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日本RPA協会 委員  笠井直人氏と学ぶRPA基礎知識

日本RPA協会 委員 笠井直人氏と学ぶRPA基礎知識

2018年10月04日更新

Robotic Process Automation
「RPA」でデジタルレイバーと働く

ソフトウェアロボットで業務を自動化できるRPAが旬を迎えている。デジタルレイバーとも呼ばれるロボットたちと一緒に働く環境の構築が進んでいるのだ。本特集では、RPAの普及によって生じるビジネスチャンスを探った。

日本RPA協会 委員 笠井直人氏と学ぶRPAの基礎知識

国内RPAソリューション市場の規模は、2017年度 183億円から 2018年度には444億円への拡大が見込まれている(出所:ミック経済研究所)。来年度以降も高い成長率が予測されるRPAについて、まずは基本的なポイントを押さえていこう。

 RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアロボットを利用して業務プロセスを自動化する取り組みを表す。RPAで利用されるロボットは、人間がコンピューターを利用して実行してきた業務を代行する役割を果たす。

 実際にはどのような業務を代行させられるのか。コンサルティングファームのアビームコンサルティングが作成した資料が参考になる(下図参照)。Webサイトを利用した定期的な情報収集やExcelなどを使ったデータ作成など、PCを使って誰もが行える一方で労力や手間がかかる作業をロボットに代行させるイメージだ。「競合他社の製品価格チェックなど、重要だけれども人手で行うには労力がかかる作業をロボットに代行させることが可能です。PCを使って業務をしていれば、何かしらRPAを適用できる作業があるはずです。大規模な自動化はすでにシステム化されているケースが多いのですが、業務現場で発生する少量多品種の作業の自動化はまだまだ進んでいません。そうした領域の自動化に対してRPAが効果的なのです」(笠井氏)

 折しも国内では、労働人口の減少の影響や生産性の低さを改善するために働き方改革が進行している。企業としては、業務のあらゆる側面の見直しが迫られている中で、少量多品種の業務の自動化に適したRPAの導入は、働き方改革を実現する上で大きな効果が見込める取り組みとなるのだ。

「労働人口の減少が進む中、今後は、従来まで人手で行ってきた業務をRPAでカバーしていかなければなりません。このような背景下において、地方でもRPAに対する注目度が非常に高まっているのです」と笠井氏は状況を明かす。こうした流れは企業の規模を問わず進行している。当初は大企業によるRPAツールの導入が先に活発化したが、現在では中小企業におけるRPAの採用も拡大しているのだ(下図参照)。

ロボットは辞めない、働き続ける

 RPAサービスを提供しているRPAテクノロジーズは、RPAで作成されるロボットの強みについて以下の3点を挙げている。

・辞めない
・働き続ける
・変化に強く、同じ間違いを繰り返さない

 RPAツールで作成されるロボットは、人間のように会社を辞めることがなく、24時間365日稼働し続けられる。ルールを変更すれば業務の変化にも対応でき、間違いも繰り返さない。このような特性を持つRPAのロボットは、「デジタルレイバー(Digital Labor)」とも称される。

「RPAのロボットは、ともに働くデジタルレイバーと捉えると、より活用しやすくなります。人間の新人と同じように業務を教え込んで、一緒に業務の効率化を図っていくイメージですね。そのため、実際に業務を行う現場部門での導入が重要なのです」(笠井氏)

 一度導入した後も、業務プロセスに変更があれば、再度、RPAのロボットに手順を教える必要がある。それはまさに、人間を教育する感覚と同じだろう。教え込まれたプロセスは間違えることなく常に安定して実行できる点が、デジタルレイバーの強みでもある。

 これからは、ロボットを活用するという視点ではなく、デジタルレイバーとともに業務を改善しながら働いていくという視点が必要になるようだ。デジタルレイバーに任せられる業務は任せてしまい、人間はより付加価値を生み出せる業務へ集中できる環境を構築していくべきなのだ。

 ここで重要になるのは、ロボットにプロセスを教え込む際に、高度なプログラミング知識が不要な RPAツールが多くラインアップされていることだ。上述してきたように、これからは現場における諸作業の自動化がキーワードとなるため、RPAもまた現場で活用できなければ意味がない。そこでRPAツールを提供するベンダー側も、情報システム部門の人員のようにITリテラシーが高くない現場部門の人員でも、自らロボットを作成して業務を自動化できるような、簡易な操作性にこだわってツールを開発している。

デジタルレイバーの全社活用へ

 RPAの活用において目指すべきゴールは、全社展開や取引先との連携、AIやIoTのシステムとの連携など、デジタルレイバーの利用拡大と高度化だ。その過程においては、まずは個々のデスクトップ業務の自動化を実現する「RDA(Robotic Desktop Automation)」というフェーズから始まり、業務のプロセスの自動化を可能にする RPAフェーズ、そして、活用するロボット、つまりデジタルレイバーの利用範囲を拡大させていくデジタルレイバースケールフェーズへと移行させていく必要がある。

「全社展開においては、大量のロボットのマネジメントに焦点をあてた体制・技術・戦略を検討していかなければなりません」(笠井氏) このような体制作りを自社だけで構築するのは難しい。RPAツールを提供するベンダーに加えて、販売パートナーの力も必須となるだろう。特にこれから市場の拡大が予測されている地方の中小企業などにおいては、取引のある販売パートナーのサポートがRPA活用の成否を握っていると言っても大げさではない。

「RPAの普及によって、OCRなど再度脚光を浴びる周辺サービスが登場してくるでしょう。そうした関連サービスの提案チャンスもRPAは生み出すのです」(笠井氏)

 RPA協会ではRPAの教育プログラムも提供しており、都内の大学を中心に講座を開くなど人材育成に力を注いでいる。こうした人材育成については、RPA協会だけでなく、RPAツールを提供するベンダーもまた独自のトレーニングプログラムや検定を設けるなど、積極的に活動している。

「デジタルレイバーの活用は、デジタルトランスフォーメーションをより簡単に実現させるための要素となり得ます。ツールだけでなく、人材教育やロボット活用のサポート体制の充実などを支援して、企業のRPA活用、デジタルレイバー採用を促していきます」(笠井氏)

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