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女性の働きやすさにも寄与するOffice 365導入

女性の働きやすさにも寄与するOffice 365導入

2018年08月20日更新

東日本大震災をきっかけにペーパーレス化を推進し
Office 365と2in1端末でテレワークを実現

IT運用サポートを中心に業務を展開しているコスモピアが働き方改革に着手したきっかけは、2011年3月の東日本大震災にあった。実際の災害当時に発生した課題から、Microsoft Office 365(以下、Office 365)を活用した働き方改革の導入・運用に至るまでのノウハウを紹介する。

東日本大震災をきかっけにペーパーレス化を推進

 1983年に田子みどり氏が立ち上げたコスモピアは、「難しいことをわかりやすく伝える」科学プロダクションとして事業をスタートした。現在では都内を中心としたIT運用サポート業務をメインに展開し、主に大企業や官公庁の社内システムのヘルプデスクやマニュアル作成といったユーザーサポートを受託している。本部スタッフのほか、ヘルプデスクに派遣する登録スタッフ約100名が所属している。

 コスモピア 代表取締役 田子みどり氏は「1993年ごろから、システムエンジニアスタッフを中心にテレワークを導入していました。設立当時、女子学生ベンチャーとしてスタートした当社は、女性従業員が中心となって構成されていたため、結婚や出産のタイミングで在宅勤務に切り替えるケースも多くありました。しかし、それらの人材を管理するスタッフなど、本部としての機能はオフィスに固定されていました」と当時を振り返る。

 特に課題となっていたのが書類や人材データの管理だ。本社オフィスに必要な書類が保管されていたり、登録スタッフに関する情報が個人のPCやサーバーに蓄積されていたりしたため、本部機能を円滑に回すためには、オフィスに出社する必要があった。そうした環境の中で発生したのが2011年3月に発生した東日本大震災だったという。

「震災が発生した際、各企業のヘルプデスクとして従事しているスタッフに連絡を取り、翌日以降の対応などを指示しようにも、電話やメールが通じなくなっていました。それぞれ異なる会社にヘルプデスクとして常駐しているため、各スタッフの状況把握ができないといった課題が顕在化したのです」と田子氏は語る。

 また、東日本大震災によって東北地方を襲った津波の実態を目にしたことで、紙ベースの業務を継続することに危機感を覚えたとも話す。紙ベースで業務を進めていた際、万が一津波のような災害が発生すると全て流れてしまい、業務継続が困難になるためだ。オンプレミスのサーバーでのデータ管理も同様だ。そこで同社が検討したのが、書類をすべてデジタルデータ化し、クラウド上に保管するペーパーレス化だった。

(左)コスモピア 代表取締役 田子みどり氏
(右)コスモピア ジェネラルマネジャー 和田由美子氏

本社移転に伴いフリーアドレスを導入

 ペーパーレス化を決めると同時期に、本社移転も実施した。田子氏は「以前本社を置いていた南青山から現在の千代田区に移転しました。もともと従業員数に対してオフィスが大きかったということもあり、経費削減も兼ねて移転を決めました。移転のタイミングでペーパーレス化を並行して行い、事務の流れに照らし合わせて本来どこに保管するべきなのかを確認しながら棚卸しして、デジタルデータ化を進めました」と話す。2011年6月からペーパーレス化に取り組み、2012年3月に現在のオフィスに移転した。移転にあたり、ペーパーレスを進めてコピーや印刷を削減した影響で、2台あった複合機を1台に減らしたという。

 ペーパーレス化と同時に、Office 365の導入も決めた。電子化した書類データはSharePoint上に構築したサーバーに保管し共有するようにした。

 同社の働き方改革を推進するジェネラルマネジャー 和田由美子氏は「本社移転に伴い、フリーアドレスを導入しました。個人に割り当てられたデスクトップPCやデスクがなくなったことで、書類を増やさない環境を整えました。Office 365やフリーアドレス、ペーパーレスの導入にあたっては、以前から当社の業務システム構築やコンサルティングをお願いしていた販売店に提案、サポートをしていただきました」と当時の動きを語る。

 Office 365とフリーアドレスを導入したことで、業務環境も一新した。具体的には管理部門を除きデスクトップPCを廃止し、ノートPCや2in1端末(Surface)の利用に切り替えた。利用割合は2in1端末が7割、ノートPCが3割だという。

 フリーアドレスの導入メリットについて和田氏は、「固定席の場合、業務でやりとりする人間関係が固定化されていました。また席の位置によって日差しやエアコンの風の当たり方が変わるため、不満も少なからずありました。フリーアドレスにすることで座席がシャッフルされるため、不平不満がなくなりました。またデスクに個人の荷物を置かなくなったことで、オフィスがきれいになりましたね」と話す。固定席でなくなったことで、さまざまなスタッフ同士が会話でき、フラットな状態で業務の状況を把握できるようになった点もメリットだという。

フリーアドレスのコスモピアのオフィス。

女性の働きやすさに寄与するクラウドサービス

 Office 365を導入した2年後となる2014年には、サイボウズのkintoneを導入した。データベースやワークフローの開発などが自社で簡単にできる点が導入の決め手だった。また2015年4月には人材管理のクラウドサービスを導入し、登録スタッフの管理や給与支払い、受注管理などをクラウド上で完結できるようにした。

 Office 365を導入したことで、テレワークも促進されたという。Office 365で提供されているSkype for Businessを活用すれば自宅や遠隔地からでも会議に参加でき、業務に必要なデータもSharePoint上に保存されているため、必要に応じて在宅勤務に切り替えるといった柔軟な働き方が可能なのだという。

「特に当社は女性が9割を占めるため、子供がインフルエンザで出社できなかったり、学校のPTA会議が午後にあったりして、日によっては自宅で仕事をしたいという要望は多くあります。テレワーク前提で働く環境が整っていれば、不測の事態でも業務が継続できるため、女性の働き方の選択肢が増やせると感じています」と田子氏。実際田子氏はテレワークを活用してホノルルマラソンに出場したという。一週間の滞在期間中はSkype for Businessを利用して会議に出席するなど、テレワーク環境を有効活用しながら滞在を楽しんだと話す。

 同社では今後、クラウドサービスをさらに活用して業務の効率化・生産性向上を進めていく。具体的にはkintoneを活用して日報管理や情報共有を効率化させていきたい考えだ。また、社内人事制度の改革を進めると同時に、BCP策定プロジェクトを立ち上げて災害などの有事の際にどう動くのかといった文書策定を進めていく。

「文書の策定に伴い、安否確認システムの導入も検討しています。業務継続の仕組みはできているものの、ヘルプデスクとして各企業に常駐しているスタッフの安否確認を誰がどう把握して、情報を共有するかといった仕組みづくりはまだ不十分です。まずは文書策定を行い、1年単位で見直す仕組みづくりを進めていきたいですね」と和田氏は語った。

一部のデスクには電話が設置されている。
2in1端末のデメリットである作業スペースの狭さを解消するため、デスクにモニターを設置し、デュアルモニター環境で業務ができる環境を整えている。

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