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国内サーバー市場は2年ぶりに前年比プラス成長

国内サーバー市場は2年ぶりに前年比プラス成長

2018年06月04日更新

国内サーバー市場がプラス4.5%成長に

Server

 IDC Japanが2017年通年の国内サーバー市場動向を発表した。同調査によると、2017年通年の国内サーバー市場規模は4,698億円で前年から4.5%増加し、2年ぶりに前年比プラス成長となった。全サーバー出荷額の約7割を占めるx86サーバーが2年ぶりに、メインフレームが4年ぶりに前年比プラス成長になったことが市場拡大の背景にある。

 x86サーバーの出荷額は、クラウドサービスベンダーや企業のデータセンター向けのサーバー出荷が好調で、前年比5.3%増の3,579億円となった。クラウドサービスベンダーへのサーバー出荷が増加している背景に、コンピュート処理をクラウドサービスで代替させるユーザー企業が増加していることが挙げられる。

 前述したクラウドサービス利用の増加を受けて、クラウドサービスベンダーを主な出荷先とするODM Directの出荷額は45.1%増の468憶円だった。ODM Directを除くx86サーバーの出荷額は、前年比1.1%増の3,111億円となった。企業のデータセンターに設置されることが多い2ソケットのラックマウントサーバーの出荷が好調で、メインフレームの出荷額は前年比12.3%増の763憶円だった。

 2016年は、メインフレームの更新需要が一巡し国内サーバー市場は2桁のマイナス成長となったが、2017年は金融、官公庁、製造の基幹系システムの更新需要があり2桁のプラス成長となった。その他のサーバーは、前年比14.9%減の356憶円とマイナス成長になっている。その要因として、ミッションクリティカル用途などの更新需要はあったが更新を機に、機器のダウンサイジング、x86アーキテクチャやクラウドサービスへの移行、もしくは、これらの検討のために更新時期を延伸したことなどがあるとIDC Japanはみている。

 IDC Japan 下河邊雅行氏は次のように述べている。「クラウドサービスの台頭で、コンピュート処理の選択の幅が広くなってきています。ITベンダーは、サーバーの機器更改提案に加えて、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドも視野に入れた、顧客にとって最適なコンピューティング環境を提案していく必要があるのです。そして、その提案活動を通じて、顧客の中に潜在するニューワークロードを掘り起こし、新しいコンピュート処理ニーズを顕在化させ、サーバーの新規需要を創出することで、自社の売上拡大を図ることが重要です」

 2017年のベンダー別出荷額では金融でのメインフレームの更新需要が貢献し、2桁のプラス成長となった富士通が首位を獲得した。2位にNEC、3位に日本ヒューレット・パッカード(HPE)と続いた。一方、出荷台数は51万5,000台で前年から0.6%減少し、ベンダー別出荷台数においては、NECが首位となり、2位に富士通、3位にHPEとなった。なお、ODM Directの出荷台数は前年比より33.7%のプラス成長となり、3位のHPEに次ぐ規模だった。

IaaS/PaaSの需要が拡大

Data Center Business

 富士キメラ総研が発表したデータセンタービジネスの国内市場の調査によると、データセンタービジネス市場はハウジングを中心に拡大を続けている。2017年のデータセンターサービスの国内市場は、ハウジングが市場の26.8%を占めた。しかし、近年はIaaS/PaaSの需要が増加しており、2017年見込みでは市場の16.9%だったが、2022年には31.5%を占めると予測されている。

 市場拡大の背景には「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)といったメガクラウドサービスの普及が挙げられる。AWSはWeb系システムプラットフォームとして需要を獲得してきたが、最近は業務系システムとして採用されるケースが増加している。Azureは業務用システムでの採用増加に加え、「Cognitive Services」を活用したAI関連案件(視覚、音声関連)の利用が進んでいる。今後もメガクラウドサービスの需要は高まり、IaaS/PaaS市場が拡大するとみられる。

 AI関連データセンターサービス国内市場においては、秒単位の従量課金制のクラウドサービスが多く、ハウジング/ホスティングを利用するユーザーは少ない。現状、AI活用の研究用途の基盤は社内、研究所内などにオンプレミスで構築し、ビジネス活用の基盤はクラウド型のデータセンターを採用する場合が多い。しかしサーバーの調達だけでなく、システムを稼働させる環境整備をユーザーが実践するのは非常に負担が大きい。既存のAI活用を行うオンプレミスシステムがシステムの拡張や更新の際にデータセンターへ移行すると予想され、今後AI専用のハウジングやホスティングの需要が増加すると推察されている。

膨大なデータ管理需要でストレージ支出が増加

Storage

 IDC Japanが2018年国内ストレージ需要動向調査結果を発表した。それによると、ITプロジェクトがストレージ支出に影響を与える度合いについて聞いたアンケートの回答で、2018年度のストレージ支出に大きな影響を与えるITプロジェクトは、データベース/アプリケーションのパフォーマンス向上が最も高く31.7%。2020年度までのストレージ支出に大きな影響を与えるITプロジェクトではビッグデータ/アナリティクスの活用が27.0%、2021年度はAIの活用が21.3%の高い回答率を占めた。

 IDC Japan 森山正秋氏は「現在はPoC(概念実証)が主体になっているビッグデータやAIのプロジェクトですが、今後数年以内に本格的に立ち上がることで管理すべきデータ量が膨大になることが理解され始めています。また、膨大なデータを管理することが、将来のストレージ支出に大きな影響を与えるとの認識が定着してきています」と分析する。

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