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きめ細かなサポートが求められるIT導入支援事業者に適しているのは?

きめ細かなサポートが求められるIT導入支援事業者に適しているのは?

2018年05月17日更新

販売店のビジネスノウハウが生きるIT導入支援事業者

IT導入補助金の交付対象となるITツールは、一定の要件を満たせば販売店が取り扱っているIT商材を登録できる。本項ではその要件と手続きなどを紹介する。

生産性を向上するITツールを補助金交付対象に登録

 IT導入支援事業者として採択されたら、次にITツールの登録を行う必要がある。これはIT導入補助金ホームページ内に設置されている「IT事業者ポータル」を通じて、事務局に対して補助対象となるITツールの登録申請を行い、審査を経て補助金が交付されるITツールとして登録を受ける手続きだ。IT導入支援事業者(販売店)が取り扱っているITツールのうち、補助事業者(ユーザー企業)の生産性を向上できるソフトウェアやクラウドサービスを登録することで、IT導入補助金の交付が受けられるITツールの提案が可能になる。具体的なITツールの定義として“新規に導入される「ソフトウェア製品/クラウドサービス」、「オプション」および「役務」の要素から成り、補助事業者の労働生産性の向上に資するもの”としている。

 また、ITツールの区分の中で「ソフトウェア製品/クラウドサービス」が保有する業務機能は以下の2類型とし、細分化した機能を最低一つ以上保有するものITツールの登録要件としている。

■フロント・ミドル業務
顧客と対面し、注文を受けて売上を伸ばす機能
原価・納期・在庫等を管理し、フロント業務を支える機能

■バックオフィス業務
上記二つの業務を支え、売上とコストから利益を管理する機能

 登録したITツールは、中小企業・小規模事業者自身がホームページ上の「ITツール選定ナビ」から検索できるようになるため、ユーザー企業側からITツールに対する問い合わせが増える可能性が高い。同ホームページ上にはいくつかの質問に答えるだけで自社の経営状態を診断できる「経営診断ツール」も公開される予定のため、ユーザー企業自身が診断結果をもとに、ITツール選定ナビから最適なITツールを探せる状態になるのだ。

 また、登録したITツールは、IT導入支援事業者(販売店)自身がユーザー企業に販売提案し、IT導入補助金の交付を受けながら導入してもらうことも可能だ。IT導入支援事業者(販売店)は、ユーザー企業からのさまざまな問い合わせに対応し、その疑問を解決しつつ、ITツール導入における商談や見積もりなどを進めていく必要がある。IT導入補助金の交付申請はIT導入支援事業者が補助事業者の代理で行う必要があるため、導入しようとしているITツールが、どのように生産性向上に資するものであるのか、申請する補助事業について補助事業者と認識の共有を図る必要がある。

複数のITツールを組み合わせて生産性向上を図る

 IT導入補助金の交付申請を行うITツールは、原則的に複数のITツールを組み合わせて申請する。その背景には、以下のような考えがある。

“ITツールは、複数の業務機能を組み合わせることで生産性の向上を図ることを目的としています。こうした狙いのもと、多面的な効率化や事業拡大を支えることを目的として、フロント業務、ミドル業務、バックオフィス業務を広くサポートすることが望まれます。交付申請においてはITツールを(一つまたは複数)導入することで、フロント業務、ミドル業務およびバックオフィス業務のうちから、機能を二つ以上持つことが必要条件となります。ITツールの数および機能の数については上限を設けません”(IT導入補助金ホームページ、事業の目的より引用)

 端的に表現すると、労働生産性を向上させるためには、いわゆる「攻めのIT投資」と「守りのIT投資」の両側面からIT投資を進めていく必要があり、その二つのIT投資を行う上で、フロント業務、ミドル業務およびバックオフィス業務の中から機能を二つ以上持ったITツールを組み合わせて導入することで、労働生産性の向上が見込めるのだ。後藤氏は「フロント業務だけ、バックオフィス業務だけをサポートするITツール単体で導入してしまうと、数値データが取りにくく、労働生産性が本当に向上しているのかという事業成果が確認できなくなってしまうため、複数のITツールを選択することが交付申請の要件になっています」とその背景を解説する。

 IT導入補助金の交付決定後は、補助事業者に対して、ITツールの契約、導入、代金の受領(請求)を実施し、補助事業の円滑な遂行を支援する。また、ITツールの導入に伴い、事業実績報告書における書類作成の支援などのサポートを行い、事務局への報告については代理で手続きをするなど、事業実施に際してのサポートを行っていく必要がある、また、ITツールの導入後も、補助事業者へのアフターフォロー、サービスなどは迅速に対応していくことが望ましい。

ITツールの発注や契約は補助金交付決定後に

 IT導入補助金の交付にあたって、IT導入支援事業者が留意するべきポイントを後藤氏は次のように説明する。「まず、ITツールに対するIT導入補助金の交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払いなどを行った場合は補助金の交付を受けることができないため注意してください。また、1年間の事業終了後も5年間(計5回)にわたり、毎年4月1日から翌年3月末日までの1年間における生産性向上等に関する情報を、事務局に事業実施効果報告する必要があるなど、継続的なアフターフォローが必要になります」

 それでは、IT導入補助金の交付申請を行う上で、対象となる補助事業者の要件とは何だろうか。サービスデザイン推進協議会が公開している交付規定によると、主な要件として以下の企業が対象となる。

 1.足腰の強い経済を構築するため生産性の向上に資するITツールを導入する中小企業・小規模事業者等であること。
 2.中小企業・小規模事業者等以外の者で、事業を営む者(以下「大企業」という。)から、次に掲げる出資又は役員を受け入れていない者であること。
 (1)発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業・小規模事業者等
 (2)発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業・小規模事業者等
 (3)大企業の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者
 3.日本国内で事業を行う個人又は法人であること。
 4.風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律第2条に規定する「風俗営業」、「性風俗関連特殊営業」および「接客業務受託営業」を営むものでないもの。
 ただし、旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項に規定する許可を受け旅館業を営むもの(風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営むものを除く。)を除く。
 5.申請者(中小企業・小規模事業者等)又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会的勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等資金提供を受ける場合も対象外とする。

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