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HCIのネットワーク運用を自動化「Dell EMC Networking SmartFabric Service」

HCIのネットワーク運用を自動化「Dell EMC Networking SmartFabric Service」

2019年01月21日更新

HCIのネットワーク課題を解決する
「Dell EMC Networking SmartFabric Service」
Dell EMC VxRailのネットワーク設計から運用までを自動化

IT市場の成長株としていくつものビジネスチャンスを創出しているハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)だが、システム構築時のネットワーク設計や運用は課題の一つだ。そこでDell EMCは、この課題を解決する「Dell EMC Networking SmartFabric Service」の提供を、「Dell EMC VxRail」の機能強化で実現した。新たに販売が開始された第14世代PowerEdgeサーバーファミリーの情報とともにお届けしよう。

HCIビジネスが好調

 Dell EMCは、「デジタル」「IT」「ワークフォース」「セキュリティ」の四つのトランスフォーメーションを戦略の核としている。この中で、ITシステムの基盤となるテクノロジーインフラストラクチャのモダナイズを目的としたITトランスフォーメーションの現状について、Dell EMC(デル) インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 パートナー営業本部 本部長の馬場健太郎氏はこう語る。

「Enterprise Strategy Group(ESG)によるITトランスフォーメーションのメリットに関する最新の調査結果※1(2018年4月10日発表、調査対象企業4,000社)では、調査対象の企業の状況は、ステージ1-レガシーが6%、ステージ2-進行中が45%、ステージ3-進化中が43%、そして、ステージ4-トランスフォーメーション完了が6%という結果が出ました※2。ステージ4の企業は、ステージ1の企業と比較して、競争力、タイムトゥマーケットでの製品・サービス提供、データに基づく意思決定などの面で大きな成果を得ていると回答しています。このような状況の中で、ITトランスフォーメーションを実現している企業の約98%がハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)/コンバージドインフラストラクチャ(CI)を採用しているのです」

 HCI/CIは、現在IT市場における成長株だ。特にHCIが同市場をけん引している。IDC Japanが2018年8月に発表した調査によれば、国内のハイパーコンバージドシステム市場の2017年~2022年の年平均成長率は20.6%と予測されている。デジタルトランスフォーメーションとITトランスフォーメーションに必要な拡張性や柔軟性を備えたITインフラとして、HCIの認識が高まっていることがその理由だ。「HCIのメリットの理解が進み、販売が非常に伸びています。当社の製品も、国内の販売パートナー経由でのビジネスが昨対で2倍に拡大しています」(馬場氏)

 多くのユーザーが利用するようになっているHCIだが、課題も出始めていると馬場氏は指摘する。「HCIは設定の自動化などで導入が非常に手軽になっていますが、ネットワークについてはレガシーな製品のままで、設計や運用などを手動で行っているケースがほとんどです。ネットワークは停止させられないので、手が付けにくい部分でもあるのがその理由の一つです。そこで当社ではHCIの導入のタイミングで、ネットワーク部分の自動化も実現する取り組みを推進しています」

 実際にDell EMCが開始したのが、HCIのネットワーク設計から運用までを自動化する「Dell EMC Networking SmartFabric Service」の提供だ。

※1 「ESG 2018 IT Transformation Maturity Study」
※2 ITトランスフォーメーション成熟度ステージ
ステージ1-レガシー:本調査においてITトランスフォーメーションの全ての(もしくは多くの)側面で基準に達していない
ステージ2-進行中:ITトランスフォーメーションにおいて進捗を示しているものの、モダンデータセンターテクノロジーの展開は最低限のレベルにある
ステージ3-進化中:ITトランスフォーメーションにコミットし、モダン データセンター テクノロジーおよびIT提供手法の展開が中程度のレベルにある
ステージ4-トランスフォーメーション完了:ITトランスフォーメーションに対する取り組みの最高レベルに達している

Dell EMC(デル) 馬場健太郎氏 Kentaro Baba

「HCIのメリットの理解が進み、販売が非常に伸びています。当社の製品も、国内の販売パートナー経由でのビジネスが2倍に拡大しています。」

VxRailがスイッチを検知して設定

 Dell EMC Networking SmartFabric Serviceは、「Dell EMC Networking S/Zシリーズ」オープンネットワーキングスイッチに対応した「Dell EMC Networking OS10 Enterprise Edition」の新たな機能で、VMware vSANを搭載するHCIアプライアンス「Dell EMC VxRail」などとの構成で利用できる。

「Dell EMC Networking SmartFabric Serviceは、Dell EMC VxRailがネットワークスイッチを自動で検知して設定まで行えるようにする機能です。従来までは、ネットワークの設計・設定作業、日々の運用、HCIアプライアンスの追加において、コマンドラインを手動で入力していく作業が不可欠でした。当社では検証済みのネットワーク構築ガイドも提供していましたが、ネットワークの設計・設定についてはネットワークの担当者が実施する必要がありました。このような状況において、サーバー担当者だけでもHCIシステムの構築を自動で行えるようにするのが、Dell EMC Networking SmartFabric Serviceです」(馬場氏)

 Dell EMC Networking SmartFabric Serviceの全体像は以下の通り。

・初期構築の簡素化
 プラグ&プレイでのファブリック構築―ファブリックモードで接続するだけ
 ソリューションノードによってファブリックの自動化と制御を実現

・可視性
 一元管理―ファブリックの全てのスイッチを論理筐体として管理
 サードパーティのスイッチと相互運用が可能

・ライフサイクル管理
 ファブリック単位でファームウェアの更新と設定を確認できる
 自動/手動で、過去の状態のロールバックが可能

・運用自動化
 ゼロタッチの拡張―容量の拡張は、リーフをスパインに接続するだけ
 自動トポロジー確認―自動的に設定やリンクの間違いを検出
 障害状態を除去して自動的にファブリックが修復される

・プライベートクラウド、ハイパーコンバージド、ストレージ環境に最適化
 ワークロードにベストプラクティスなネットワークトポロジーを構築
 冗長アクティブパスを同じファブリックで提供

Dell EMC Networking SmartFabric Serviceに対応するDell EMC Networking Sシリーズ。

ファブリックデザインセンターも提供

 実際、Dell EMC Networking SmartFabric Serviceは、以下の作業を自動化してくれる。

・初期構築
1. Dell EMC VxRail環境に最低限必要なネットワークを設定
2. 2台冗長の設定
3. アップリンクの設定
4. Dell EMC VxRailを接続するポートの設定

・運用1
1. 仮想ネットワークに合わせて、ネットワークポリシーを作成する
2. Dell EMC VxRailの接続に合わせて、ネットワークポリシーを適用する

・運用2:Dell EMC VxRailの追加
1. Dell EMC VxRailを接続するポートの設定
2. Dell EMC VxRailの接続に合わせて、ネットワークポリシーを適用

 Dell EMC Networking SmartFabric Serviceを利用するために必要なコンポーネントは、Dell EMC VxRail(v4.7)、「VMware vCenter Server」、Dell EMC Networking OS10 Enterprise Editionに対応したDell EMC オープンネットワーキングスイッチ、そして、VMware vCenterのプラグインとなる「OpenManage Network Integration for VMware vCenter」だ。OpenManage Network Integration for VMware vCenterは、VMwareの運用におけるネットワークの自動化を可能にする。

 Dell EMC(デル) インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 ネットワーク事業部 シニアシステムズエンジニア 淺野升蔵氏は次のように説明する。「当社では、Dell EMC VxRail以外のHCI製品を含めて最適な構成を提示する『ファブリックデザインセンター』(https://fdc.emc.com)というサービスもWebサイトで提供しています。同サイトでは、サーバーの種類と台数を入力するだけで、ラック図、トポロジー図、配線指示、機器明細、コンフィグまで作成して提示します。導入する台数が決まっていれば、1分もかからずに構成を導き出せるのです。これによって設計や設定におけるミスを防げます」

Dell EMC(デル) 淺野升蔵氏 Masuzo Asano

「Dell EMC Networking SmartFabric Serviceは、Dell EMC VxRailがネットワークスイッチを自動で検知して設定まで行えるようにするサービスです。」

ネットワーク部分のSIコストを削減

 Dell EMC Networking SmartFabric Serviceを利用して、Dell EMC VxRailとDell EMC オープンネットワーキングスイッチでシステムを構成する際に必要な作業は、スイッチをファブリックモードにするだけ。それ以降は、Dell EMC VxRailの初期構築から運用に至るまで、スイッチの操作がいらなくなる。

「Dell EMC オープンネットワーキングスイッチをファブリックモードにした後は、VxRail マネージャーでVxRailクラスターを構築します。VxRailクラスターの設定において、Dell EMC オープンネットワーキングスイッチが接続されている場合、『Dell EMCスイッチ』のタブで『スイッチを構築する』のボタンをクリックすると、自動的に設定が行われるのです。最後にOMNI for VMware vCenterをインストールして終了です」(淺野氏)

 システム構築後の運用においても、Dell EMC Networking SmartFabric Serviceは大きな役割を果たす。Dell EMC VxRailのスケールアウト、ノードの接続変更、ワークロードのデプロイ、仮想マシンの移動などの各作業において、スイッチの設定作業が一切不要になるのだ。

 現在は単一ラックの自動化が実現されており、来年にかけて複数ラックの自動化、ラックスケールの自動化機能が実装されていく予定だ。実際のスイッチ製品としては、10GbEの「Dell EMC Networking S4100シリーズ」がDell EMC Networking SmartFabric Serviceに対応済みだ。今後、25GbEのS5200シリーズ、そして、100GbEのS5200シリーズやZ9200シリーズがラインアップされていく。

「販売パートナーの皆さまに対しても、Dell EMC VxRailとDell EMC オープンネットワーキングスイッチによるDell EMC Networking SmartFabric Serviceの実現は、多くのメリットをもたらします。例えば、新しい提案ができることに加えて、ネットワーク部分のSI作業やコストの削減による競争力の向上なども可能になるのです。販売パートナー向けの検証機を用意しており、東京の三田に設置されている『デル ソリューション イノベーション センター』では、デモも行っています。ぜひ、その効果を体感して、販売に結びつけていただきたいですね」(馬場氏)

「ファブリックデザインセンター」(https://fdc.emc.com)の操作画面。サーバーの種類を選択し(写真左)、台数を入力する(写真右)だけで、最適なネットワーク構成を表示する。

2Uで最大364TBの高密度サーバー

 ここからは、Dell EMCの第14世代PowerEdgeサーバーファミリーの拡充について紹介していこう。まず、インテル Xeon プロセッサー Eファミリーを搭載した1ソケットのタワー型サーバー「PowerEdge T140」「PowerEdge T340」、1ソケットのラック型サーバー「PowerEdge R240」「PowerEdge R340」の提供が2018年12月から開始された。PowerEdgeの信頼性とコストパフォーマンスの高さを両立した製品だ。

 これらに加えて発売されたのが、大容量ストレージに特化した2ソケット2Uラック型サーバー「PowerEdge R740xd2」だ。2Uの筐体に最大364TB(26台の3.5インチドライブ)を搭載できる。OSはブート専用のBOSS(Boot Optimized Storage Solution)としてM.2 SSDに格納可能なため、最大364TBのストレージ領域は全てデータ領域として利用できるのだ。

 CPUには、インテル Xeon Scalable プロセッサーを採用する。高密度で、データの拡大に応じて42Uまで柔軟に容量の拡張が可能なため、サーバーのパフォーマンスとストレージ容量とのバランスが必要なデータ集約型のワークロードに最適だという。

 例えば、ストレージ仮想化やストリーミング、Hadoop、Microsoft Exchange ServerやSharePoint Server用途などだ。

「ストレージの仮想化でサーバーの高密度化ニーズが高まっています。実際、それに応じてサーバー単価も上昇しています。こうした状況に合わせて開発されたのがPowerEdge R740xd2です。筐体のデザインがユニークで、前面が2段の引き出しになっており、3.5インチドライブがそれぞれ12台ずつ、計24台入るようになっています。背面にも2台入れられるので、合計26台もの3.5インチドライブを格納できるのです。そして、この大容量のストレージを全てユーザーのデータ格納領域として利用できる点が、PowerEdge R740xd2の大きな魅力です」(馬場氏)

 iDRACによって自動化されたシステム管理や前面から交換可能なストレージなどによって、シンプルな管理も実現している。さらに、ハードウェアレベル、BIOSレベルで考慮された高いセキュリティ機能で、さまざまな脅威からデータを保護する。

「IoTなどの進展で画像や音声などの非構造化データが増加するなか、コストの低廉さとスケーラビリティを備えたコモディティ化されたオープンサーバーを並べて処理する用途が拡大するでしょう。そうした用途に対して、PowerEdge R740xd2は最適な性能を提供するのです。販売パートナーの皆さまには、オープンソースのソフトウェアや自社パッケージなどを組み込んで販売していただけると、競合他社との差異化をつけた提案が可能になるはずです」(馬場氏)

2Uの筐体に364TB(最大26台の3.5インチドライブ)の搭載が可能な2ソケット2Uラック型サーバーPowerEdge R740xd2。

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