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テレワークは在宅型を中心に導入が拡大

テレワークは在宅型を中心に導入が拡大

2018年08月03日更新

2017年テレワーク導入企業は14万社と推計

Telework

 労働人口が減少する中、優秀な人材確保や働き方の効率向上のため、テレワークなどICTを活用した働き方改革に注目が集まっている。

 IDC Japanは国内テレワーク導入率に関する調査を行い、その分析結果および産業分野別予測を発表した。同調査によると、2017年のテレワーク導入企業数(従業員2名以上の企業)は、企業導入率4.7%の14万社であったと推計した。企業規模別では、従業員が499人以下の中堅・中小企業で4.7%、従業員が500人以上の大企業では23.6%だった。大企業での導入率は高まっているが、国内の企業数は中堅・中小企業が99.8%を占めることから、同セグメントの導入率が全体の導入率に大きく影響した。2022年にはテレワークの企業導入率は9.7%の29万社になると同社は予測している。

 テレワークの導入が大企業で進んでいる背景には「社員のダイバーシティ(多様性)の拡大に伴う働き方の多様化に対するニーズ」「顧客との立地の近さ」「ICT導入の格差」などがあると考えられる。

 IDC Japan 浅野浩寿氏は次のように述べている。「テレワークの導入率は中堅・中小企業の導入率が低いことで、国内全体の導入が遅れています。総務省調査では中堅・中小企業がテレワーク導入に消極的である主な理由は、テレワークに適した仕事がないことでした。しかしながら業務の仕分けを行うことで、どの業務でテレワークを進めることができるかを各企業で検討すべきです」

テレワーク形態の中心は在宅型へ

 今後テレワークは、優秀な人材の確保や流出の防止、労働人口の減少の緩和などの目的で中堅・中小企業にも導入が進むと推察される。時間や場所にとらわれないテレワークという働き方によってワークライフバランスが向上し、業務の生産性が高まる効果も期待できる。

 テレワークの導入が進む大企業の中でも、産業分野別では「サービス」「製造」「金融」でテレワークの導入率が高い一方、「医療/教育/公益」は導入率が相対的に低いことが分かった。「医療/教育/公益」は、顧客との対面や関係性の深さ、個人情報漏えいへの危惧、大規模な研究機材などの制限から、テレワークが導入しにくいことが理由であるとIDC Japanは推測する。

 テレワークというと、多くの場合は所属するオフィスに出勤せず、自宅を就業場所とする業務形態の「在宅型」を思い浮かべる。実際のテレワークによる業務のうち、在宅型の運用が大半を占めており、今後もこの運用がテレワーク形態の中心になると予測されている。しかし、テレワークによる業務形態はほかにも、「施設利用型」「モバイルワーク型」の二つが存在する。「施設利用型」は貸し会議室などを利用するテレワーク形態で、本社から自宅までの距離が遠い従業員などが活用することで移動時間が削減されるメリットもあるが、コストとセキュリティに対する不安が強く、2022年のテレワーク導入率の半数以下の運用率になると予測される。「モバイルワーク型」は顧客先、カフェなどを就業場所とするテレワーク形態で、営業職など所属オフィス外での業務が多い職種にとって有用だが、社外に企業所有のデータを持ち出すことや、ノートPCの紛失や盗難、情報漏えいといった課題に対策を講じる必要がある。そのため前述した在宅型と比較して、運用している企業が少ない状態となっている。

IT企画人材の育成を重要視する企業は38.9%

Administrative Support

 ノークリサーチは年商500億円未満の中堅・中小企業700社を対象に、中堅・中小企業が抱えるIT投資課題とそれを軽減するためにIT企業が活用すべき法制度支援に関する調査結果を発表した。

 労働時間の短縮や人材不足に起因する「業務効率化」に対する取り組みが重視されているが、中堅・中小企業にとって業務効率化を実現させるためのツールを導入する費用が障壁となりやすい。ノークリサーチは、費用面の負担が大きい中小企業や小規模企業においては、行政などによる助成金や補助金などの支援策を適宜活用することも重要だと指摘しており、経済産業省が施行した「IT導入補助金」の活用などを提案している。

 しかし、中堅・中小企業におけるIT活用には、費用以外にも課題がある。同社が「IT活用において今後重要度が高くなると考えられる事柄」を調査したアンケート結果では「IT活用の計画立案/提案/推進を担える社内人材の育成」が全体の38.9%と高い割合を占めた。その背景には、業務改革などを提案できるIT企画人材が不足していることにある。IT部門の役割がシステム基盤の整備・維持から、業務改革の提案・推進、戦略の実現に必要なシステムの提案へと変化しているにもかかわらず、それに対応できているIT部門は少ない。技術やスキルを受け継ぐ後継人材の育成が進んでおらず、ベテラン社員の退職とともに技術やスキルが空洞化する懸念が生じている。

 社内人材育成に関連した行政主導の支援策は厚生労働省による「人材開発支援助成金」が挙げられる。これは従業員の職業能力開発を計画し、それに基づく訓練を実施した企業に対して、訓練に要した経費などの一部を助成するものだ。前述したように、このようなIT補助金以外の助成金の活用が中堅・中小企業は必要となる。

 ベンダーや販社/SIerがユーザー企業を支援する際には「人材開発のゴールを明示した助成金申請のサポート」が求められる。また助成金の申請を支援するだけでなく、生産性の向上につながる「人材関連のIT活用を提案/訴求すること」が求められるとノークリサーチ 岩上由高氏は指摘する。

24時間365日の運用監視サービスの需要が高まる

Cyber Security

 国内のサイバーセキュリティサービス市場規模および予測をアイ・ティ・アールが発表した。同調査によると、2017年度国内サイバーセキュリティサービス市場は約2,750億円となり、2016年度に比べて13.8%増となった。

 サイバー攻撃の高度化が進む中、企業はセキュリティ専任要員や専門スキルの不足から自社運用だけでは対応しきれず、サイバー攻撃の被害が拡大している。この被害を最小限にするために、セキュリティ専門家による24時間365日の運用監視サービスの需要が高まり続けている。

 このような背景から、2018年度のサイバーセキュリティサービス市場規模は約3,100億円となる見込みだ。2017年度比で12.7%増となる。参入ベンダーも増加しており、2017年度から2022年度までの年平均成長率は8.4%、2020年度の市場規模は4,100億円を突破すると予測している。

 アイ・ティ・アール 藤 俊満氏は次のように述べている。「複雑で巧妙化するサイバー攻撃に対して自社で要員を育成し、自ら設備投資をして対策を行うことは限界が近づいている。そのため、サイバーセキュリティのプロフェッショナルと高度な設備を擁するセキュリティベンダーにアウトソーシングをする傾向は加速していくと考えられる。また、サイバー攻撃の対象が本社部門から工場や研究開発部門へ拡大してきており、今後、制御系や開発系を対象としたIoTセキュリティ、PSIRT、CSMSの重要性が増大すると予想される」

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