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グローバルなアイデアやテクノロジーと日本 のアイデアを融合させて世界規模の革新的な製品を生み出す

グローバルなアイデアやテクノロジーと日本 のアイデアを融合させて世界規模の革新的な製品を生み出す

2018年09月06日更新

「日本の品質を世界へ、世界のアイデアを日本へ私が日本と世界の橋渡し役になります。」

VISION
リーダーたちのまなざし

David Bennett
Lenovo Japan Corporation CEO/NEC Personal Computers, Ltd. CEO

レノボ・グループのPCおよびスマートデバイス事業にとって日本市場を重要なマーケットだと位置付けている。同時に日本市場で得たノウハウはグローバル市場の成長に役立つと考えており、日本とグローバルの「橋渡し役」を必要としていた。その役目に適任とされたのがAMDでコーポレートバイスプレジデント兼OEMアカウント担当ゼネラルマネージャーを務めていたデビット・ベネット氏だ。ベネット氏は日本語が堪能で日本の古典文学も学ぶなど、日本の文化やビジネスに精通している。ベネット氏は日本市場においてどのようなかじ取りをするのだろうか。

日本の品質は世界に誇れる価値

─通訳が不要なくらい日本語がお上手ですが、どれくらい日本にいたのですか。

ベネット氏(以下、敬称略)●大学で勉強したり仕事で駐在したりするなど合計7年間ほど日本で過ごしました。

─日本に興味を持った理由を教えてください。

ベネット●日本のさまざまな場所や文化に若い頃から興味があり、いつか実際に行ってみたいと思っていました。それから日本語も好きでした。英語では情景を少ない単語で表現しますが、日本語ではたくさんの言葉を使って細かく描写します。

 実際に日本に来てみて想像以上に日本の景色はきれいで、日本人は親切で真面目で驚きました。日本人の友人たちともっとたくさん話がしたくて、日本語も習得しました。さらに古典文学も勉強しました。

 繊細で礼儀正しい日本の価値観は製品に反映されており、日本の製品やサービスの品質は世界に誇れる唯一無二の価値だと思っています。

─前職ではAMDで活躍されていましたが、なぜCPUメーカーからPCメーカーに転身したのですか。

ベネット●CPUのテクノロジーの進化は興味深く仕事のやりがいもありました。しかしPCにはCPUの性能だけではなくメモリーやストレージ、グラフィックス、さらにはデザインなどさまざまな要素があり、それぞれに価値と競争力が求められます。さらにPC市場はグローバルでまだまだ成長の余地が大きく、新しい展開ができる魅力があります。

 その中でもレノボ・グループはPC市場においてグローバルでトップランナーであり、テクノロジーやイノベーションにおいてもリーダーシップを発揮しています。レノボ・グループならば業界のリーダーとして、PC市場のさらなる活性化に貢献できると思い入社しました。

 特にレノボ・グループにはNECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)やThinkPadなどが持つ日本の優れた品質があります。この品質をグローバルに展開することでレノボ・グループ全体の成長を目指すことができ、さらにレノボ・グループが持つテクノロジーやイノベーションを日本に取り込むことで、これまでにはない革新的な製品を作り出すことができます。私は日本とグローバルの橋渡し役だと自負しております。

製品を梱包する段ボールに驚く

─日本の優れた品質とは具体的にどのようなものですか。

ベネット●ThinkPadの一部は旧日本アイ・ビー・エムから継承した大和研究所で設計しており、米沢工場で生産して群馬サービスセンターで修理対応しています。日本発のThinkPadの品質はグローバルで広く認められており、グローバル市場で大成功を収めています。

 ThinkPadの魅力である薄さや軽さと頑丈さの両立、そしてキーボードの手触りやキー入力時の感覚など、あらゆる部分が日本独自の技術と品質で実現されたものです。日本だからこそThinkPadの価値を生み出すことができ、高い品質を実現できているのだと思います。

 またNECPCでは使い方の相談を無料で受け付けているほか、米沢工場では最短3日という納期も実現しています。さらに群馬サービスセンターでは24時間以内の修理率が98%以上というスピード対応も実現しています。これらの優れた技術力や品質、そして手厚いサービスは日本独自のものであり、世界に誇れる武器です。

 余談ですが実際に工場を訪れて製品を梱包する段ボールにも驚きました。製品が壊れないように配慮した構造を、折り紙のように複雑な畳み方で実現しているのです。こんなことを実現できるのは日本だけでしょう。

─日本の品質を世界展開するとのお考えを伺いましたが、グローバル市場では品質よりも低価格が優先されているように思います。

ベネット●確かにグローバル市場では高品質で高価な製品よりも低価格な製品が好まれる傾向があります。しかし北米市場や欧州では薄型のノートPCやプレミアムな製品など高付加価値で高品質な製品への需要が伸びており、今後も市場は拡大すると見ています。

 そうした需要に対して日本の品質が生かせると期待しています。また日本の高いサービス品質もグローバル市場での競争力向上に役立ちます。

修理入庫の95%を24時間以内に対応

─どのように日本の品質を世界展開するのですか。

ベネット●実はすでにThink製品(ThinkPadやThinkCentreなど)では日本の品質を世界展開しており、その効果も得られています。レノボ・グループの生産拠点は世界に39カ所あり、そのうちの6カ所で日本向けの製品を生産しています。その6カ所の生産拠点に米沢工場が持つ生産工程および品質管理での取り組みやノウハウを取り入れています。その結果、2017年の日本向けThink製品の初期不良が、2016年と比較して30%も改善されました。

 さらに群馬サービスセンターの修理ノウハウをアジア太平洋地区の修理拠点と共有することで、アジア太平洋地域向けの修理パーツの品質が2016年1月と2017年1月を比較して60%も改善されました。

 以前は部品単体で検査をしていたのですが、システムに組み込むと不良が生じるケースがありました。群馬サービスセンターではシステムに組み込んだ状態で部品を検査しており、その方法をアジア太平洋地区の修理拠点に取り入れたことで修理後の不良の発生を抑えることができるようになりました。

 今後は群馬サービスセンターで対応する製品を拡大するとともに、2020年には同センターに入庫した保証期間対象製品の95%を、24時間以内に修理を完了して出荷することを目指します。95%は非常に高い目標ですが、同センターではNECPC単体で98%を達成していた実績がありますので実現できると確信しています。

 さらにノウハウの共有やトレーニングを増やすなどして、日本の品質を世界に拡大していきます。

NECPCの米沢工場。米沢工場の生産および品質管理のノウハウを海外へ発信している。

NECPCの革新的な新製品を示唆

─レノボ・ジャパンおよびNECPCとレノボ・グループの連携についてどのように進めていくのですか。

ベネット●すでに体制は整っています。まずNECPCの米沢工場で「New Technology & Innovationチーム」(NT&Iチーム)が活動を開始しています。NT&Iチームの役割は将来の顧客のニーズや市場の変化を検討し、それを製品の開発に生かすことです。社会やライフスタイルが変化しても、それに対応できる製品をタイムリーに提供できるように準備することが目的です。

 例えばアメリカでは7月よりスマートモニター「Lenovo Smart Display」を発売しています。日本でも普及が進んでいるスマートスピーカーですが、当初は画面が必要だとは考えていませんでした。しかしモニターを組み合わせることで用途が広がり、新しいお客様にも利用してもらえます。NT&Iチームではこうしたニーズの変化にスムーズに対応して市場を活性化するために将来の製品を構想しています。そしてこれまでのNECPCの製品にはない、サプライズを楽しみにしていてください。

 グローバルのテクノロジーやイノベーションを開発するために大和研究所内にも「Strategic Technology Innovation Center」(STIC)を設立して活動をしています。STICとNT&Iチームは互いに協力してグローバルなアイデアやテクノロジーと日本のアイデアを融合させて、世界規模の革新的な製品を生み出すことを目指しています。

スタンドアローン型でDaydream対応、WorldSense搭載のVRヘッドセット「Mirage Solo」。
アメリカで7月より発売を開始したスマートモニター「Lenovo Smart Display」。

日本では用途と効果が明確な提案が大切

─日本市場に期待するビジネスチャンスをお聞かせください。

ベネット●たくさんあります。まずコアビジネスであるPCをさらに成長させます。日本でのPCのビジネスは単に製品を売るのではなく、目的や課題に応じたソリューションの提案・提供が重要です。これはお客様の要望を熟知している全国の販売店様とのネットワークを持つダイワボウ情報システム(DIS)様との協業が不可欠です。

 レノボ・ブランドはグローバルでは広く認知されていますが、日本の地方ではまだ認知が不足しています。DIS様を通じて地方にもレノボ・ブランドの認知を広げたいです。

 そしてPC以外の領域のビジネスにも力を入れていきます。先ほど紹介しましたLenovo Smart Displayやスタンドアローン型VRヘッドセット「Mirage Solo」、自宅でIoT機能を搭載した家電や機器をコントロールするデバイスなどが挙げられます。

 特にMirage Soloはエンターテインメントだけではなく、テレプレゼンスやトレーニング、不動産や自動車、製品の体験などビジネスでも有効に活用できる製品です。アイデア次第でさまざまなビジネスを生み出せます。

 ただしコンテンツが不足しています。何に使うと効果があるのか、お客様にどう役立つのかを明確にして、それぞれに応じたソリューションを提案・提供することでVR市場における法人需要を獲得できると期待しています。

 そして日本では教育でのIT活用が活発化しており、プログラミング教育も推進しています。文教市場においてもDIS様と協力してビジネスを拡大していきたいです。

「レノボ・ブランドを日本の地方に広めることも私の役目です」

レノボ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 CEO
NECパーソナルコンピュータ株式会社 代表取締役 執行役員社長 CEO
デビット・ベネット氏


PROFILE
カナダトロント大学大学院卒。早稲田大学日本語教育センターにて日本語を習得し、東京でコンサルタントとして社会人キャリアをスタート。その後、AMDにおいてグローバルおよび地域のセールスにおける要職を歴任し、コーポレートバイスプレジデント兼OEMアカウント担当ゼネラルマネージャーとしてアジアパシフィック市場および日本市場、そしてレノボを担当した。

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