
オフィス改革の基盤はWeb会議ソリューションーーNECネッツエスアイ
Web会議を月平均で4,500回開催
共創を生み出すためには、組織の壁を壊して、情報をフラットに流通させる必要があるとNECネッツエスアイは考えた。「スキル」「考え」「文化」「ノウハウ」「知識」「情報」などがその対象だ。それには、Face to Faceでのコミュニケーションの質も上げなければならない。例えば、メールは読むまでにタイムラグが存在し、相手の表情までは読み取りづらい。共創の障壁になりがちで、意思決定の遅延にもつながる。いつでもFace to Faceでコミュニケーションがとれれば、共創を加速させ、意思決定のスピードも向上させられる。こうした環境を実現させるため、NECネッツエスアイは2月のオフィスリニューアル時に、Web会議サービス「Zoom」を基軸とした共創ワーク環境を整備した。
例えば、SEフロアは入口付近に「AGORA」と呼ばれる共創スペースを設置している。複数の大画面モニターが設置されたオープンなミーティングスペースになっていて、モニターは常時、関西支社、中日本支社とZoom経由でつながっている。本社だけのミーティングに加えて、各支社の人間ともいつでも気軽にミーティングが行えるようになっているのだ。他のスペースにおいても、いつでもZoomを利用したWeb会議が実施できるように、オープンな会議スペースやモニターが設置されていて、各自のノートPCを接続してミーティングが可能になっている。
「社内業務プロセスの中で、会議をゼロベースで見直しました。不必要な会議はなくし、会議の場所の確保から機器のセッティングに至る無駄な時間も極力削れるようにしたのです。リニューアル後のオフィスでは、至る所でZoomを利用したWeb会議が手軽に行えるため、コミュニケーションの活性化が実現しています。当社役員は、ワンフロアで日本全国に行けると喜んでいます。また、Zoomは社外の関係者とのWeb会議も簡単に実現するので、共創の場が広がっています」(菊池氏)
飯田橋の本社では、ビル内の複数のフロアにオフィスが展開されているため、低層階と高層階のフロアの従業員同士が、Web会議を利用してコミュニケーションをとることも珍しくないという。
オフィスのリニューアル後、Web会議は月平均で4,500回も実施されている。その中で海外メンバーを含む会議は月に300回、社外関係者を含む会議は30%に上る。時間の有効活用や外出・出張の削減、コミュニケーションロスの削減など、業務効率化の効果は一人あたり月に6時間という結果も出ている(いずれも2018年9月時点)。
オフィス全体は不要なパーテーションがなく、端から端まで見渡せるような環境だ。管理層は部下の様子を把握しやすく、部下は管理層の在席時にすぐにコンタクトがとれるような風通しのよい空間になっている。オフィス内は基本的にはフリーアドレスだが、実際には、効率の面からプロジェクト単位で部門をまたいで固まっているケースも多いという。
①複合機や文房具などは入口付近のスペースにまとめられている。
②複合機のスペースからはAGORAの様子のチラ見も可能だ。
③集中したいときのための作業スペースもある。
④こちらは営業フロア。SEフロアとは少し雰囲気が異なる。
⑤⑥ビーコンを活用した居場所検知など、新しいソリューションの実証も行われている。
IoTでオフィス内の社員の位置を把握
リニューアルしたオフィスでは、新しいソリューションの実証も行われている。ビーコンとスマートフォンを利用して実現する従業員の居場所検索や、ネットワークカメラを利用した空席検知を実現する「働き方IoTサービス」だ。
オープンなオフィス空間にしたことで、社員がコミュニケーションをとるためにオフィス内のさまざまな場所に移動することも多くなった。しかし、コミュニケーションをとりたい相手がすぐに見つからないケースも少なくない。そうした際に、探したい社員がいる場所をエリア単位で把握可能にするツールを働き方IoTサービスは提供する。また、席数が限られたオープンスペースのミーティングエリアの空席情報を、カメラの映像解析から判断して提供する。働き方IoTサービスのWebダッシュボードでは、オフィス内の在席、入場者数、会議室の利用状況、社員の所在検索などが確認でき、そうしたデータの分析で、オフィス空間のさらなる効率活用を目指すという。
「テレワークが普及する中で、オフィスに来る価値は何かを深く考える必要があります。生産性を高めて売り上げに貢献する働き方とは何か、そして、それを実現できるオフィスとはどのようなものか。その答えの一つとして、共創ワークをコンセプトにした今回のオフィスリニューアルを実現させました。今後は、当社での実践を踏まえて、お客さまにノウハウを提供していきたいですね」と鷲山氏と菊池氏は展望を語る。
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