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データ連携やシステム間連携が進むプラットフォーム市場

データ連携やシステム間連携が進むプラットフォーム市場

2019年02月05日更新

クラウドとIoTがプラットフォーム市場をけん引

ICT And Media

 野村総合研究所は、2024年度までのICTとメディアに関連する主要5市場(デバイス/ネットワーク/コンテンツ配信/プラットフォーム/xTech)を取り上げ、国内市場および一部の国際市場における動向分析と市場規模の予測を行った。市場ごとの特長的な動向と予測結果をみていこう。

 まずは、規模拡大の好循環に突入しているデバイス市場だ。デジタル技術で企業経営やビジネスモデルの変革を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)への注目が高まっている。デバイス市場においても、今後さらなる発展が期待されている。大量のデジタルデータの創出、シェアリングエコノミーといったビジネスモデルの変革に伴い、AIを用いてデータを分析し将来の予測に役立てる「データ駆動型のアプローチ」により産業間の融合が進んでいく。それと同時にこれを実現するデバイスへのニーズが高まるという。

 ネットワーク市場は、大手携帯電話事業者の料金値下げにより、格安スマートフォンの契約回線数の伸びがゆるやかになる予想だ。タブレット端末やIoT機器などの通信モジュールが組み込まれた機器の増加などにより、2018年度末に1億7,377万回線を見込んだ携帯電話・PHSの契約回線数が、2024年度には1億8,468万回線に増加すると同社は予測している。

 産業としての転換期を迎えたコンテンツ配信市場は、付加価値競争へとシフトしていくという。動画配信市場は映像コンテンツの視聴サービスの利用が拡大し、2024年度の市場規模は2,300億円を超える見込みだ。

 プラットフォーム市場はクラウドサービスとIoTが市場拡大をけん引するという。クラウドサービスは2018年度の約2.9兆円から2024年度には約5兆円へ、IoTは2018年度の約4.3兆円から2024年度には約7.5兆円を超える規模へと大きく成長する見込みだ。企業による情報システム投資の中心であった「コーポレートIT」向けの投資に加え、ビジネスの価値向上を目指した「ビジネスIT」への投資が市場拡大をけん引していく。特にビジネスITの分野では、多様な事業者向けプラットフォームの登場や、社会インフラとICTが融合したスマートシティなど、企業の枠を超えて、データ連携やシステム間連携が進んでいくと同社は予想する。

デジタル技術を活用したxTech市場の拡大

 クラウドやIoT、AIなどのデジタル技術を活用した新しい市場として注目されるのが「xTech市場」だ。xTech市場はさまざまな分野・業界で新しいサービスを展開したり、業界構造そのものを変革したりする動きから生まれる新市場を指す。幅広い分野に広がり、金融ではFinTech、広告ではAdTech、教育ではEdTechといったあらゆる領域で新市場が誕生している。

 xTech市場の中で最も先行している市場の一つであるFinTechは、次々と出現しているFinTech企業や、FinTech企業と既存金融機関との連携により、新しいサービスやビジネスモデルが生まれている。

 将来的な市場の可能性として、国全体に関わる社会問題の「2024年問題」が指摘された。日本の人口動態で50歳以上の人口が5割を超えるため、労働人口が不足したり、PSTNがIP網に一斉に切り替えられるなど通信業界に変革が起こったりする年である。少子高齢化が進む日本では、進化するICTを活用しつつ、生産性向上と働き方改革を推進して、豊かな社会を維持していくことが大きな課題だと野村総合研究所は指摘する。

 企業においては、2020年ごろに実用化が見込まれる5G、急速に進化するAI、IoT、ロボットなどのデジタル技術を活用して、持続的に成長可能なビジネスモデルを再構築できるかどうかが問われる。環境変化が激しい世の中だからこそ、自社が真に創出すべき社会価値を見極め、自社の強みを先鋭化させることが必須といえる。

国内民間企業515社のAI導入率は2.9%

Artificial Intelligence

 矢野経済研究所は「業種別AI(機械学習やディープラーニング、自然言語処理、画像認識、機械翻訳、ロボット、チャットボット、RPAなど)の導入状況に関する法人アンケート調査(2018年)」を発表した。同調査は国内の民間企業515社を対象に2018年7月~10月に実施された。

 アンケート結果によると、AIを「すでに導入している」と回答した比率は全体で2.9%、「実証実験(PoC)を行っている」という回答は5.8%だった。注目度の高いAIだが、企業のAI導入率は低いことが分かる結果となった。ただし、企業のAIへの関心は高く「今後も取り組む予定はない」という回答は15.0%にとどまっている。

 AIの導入率を業種別に見ると金融業が12.5%と最も高く、プロセス製造業が3.9%、加工組立製造業が3.7%、サービス業が2.1%と続き、流通業が最も低い0.8%だった。製造業は全体よりやや高い傾向である。流通業はITの活用に慎重な企業が多く、IT人材も少ないという実態がある。同調査において、業種別でAI導入率が最も低い結果となった理由であると同社は推察している。

 昨今、流通業を取り巻く環境は大きく変化しており、少子高齢化による労働力不足が深刻化している。店舗スタッフの雇用難やベテランスタッフの高齢化、退職増などへの対策が喫緊の課題である。

 これらの流通業の課題解決に向けて、決済や販売、需要予測などを支援するAIを搭載したソリューションが提供されている。省力化や業務自動化にAIを活用する効果は大きいと期待される。ただし、現在、流通業でのAIの活用は大手企業に集中している。中小企業への普及が進むためにはAIソリューションの低価格化や導入効果の明確な検証が求められるという課題も残されている。

※アンケート調査期間:2018 年7 月〜10 月、調査(集計)対象:国内の民間企業515 社(プロセス製造業129 社、加工組立製造業108 社、サービス業141 社、流通業121 社、金融業16 社)、調査方法:郵送によるアンケート調査、単数回答。
※四捨五入のため、図内の合計・比率が一部異なる。
※ AI とは機械学習(ディープラーニングを含む)、自然言語処理、画像認識、機械翻訳、ロボット、チャットボット、RPA などを指す。また、RPA のように一般にはAI と称するほど高度な技術とみなされないものも一部に含まれる。

2018年度のOCRソフトウェア市場は483.3億円に

Optical Character Recognition

 ミック経済研究所はOCR市場を手法別に捉えた「AI活用で転換期を迎えるOCRソフトウェア・サービスの市場動向2018年度版」を発表した。OCRソフトウェアとは、画像などから読み取った情報の文字認識を行うものだ。複合機やOCRシステム・機器などへの専用組み込みソフトウェアは除外している。同調査によると2017年度のOCRソフトウェア・サービス市場は、464.1億円だった。2018年度は前年度比104.1%の483.3億円を見込んでいる。

 同調査ではOCRソフトウェア・サービスを三つのカテゴリーに分けている。一つ目は金融市場で使用される為替OCR、二つ目は伝票・帳票OCRと電子保管・文書管理用OCRを含む汎用OCR、三つ目は活字・手書きの読み取りをAI技術により自動化できるAI OCRだ。OCRカテゴリー別にみると、2018年度の前年比率はそれぞれ為替OCRが84.6%、汎用OCRが110.9%、AI OCRが373.6%と成長期であるAI OCRの伸び率が高い。

 事業区分別にみると、2018年度はクラウドが2017年度比217.1%、BPOサービスが156.0%の成長だった。中期予測では、2021年度のOCRソフトウェア・サービス市場は年平均成長率7.62%の670億円と予測している。為替OCRは年平均成長率3.98%と縮小が続き、2018年度段階で汎用OCRと市場規模が逆転する。AI OCRは2021年度構成比19.4%で、年平均成長率62.85%と伸長していくと同社は予想する。

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