
飲食店で需要高まるキャッシュレスシステム
レジに行かなくても決済できる次世代キャッシュレス
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飲食店の深刻な人手不足は、POSレジ+キャッシュレスの仕組みを導入することでその課題を解決できる可能性が高い。求められるのは、飲食店向けに開発されたPOSシステムだ。
飲食店専用POS&スマホ決済システム
ジャストプランニングは、飲食店専用のPOSシステム「まかせてタッチ」を提供している。まかせてタッチは飲食店に必要な機能を搭載した高機能POSシステムで、iPadをPOSレジ、iPod touchをオーダー端末として使用する。ジャストプランニング 営業部 副部長 中山朝之氏は「当社では25年にわたり、飲食業界向けの売上、仕入れ、勤怠といった店舗管理システム『まかせてネットEX』を提供しており、それらで培った飲食業界向けのノウハウをPOSレジシステムに生かしています」と語る。
飲食店は、スーパーやアパレルと比較して、会計時に個別会計が発生したり、来店者のオーダーごとの管理をしたりと、POSレジに求めるシステムが異なる。まかせてタッチでは、そのような現場から求められるニーズに応えたシステムなのだ。iPadをPOSレジに、iPod touchをオーダー端末として使用することで、店舗スタッフに対する教育も短期間で完了でき、店舗のオペレーションを効率化できる。
またジャストプランニングの子会社であるプットメニューは、来店者のスマートフォンを使って12言語の注文と支払いができるオーダーシステム「Putmenu」を展開している。テーブルや部屋にビーコンを取り付けることで、注文から会計までを全てスマートフォンで完結させる仕組みだ。本サービスでは、注文から会計までアプリ内で完結するため、レジでスマートフォンをかざしたり、QRコードを読み込んだりする手間もない。
特に需要があるのがショッピングセンターのフードコートだ。来店前に料理を選択してPutmenuアプリでオンライン支払いをし、フードコードに入店するとビーコンがそれを検知して注文を確定するため、来店者はテーブルで待っているだけでよい。来店者がテーブルを確保し、目的の店舗カウンターまで行って、料理ができあがるまでテーブルで待つ、といった手間をなくせるため、消費者にとってもメリットの大きいサービスなのだ。
スマホに近いUIでスタッフの教育負担を低減
まかせてタッチについて中山氏は次のようにメリットを語る。「飲食店で料理を注文するとき、店舗スタッフがオーダー端末に注文内容を入力してバックヤードなどと共有していますが、このオーダー端末の操作方法などをアルバイトやパートスタッフなどに覚えてもらう教育の負担は意外と大きいのです。まかせてタッチは、iPod touchをオーダー端末として利用して来店者からの注文を受けるため、スマートフォンの操作になじんだスタッフにとっては使いやすく、教育にかかる時間を削減できます。また初期導入費も従来の3分の1程度と安価で、これまでコスト負担から導入を悩んでいた店舗も採用しやすいのです」
iPadをPOSレジとして運用できる点も、前述した教育負担の低減や、扱いやすさにつながっている。POSレジで処理した店舗の売上情報は店舗外からモニタリング可能で、注文されている内容もリアルタイムに把握可能だ。そのため、売れ筋商品の確認や、遠隔からの店舗への指示出しにも活用できる。
「データ分析の画面はWebブラウザーのSafariから参照できますが、参照するときにアクセスしているのは当社が管理しているサーバーではなく、PC機能を内蔵したレシートプリンターです。レシートプリンターはPOSレジの近く(店舗のネットワーク内)に設置されているため、万が一外部のネットワークに接続できなくなっても、店舗の内部のPOSシステムは問題なく使える仕組みになっています」(中山氏)
まかせてタッチは、上記のようなデータ参照を有効に活用したい飲食店が導入するため、10店舗以上の多店舗で展開している企業が採用するケースが多い。しかし、POSデータから自動的に売上集計分析ができる機能を搭載しているため、個人店舗が導入しても高い効果が得られる製品だという。「iPadだけでなく、従来型のPOSレジも利用できるため、導入先店舗の運用スタイルに合わせた提案が可能です」と中山氏は語る。
まかせてタッチは三菱UFJニコスが提供する「J-Mups」と連携しており、国内外のクレジットカードに加え、交通系電子マネーなどのキャッシュレス支払いにも対応する。コストを抑えたPOSシステムの導入やキャッシュレス支払いまで、トータルで実現できる製品なのだ。
ECサイトで注文するようにキャッシュレス決済
まかせてタッチは、レジにおけるキャッシュレス決済に対応していたが、プットメニューが提供しているオーダーシステム「Putmenu」はスマートフォン単体で決済が完了するサービスだ。
プットメニューの取締役/Sales Officerの中山氏は、Putmenuの仕組みを次のように話す。「まずPutmenuを起動すると、GPSの位置情報から現在位置に近い順に、Putmenuに対応した店舗が表示されます。例えばその中からラーメン店を選択すると、メニューが表示され、どのラーメンを注文するか、麺の固さはどれくらいがいいかなど、細かく設定して注文できます。ちょうどECサイトで商品を注文するような感覚ですね」
大きな特長として、Putmenuの対応店舗ではビーコンを設置しており、注文した消費者が店舗の近くにいなければ、2時間ほどで注文が自動的にキャンセルされる。ショッピングセンターのフードコートを中心に活用が広がっているほか、「ペーパービーコン」と呼ばれる平らなビーコン端末をテーブルの裏に設置して、テーブルごとの注文に対応している大手飲食チェーン店の導入事例もある。
「飲食店では従来、店舗スタッフがオーダー端末に座席ナンバーを記録してから注文を受け付けていましたが、個人の端末を利用して注文する場合、そのような座席の特定が難しいという課題がありました。ペーパービーコンは、表面に電波が流れており、その上にスマートフォンを置いたときだけ注文できる仕組みです。ペーパービーコンには座席の情報が記録されているので、テーブルの下にペーパービーコンを配置し、テーブルの表面にはPutmenuのマークを記しておくことで、来店者はそこにスマートフォンを置いて注文できます。店舗側は、座席情報をもとに、どの席のビーコンから注文されたのかという情報を把握できるのです」と中山氏。飲食店は特に人手不足が進んでおり、ここ半年でキャッシュレス化を検討する店舗が増えてきているのだという。例えば現金による会計時間を削減すれば、その時間を各テーブルの片付けや、そのほかのサービス提供の時間に充てられる。
まかせてタッチは中規模な多店舗展開している企業に対して、Putmenuはチェーン店の中でも、次世代の店舗やもう一歩進んだキャッシュレス対応をしたい店舗に需要がある。また、まかせてネットのPOSレジの売上とPutmenuの売上は、クラウド上で合算できるため、組み合わせた活用も可能だ。
Putmenuは9カ国で特許を取得しており、今後は海外での展開も視野に拡販を続けていきたい考えだ。「Putmenuを日常的に使っていた外国人が、日本を訪れた際にPutmenuのマークを見つけて、『Putmenuで支払えるんだ!』と使ってもらえるような、グローバルでの市場拡大を目指していきたいですね」と中山氏は語った。
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