ホーム > PC-Webzineアーカイブ > テレワーク利用における支援サービスの需要が高まる

テレワーク利用における支援サービスの需要が高まる

テレワーク利用における支援サービスの需要が高まる

2018年12月05日更新

ワークスタイル変革ソリューション市場は4,170億円に

Work Style Reform

 矢野経済研究所は「ワークスタイル変革ソリューション市場の調査(2018年)」の結果を発表した。同社では働き方改革を目的とした業務効率化、生産性向上を実現するICT製品・サービス・ソリューションをワークスタイル変革ソリューションと定義している。

 同調査によると、2017年度の国内ワークスタイル変革ソリューション市場規模は4,170億円で2016年度から5.0%増加した。

 2017年は3月の「働き方改革実行計画」の閣議決定に加え、長時間残業による労災問題が社会的に注目を集めた。それにより長時間残業抑止ツールや勤怠・労務管理システムの導入および入れ替えが広がった。

 同年7月には政府主管の「テレワーク・デイ」の実施により、企業におけるテレワーク浸透が推進された。セキュリティ・マネジメント面の課題からテレワークの制度およびシステム導入は一部企業にとどまっているが、デスクトップ仮想化や在席管理システムなどのテレワーク関連商材の普及が進んだ。その一方で導入したものの利用率が低いという課題もあり、今後はテレワーク利用における定着化や遠隔コミュニケーション強化、データ・ナレッジ共有を含めた支援サービスの需要が高まると同社は指摘している。

 2018年度以降は、働き方改革に向けた投資を本格化する企業が増え、初期投資が膨らみやすいファシリティ関連ソリューション、後回しになりがちであったセキュリティ関連ソリューション、各種システム・機能の統合を目的としたインテグレーション案件が増加する見通しだ。それにより、2018年度の同市場は4,459億円になると予測している。

 今後も国内ワークスタイル変革ソリューション市場は堅調に拡大していき、2016年度から2022年度までの年平均成長率は6.0%で推移すると見込まれる。2022年度の市場規模は5,618億4,000万円になると矢野経済研究所は推測する。

新たな形態のオフィス需要が高まる

 ワークスタイル変革ソリューション市場の注目トピックとして、同社は「シェアオフィス」「コワーキングスペース」を挙げている。シェアオフィス、コワーキングスペースとは、さまざまな企業や業種の従業員や個人利用者が執務スペースを共有するという新たな形のオフィスを指す。通勤や移動時間の短縮、移動交通費の削減、社外リソースとの協働などが利点だ。

 働き方の多様化に伴う自宅やオフィス以外を作業場所とする「サードプレイスオフィス」に対する需要、グローバルでの市場競争に対抗するための協働・協創ニーズへの高まりを背景に、シェアオフィスやコワーキングスペースに対する大手企業や中堅企業の法人契約が進んでいる。一時的措置ではなく、経営戦略の一つとしてシェアオフィスやコワーキングスペースは選択される。

 このような背景から、隙間産業と見られる傾向のあったシェアオフィス、コワーキングスペース市場へ、この1~2年で多数の大手事業者が参入している。今後、東京では数年にわたり、不動産市場でグレードが高いオフィスの大量供給を控えており、それに伴い空室率の上昇が予見される。不動産事業者によるサードプレイスオフィス創出の取り組みは、ユーザー企業の需要の高まりや、政府による働き方改革の推進といった要因が追い風となり、一層進んでいくだろう。

2018年のパブリッククラウドサービス市場は27.4%増に

Public Cloud

 IDC Japanは「国内パブリッククラウドサービス市場予測」を発表した。同調査によると、2018年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、2017年と比較して27.4%増の6,663億円となる見込みだ。

 国内IT市場は、「クラウドファースト」から「パブリッククラウドファースト」へとパブリッククラウドサービスを重要視する企業が増加している。この背景には、パブリッククラウドサービスの「セキュリティ」に対する懸念が解消されていることや、運用サービスを付加したマネージドパブリッククラウドサービスを提供するベンダーの増加がある。

 また、国内IT市場においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目を集めている。DXアプリケーションで用いられる技術はクラウドを前提として開発され、パブリッククラウドサービスでの提供が一般化している。DXアプリケーションの開発は業務担当者の関与が必須であることや、優れた拡張性/柔軟性/連携性と短いサイクルでのリリースが重要となる。そのため、開発担当者と運用担当者が連携して開発する「DevOps」や、高度なプログラミング/コーディングなどをせずに開発する「Low Code/No Code」に対する注目度が高い。さらにIoTやAIといった技術やソリューションが、クラウドネイティブアーキテクチャを核として今後の同市場の成長を促進する大きな要因になると同社はみている。

 IDC Japan ITサービス リサーチディレクター 松本 聡氏は次のように説明する。「現在、クラウドネイティブに適したパブリッククラウドPaaSが著しく発展しています。同PaaSの発展がDXアプリケーションの開発を促進し、新しいIT市場を開拓する重要な役割を果たしています」

 今後、2017年から2022年の年平均成長率は22.9%で推移する見込みだ。2022年の市場規模は、2017年比2.8倍の1兆4,655億円になると同社は予測している。

二極化するセキュリティソリューションの普及率

Security Solution

 ミック経済研究所は「外部攻撃防御型セキュリティソリューションの法人ユーザー導入実態調査2018年版」を発表している。この調査は従業員・職員数100人以上の同社の法人パネラー6,952法人を対象に行われた。本調査によると、外部攻撃防御型セキュリティソリューションは標的型のサイバー攻撃による情報流出事件が多発し、甚大な被害が続いている現状から各カテゴリーとも大きく普及率が伸びている。

 製品カテゴリー別に見ると、アンチウイルス・アンチマルウェア、アンチスパムメール、UTMアプライアンス/次世代ファイアウォール、不正PC検知・排除ツールの四つのカテゴリーがそれぞれ30%以上の普及率だった。その一方で残りのカテゴリーの普及率は10%強ないし未満と低かった。

 アンチウイルス・アンチマルウェアは、普及率98.1%とプリインストールも含め、中小から大手法人まで導入がほぼ完了している。ただし、最新バージョンへのアップデートやクラウドサービスへのリプレース需要は引き続きあると同社はいう。

 アンチスパムメールは近年縮小傾向にあったが、普及率が伸びている。背景には、2016年度の「自治体情報システム強靭性向上モデル」でメールの無害化が求められたことや、標的型メール攻撃の増加、「Office 365」といったクラウドサービスへのセキュリティニーズの拡大がある。

 UTMアプライアンス/次世代ファイアウォールは一つの筐体でさまざまなセキュリティ機能を統合して提供する。各種設定や運用が容易で、中堅・中小法人や地方自治体を中心に導入が拡大している。

 外部からの攻撃防御対策は、内部統制、コンプライアンスを目的とする内部情報漏えい防止対策と同様あるいはそれ以上に、企業や公共・団体にとって不可欠な経営施策であるとミック経済研究所は説明する。

キーワードから記事を探す