えてしまうというわけだ。
また、WebページやExcelの表などを提示する際にも、タッチパッドを使っていると、ページをめくったり移動する度に自分の方に向けて作業する必要があるが、マウスを使っていれば、ちょっと覗き込むだけで確実に操作できる。商談の際にもあれば間違いなく便利なのだ。
コンパクトのマウスを手に入れたら、使うかどうかは気にせずにかばんに入れておくことから始めてみよう。便利なので、日々出番が増えてくるはずだ。
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