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HPEはオンプレミスの従量課金型サービスで未開拓市場を攻める

HPEはオンプレミスの従量課金型サービスで未開拓市場を攻める

2018年07月10日更新

HPE GreenLake

Hewlett Packard Enterprise

所有から利用の流れはどこまで進むのか。日本ヒューレット・パッカード(HPE)は、従来から提供してきたオンプレミスの従量課金型サービスのブランドを刷新。顧客のIT投資やTCOの最適化支援を強化する。

オンプレミスでも使った分だけ支払い

 クラウドサービスが普及し始めた頃から指摘されている所有から利用への移行は、今後も確実に拡大していきそうだ。HPEでは、そうした流れを見越して、従量課金型ITインフラサービスとして提供していた「HPE フレキシブルキャパシティ」のブランドを「HPE GreenLake」に刷新し、新たなスタートを切った。

「3〜4年前まではまだオンプレミス志向が強かったのですが、2年程前からはクラウドの利用を前提に、オンプレミス環境のシンプル化による運用コストの削減を望むお客さまが増え始めてきました。ITリソースの持ち方を再検討する中で、ハイブリッドクラウドという考え方が根付いてきた時期でもあります」(HPE Pointnext事業統括 ソリューションビジネス開発本部 スペシャリスト 菊池真美恵氏)

 もちろん、クラウドに置けないシステムも当然存在する。クラウドサービスを利用する場合は、「ガバナンスやセキュリティ、オペレーションなどに影響が出ます。従来のプロセスを継続させたいお客さまにとっては、クラウドよりもオンプレミスという選択肢は根強いのです」と菊池氏は説明する。

 このようなニーズに対して、オンプレミスでもクラウドのようなサービス形態を実現する従量課金型ITインフラサービス「HPE フレキシブルキャパシティ」をHPEは提供してきたが、この2月にブランドを「HPE GreenLake」に改め、さらに「HPE GreenLake フレックスキャパシティ」と「HPE GreenLakeソリューション」の二つのラインアップをそろえた。

日本ヒューレット・パッカード 菊池真美恵氏(左)
日本ヒューレット・パッカード 酒井 睦氏(右)

ワークロードごとのプリパッケージを用意

 HPE GreenLake フレックスキャパシティは、ユーザーが必要とするインフラに合わせたIaaSモデルだ。HPE製品とHPE フレックスキャパシティを合わせたモジュールのパッケージ化によって、ITインフラの手軽な導入を可能にする。

 実際には、サーバーやストレージなどの使用リソース量を高機能なメータリングツールで測定して、保守サービスと一緒に月額で費用を支払うモデルとなる(図参照)。ポータルサイトの利用料や専用の窓口・エンジニアチーム、保守サポート、インストレーションなどの費用も含まれる。「メータリングツールには買収したCloud Cruiserのソフトを活用しており、充実した機能を提供できています」(菊池氏)

 HPE GreenLake フレックスキャパシティの魅力について、HPE Pointnext事業統括 ソリューションビジネス開発本部 本部長 酒井 睦氏は次のように話す。

「IT機器を導入する際、通常はリソース不足にならないように多めに見積もるため、多額の投資がかかるとともに、その分が投資リスクにもなり得ます。一方、HPE GreenLake フレックスキャパシティならば、IT機器の実利用分だけを支払う形態となるので、ビジネスの需要に沿ったITリソースの調達が可能になるのです。そして、こうした柔軟性やアジリティを備えたシステムをオンプレミスで実現できるのが、HPE GreenLake フレックスキャパシティなのです。HPE GreenLakeのポータルサイトでは、キャパシティの可視化や管理も可能です。スケールアップに備えてバッファーリソースを設置できるので安心です」

 HPE GreenLakeのもう一つのラインアップであるHPE GreenLakeソリューションは、ワークロードごとにプリパッケージしたエンドツーエンドのソリューション群となる。用意されるワークロードは次の五つ。

・バックアップ
ビジネスの成長に伴って増加するバックアップリソースの心配が不要になる

・ビッグデータ
Hadoopも含めて構築するビッグデータのエンドツーエンドソリューション

・エッジコンピュート
エッジコンピューティングを含んだ柔軟性のあるIoTテクノロジーとサービス(2018年後半開始予定)

・データベース with EDB Postgres
セキュア、エンタープライズ対応、柔軟性のあるオープンソースデータベース(2018年後半開始予定)

・SAP HANA
SAP HANAの環境構築から運用までを含めたエンドツーエンドソリューション

 これらは、設計・構築インプリメンテーション、運用支援、利用量の測定・従量課金、キャパシティ管理までのライフサイクルを全てHPEにお任せできるモデルで、パートナーソフトウェアのライセンスもHPEが提供する。

「HPE GreenLakeの利用によって、『ビジネスの成果』『ITのシンプル化』『タイム・トゥ・マーケット』といった課題を解決できます」(酒井氏)

効果的なHPE GreenLake提案は?

 直近のHPE GreenLake提案の主な内容として、菊池氏は次のような例を挙げる。

「例えばパブリッククラウドの利用を開始したけれど、オンプレミスに残すシステムの将来的な利用予測が不透明、もしくはオンプレミスに残さないといけないシステムがあるといった場合に、オンプレミスでもパブリッククラウドライクな支払い形態や利用量の増減に対応できるHPE GreenLakeの利点が響いています」

 上記のようなハイブリッドクラウド移行時における課題だけでなく、システム企画業務や稟議業務の効率化といった課題にもHPE GreenLakeは訴求力を持っている。

「案件ごとにベンダーに見積もりを取る手間がかかる、その都度稟議を上げるがなかなか通らない、構築費もまとめてサービス契約してしまいたいといった課題に対して、単価表が手に入る(予算計画者に響く)、単価が決まっていて覚書で増強できるため稟議が通る、構築費もまとめて契約・効率化できる利点がHPE GreenLakeにはあるのです」(菊池氏)

 さらにシステムのOPEX化や延命・サービス化といった課題に対しても、キャッシュアウトの平準化や早期黒字化、資産買取・長期保守の組み直しの実現といったHPE GreenLakeのメリットが効いてくる。「IT基盤のサービス化を実現するHPE GreenLakeは、お客さまのさまざまな課題に対してアプローチでます」(酒井氏)

 HPEがブランド名を新たにしたオンプレミス型従量課金サービスのHPE GreenLakeは、クラウド型のサービス形態の利用が一般的となった現在において、企業の次世代IT基盤の魅力的な選択肢の一つとなる。

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