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DXに取り組む98.7%の企業が企業戦略との連携を行う

DXに取り組む98.7%の企業が企業戦略との連携を行う

2018年10月03日更新

DXに取り組む 98.7%の企業が企業戦略の連携を行う

Digital Transformation

 IDC Japanは国内企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の取り組みに関する調査結果を発表した。DXを現在実施している国内企業における DXの進捗、組織体制、課題などを把握するために、同社が 2018年 5月から 6月に日本を含めた世界 27カ国の DXに取り組んでいる企業に勤務するビジネスリーダーを対象に調査された。同調査によると、DXに取り組む国内企業は、企業戦略との連携を進め、データの収益化を目指す姿勢が強いことが分かった。

 DXと企業戦略との連携について聞いた項目では、DXに取り組んでいる国内企業の 98.7%が何らかの形で DXと企業戦略との連携、連動を保っているという結果だった。デジタル技術の活用意識については、グローバル規模の同業他社と比べて進んでいると回答した割合は国内企業で26.7%だった。

 IDC Japanリサーチバイスプレジデント寄藤幸治氏は次のように説明する。「国内企業間でのデジタル技術の活用には大きな差はついていません。しかし世界の企業と比べるとデジタル技術の取り組みが他社よりも遅れているという意識が強くあります。世界の企業が自信を持って自らのDX戦略を推進する中で、国内企業のグローバル市場における将来的な競争力低下が懸念されます」

 DXを進める際に優先事項としていることについては、国内企業の52.7%は「データの資本化/収益化」を挙げた。一方で世界の企業は「製造/サービス開発業務の卓越性」が 51.9%、「製品やサービスに関する卓越した顧客体験」が 49.6%と幅広い領域での DXの適用を目指している結果となった。「データの資本化/収益化とは、企業のお客さまからさまざまなデータを集めてそれを基に製品開発に生かしたり、マーケティングをより上手に行うためにデータをベースに活用して売り上げを伸ばしていったりすることを指します。今回の調査結果からは、日本の企業はデータを上手く活用していかにビジネスを拡大していくかを最優先に考えていることが分かります」(寄藤氏)

DXの課題はDXの進捗度の違いが影響

 国内企業が抱える DXの課題について聞いた項目では、「デジタルの成果を測る KPIの特定」や、「組織をまたがるデジタルプロジェクトの統合」を選ぶ企業が多かった。世界の企業では「適切な組織構造の構築」などの項目を選ぶ企業が多く、国内企業に比べて組織や人材など、DXの課題をより幅広く認識している傾向があった。「国内企業でも他社に比べてDXが進んでいる企業の方が、組織や人材など幅広い課題認識がありました。国内/世界の企業の DX進捗度の違いが影響したとみています」(寄藤氏)

 本調査から DXを推進している国内企業は、DXが事業戦略/全社戦略と少なくとも部分的に連携し、明確な KPIを持っているケースが多く、戦略的、計画的に進めていると同社はみている。また、ほかの企業に比べて DXの進捗が早いと考えている企業は、より強い事業戦略/全社戦略との連携、組織的課題への意識など、企業組織全体としての DX推進、全体最適化に意識が強く向いている結果となった。

 一方でグローバルな調査結果と比較すると、国内企業の DX実施の優先事項は特定の分野に集中しており、KPIの活用が日々の業務と必ずしもリンクしていないといった違いがみられた。このことは、国内企業において DXが「社内のどこかで行われているが、自らの業務には直接関係ないもの」になっている可能性があると寄藤氏は指摘する。国内企業の DXはこれまでの ITの延長線上でもある効率化やコスト削減といった目的も含めて、自社に本当に役に立つ、地に足の着いたものとして再定義することが必要だ。

2017年の対話型 AIシステム市場規模は 11億円に

Artificial Intelligence

 矢野経済研究所は「対話型 AIシステム市場に関する調査(2018年)」の結果を発表した。対話型 AIシステムとは、自然言語処理技術などを利用し、テキストや音声をインターフェースとして人と対話を行うシステムを指す。本調査における対話型 AIシステム市場規模は、スマートスピーカーやスマートフォン、ロボットといった対話機能を持つハードウェアは含まず、ソフトウェアのみを対象としている。

 対話型 AIシステムの主な用途は接客や問い合わせ対応だ。LINEやFacebookなど、利用率が高い SNSやメッセージツールをプラットフォームとするチャットボットが提供されるようになり、対話型 AIシステムの利用者は増加している。企業では業務の効率化を目的に、社外からの問い合わせ対応に対話型 AIシステムを活用する動きが増えてきている。調査によると対話型 AIシステム市場は 2016年ごろから本格的に立ち上がり、2017年の市場規模は 11億円であったと推計した。

 今後は 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、世界に向けて日本の最先端技術の PRや多言語対応による接客を目的とした対話型 AIシステムの利用が拡大する見込みだ。現在はテキスト中心の対話の方法だが、音声をインターフェースとした対話での利用も増加し、2020年の国内対話型 AIシステム市場規模は 87億円まで拡大すると予測している。

 しかし、対話型 AIシステムが人間並みに自然な対話を行うことは技術的にまだ難しいことや、利用者の満足度の高い対話システムを構築・維持するにはコストが高いという課題もある。これらの要因により 2021年以降は市場の伸び率はやや緩やかになり、利用上の課題の見直しや、適切な用途で利用される傾向が強まる見込みだ。2022年の同市場規模は 132億円になると同社は予測している。

IT関連サービス業は統合ストレージの導入を検討

Storage

 ノークリサーチは年商 500億円未満の中堅・中小企業 608社を対象に、ストレージ活用の最新動向と今後の展望に関する調査結果を発表した。中堅・中小企業において、クラウドを業務システムの構築/運用基盤として選択するケースが増えている。しかし全体に占める割合としてはサーバー機器やストレージ機器をユーザー企業が所有する「オンプレミス」が依然として多い。そのため、中堅・中小企業を対象とした IT活用提案においては「オンプレミスのサーバー/ストレージ環境」の動向を理解することが不可欠である。同調査では「クラウドファースト」に向けた動きを踏まえつつ、「オンプレミスのサーバー/ストレージ」の実態を明らかにした。

 新たなストレージ形態の導入を中堅・中小企業に訴求するには年商規模だけでなく業種やさまざまな切り口から市場を把握する取り組みが重要になると同社はいう。同調査で「今後、導入したいと考えるストレージ機器の形態」のアンケートを実施したところ、「ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(サーバーベース型)」は組立製造業が 33.8%、運輸業が14.8%とほかの業種と比較して導入意向が高い結果となった。「統合ストレージ」については組立製造業が 29.7%、IT関連サービス業が 32.2%と導入意向が相対的に高いことが読み取れる。この結果から業種によって導入意向は変化することが分かる。

 一般的にストレージ形態の選択はユーザー企業の年商規模が最も大きな決定要因となる。しかし DXに代表される新たなデータ活用が進む中で、ベンダー企業や販社がストレージ機器の提案機会を得るためには、業種別の動向も捉えておくことが重要だと同社は指摘する

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