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電子小黒板のキーワードで売れるルクレの「蔵衛門Pad」

電子小黒板のキーワードで売れるルクレの「蔵衛門Pad」

2018年08月08日更新

工事黒板をデジタル化

アナログ工事黒板の手間とリスク

 i-Constructionの核は3次元データを一連の建設工程で利用することにある。ただし、全行程における3次元データの活用やそれに伴うドローン、ICT建機などの導入をいきなり実現できるわけではない。そもそもとして、業務のIT化が遅れている建設関連企業は少なくないようだ。それならば、まずは導入障壁が低いIT活用から踏み出すことが望ましい。例えば、2017年に国土交通省が認可した電子小黒板の利用などはいい例だろう。

 電子小黒板は、建設の工事現場で見かける緑色の工事黒板の電子化バージョンだ。工事現場では、さまざまな作業に伴って、逐次現場の写真を撮影する。作業が確実に実施されたかどうかを証明するためのものだ。例えば、工事現場では作業場所が建物の壁の中などに入ってしまって後から実際に確認が困難になるケースが多い。そこで、あらかじめ写真を撮っておいて、いつでも確認できるようにしているのだ。ただし現場の写真だけでは、細かい内容は判別がつかない。そこで作業内容を記した工事黒板を一緒に写すことで、1枚の写真で現場の様子と作業の内容が分かるようにしている。

 ただし、工事黒板の運用には少なからず手間がかかり、さらに危険も存在する。工事黒板はどこにでも立てかけられるわけではないので、撮影時に現場で持ってもらう人員が必要だ。ビルなどの高層建築物の現場では、黒板を落としてしまったり、黒板を持った本人が誤って落下してしまったりする事故も起こり得る。もちろん、毎回の記入の手間も生じる。また、撮影された工事黒板の内容を台帳などに転記する作業も発生する。

 こうした課題を解決するために、工事黒板を電子化した電子小黒板の利用が拡大しているのだ。先述した通り、昨年2月からは国土交通省の直轄の土木工事にも電子小黒板の使用が認められた。その後、国土交通省の営繕工事や、NEXCOや農林水産省が発注する工事などでも使用が拡大している。また、民間の工事では、それ以前から電子小黒板の活用は進んでいる。

 この電子小黒板を実現するソフトの提供で多くのシェアを獲得しているのがルクレだ。

デジタルカメラと電子小黒板を一体化

 ルクレが提供しているのは、「蔵衛門 電子小黒板シリーズ」だ。もともとルクレは、Windows用の工事写真管理ソフト「蔵衛門御用達」シリーズを販売してきた。同シリーズは、工事現場で撮影されたデジタル写真のデータを管理でき、工事写真台帳の作成や電子納品データの入出力までが行える。「国土交通省の基準に沿った工事写真専用のデジタルアルバムを作成できます。1999年に発売してから工事写真に革命を起こしてきたと自負しています」とルクレ オンラインビジネス本部 ソリューションビジネス部 部長の東哲氏はアピールする。

 この蔵衛門御用達シリーズと連携して利用できるのが、蔵衛門 電子小黒板シリーズだ。その名の通り、工事黒板を電子化したツールとなる。蔵衛門 電子小黒板シリーズは、専用タブレット端末「蔵衛門Pad」とiOSアプリ「蔵衛門工事黒板」がラインアップされている。

 東氏が一押しするのは蔵衛門Padだ。蔵衛門Padは、デジタルカメラと電子小黒板が一体化した製品となる。画面に表示される電子小黒板に文字を書いて、そのまま現場の写真を撮影すれば、工事写真が作成できる。電子小黒板への入力は手書きが利用可能で、採用されている入力システム「NX!input(powerd by ATOK)」によって、直感的で正確な文字入力を実現している。電子小黒板のテンプレートは600種類以上そろっていて、おなじみの緑色だけでなく、黒色や白色の背景も選択可能だ。

「蔵衛門Padがあれば、工事黒板入りの撮影が一人で行えるようになります。従来、工事黒板の設置が難しかった天井部分など、どんな場所の写真でも一人で撮影できるのです」(東氏)

 端末には、富士通のタブレット「ARROWS Tab」が採用されている。IPX5/IPX8の防水性能とIP5Xの防塵性能を備えており、ハンドストラップ付きの専用ケースと肩掛けストラップがセットになっている。iOSアプリの蔵衛門工事黒板でiPadでも利用可能だが、「専用端末の蔵衛門Padは、工事現場撮影の専用機として手軽に使える点が大きな魅力です。その使いやすさから、すでにさまざまな現場で活躍しています」と東氏は説明する。もちろん、積極的にiPadを利用したいというユーザーにはiOSアプリが適しているだろう。

蔵衛門Pad の画面。電子小黒板の背景色の変更や、文字入力時には手書きが可能。下の写真で蔵衛門Pad を説明しているのは、ルクレの東哲氏。
蔵衛門Pad で撮影したデータは、USBケーブル経由でPC の蔵衛門御用達シリーズに送信して利用できる。

ハードとソフトが両方売れる

 蔵衛門Padで撮影したデータは、USBケーブル経由でPCの蔵衛門御用達シリーズに送信できる。データは自動で蔵衛門御用達の工事台帳に振り分けられるため、写真を整理する手間も省ける。電子小黒板に入力した文字は、台帳に自動で挿入されるので、改めて文字を入力する必要もない。ルクレの資料によれば、デジタルカメラと木製の工事黒板を使用した従来の方法と比較して、黒板への記入から工事写真の撮影・整理までの時間を約1/4に短縮できるという。

 冒頭にも記したように、i-Constructionの実現は簡単ではない。IT化が遅れている企業ならば、まずは業務の効率化や生産性を向上させる手軽なITの導入を図りつつ、i-Constructionへとつなげることが理想だろう。そうした立場で考えた場合、「Easy ICTというコンセプトで開発した蔵衛門Padは、操作や運用が簡単でコストもそれほどかからないので、IT化の一歩を踏み出しやすい製品となります」と東氏は話す。

 蔵衛門Padのような製品は、効果が分かりやすいのも魅力だ。その点も踏まえて東氏は次のようにポイントをまとめる。「建設業界では電子小黒板がキーワードになっています。そのため、蔵衛門Padはエンドユーザーへのドアノックツールとして有効です。また、ハードとソフトの両方を販売できるメリットもあります。1台販売できれば、追加導入も期待できるなど、売りやすい製品と言えるでしょう」


「電子小黒板がキーワードになっている今、 蔵衛門Padはエンドユーザーへのドアノックツールとして有効です」

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