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アプリケーション開発基盤として有用なAWSでクラウドビジネスを拡大

アプリケーション開発基盤として有用なAWSでクラウドビジネスを拡大

2018年05月24日更新

クラウドサービスのつながりが生み出す
未来の産業社会の姿と付加価値の創出

中小企業に適したクラウドサービスの認定を行うクラウドサービス推進機構。今年の2月下旬に、同機構が開催したセミナーの基調講演では、Connected Industries実現にクラウドサービスが必要であること、そしてAWSを活用したクラウドビジネスのメリットなどが紹介された。今回は、そのセミナーの様子をリポートする。

Lesson 1 中小企業の利用に適した認定サービス

 2018年2月22日、クラウドサービス推進機構主催の「第3回 優良クラウドサービス紹介セミナー」が開催された。本セミナーでは、クラウドサービス推進機構 理事長 松島桂樹氏による「中小企業におけるクラウド活用の最新動向。CSPA『クラウドサービス認定プログラム』について」と、アマゾン ウェブ サービス ジャパン ストラテジックアカウントマネージャー 門田進一郎氏による「クラウドで実現する新しいビジネス展開〜世界でAWSが選ばれる理由とは〜」と題した基調講演が行われたため、その様子をリポートしたい。

 松島氏による講演では、まずクラウドサービス認定プログラムの概要について紹介された。本認定プログラムは、クラウドを活用したIT経営の促進を目的として中小企業の経営者が安全かつ安心して継続的に利用できるクラウドサービスであることを認定するものだ。現在までに4回実施されており、合計で32個のクラウドサービスが認定された。近々第5回目の公募がスタートする予定だ。

 さまざまなクラウドサービスの認定を行ってきた松島氏は「中小企業が使うには操作方法がわかりにくい、と感じるクラウドサービスもあります。そうしたクラウドサービスについては、率直にどこがわかりにくいのかを伝え修正に対応してもらうなどの対応をいただいて、認定プログラムのチェックシートをもとに中小企業にとってわかりやすいサービスを認定しています」と語る。

Lesson 2 クラウド同士の連携が企業間のつながりを生む

 クラウドサービス推進機構では、現在クラウドサービス同士の連携に注目している。松島氏は次のように語る。「第四次産業革命が進む中、モノとモノ、ヒトとモノなどが接続するIoTだけでなく、企業と企業、生産と消費など、さまざまなつながりによって新たな付加価値の創出や社会課題の解決をもたらす産業の未来像『Connected Industries』に注目が集まっています。このConnected Industriesの本質的な良さは、企業と企業がつながることで、ソリューション志向の新たな産業社会が構築される点にあります。そこでクラウドサービスの良さが生きるのです。例えばA社とB社をつなぐのであれば、企業同士が直接交渉してその企業間だけがつながるよりも、クラウドサービス間がつながって、そのツールを企業間で利用することで企業間がつながることができるようになります」

 このようなクラウドサービス間の連携は、同一プラットフォーム上で開発されたSaaSであれば開発の手間が少なく対応がしやすい。例えばアマゾンが提供するアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で実装されたアプリケーション同士であれば、同一プラットフォーム上で開発されているため接続する手間が少ない。

「クラウドサービス同士が接続することは、Connected Industriesを実現する上でも近道であり、中小企業だけでなく日本全体の政策の中でも重要なポイントになっています」と語る松島氏。それでは現在、主要なクラウドプラットフォームが複数ある中で、AWSを利用してアプリケーション開発するメリットとはどういったポイントになるのだろうか。

Lesson 3 クラウドはIoT環境構築の主要プラットフォーム

 アマゾン ウェブ サービス ジャパンの門田氏は、まず直近のIoTの動向を次のように解説する。「IoTのコンセプトは、モノとモノがつながるだけでなく、その間に機械学習やAIなどが使われて、人間があまり考えなくてもモノにシステムが実装されたり、実行される世の中を作っていくというところが背景にあります。企業と企業がつながることに関しても、このIoTを通して接続するといったモデルも出てきています」

 このIoTでやり取りされるデータの蓄積で最も使われるのが、クラウドサービスだ。特にデータの量や種類の多さ、多様性やスピードなどを重視する場合、スケールアウトしやすいクラウドサービスの環境が望まれやすいのだ。実際にアマゾンではIoTを活用した物流に力を入れている。具体的には倉庫の中でロボットとセンサーを活用し、配送する荷物などをロボットが各棚から取ってきて、人に渡しているのだ。「人が荷物を運ぶ場合、人が動くための導線が必要になります。しかしロボットの場合、センサーなどを活用してお互いがぶつかったりしないようにコミュニケーションを取り、荷物を目的の場所まで運ぶため、人間が荷物を探してきてた頃と比較して約5倍のスピードアップが実現できています」と門田氏。また、アマゾンではユーザーが購入した商品情報をクラウドサービス上で収集し、そのユーザーの近い倉庫のどこに注文した商品があるかなど、全てクラウド上で計算して出荷をしている。これらの仕組みは全世界で実行されており、同社が提供しているクラウドサービスの処理能力の高さが分かる。

Lesson 4 多様なサービスの組み合わせでイノベーションを創出

 上記以外にも、映像分析やセンサーをフルに活用してレジでの支払いを不要にしている実店舗「Amazon Go」や、アマゾンの購買情報をもとにレコメンドを表示するサービスなど、IoT技術と機械学習を活用したサービス提供を続けている。物理的なボタンを押すと登録された商品が注文できる「Amazon Dash Button」をもとに開発された「AWS IoTボタン」の提供も企業に対して行っている。本製品はアイテムのカウントやトラッキング、サービスのオーダー、フィードバック提供などができるようにプログラミング可能だ。また、スマートスピーカー「Amazon Echo」の技術を活用したビジネス向けの「Alexa for Business」の提供も北米からスタートしており、音声サービスによってオフィス環境を変革することを目標に、ビジネス領域でもビジネスを拡大させていく考えだ。

 同社がこれらのサービスを提供できる根幹には、AWSの存在がある。第三者機関による調査でも、クラウドサービスのビジョンや実行能力は他社のサービスと比較してずば抜けていると、高く評価された。

 AWSのサービスの本質は“ビルディングブロック”だと話す門田氏は、サービスを組み合わせることで素早くアプリケーション構築が可能であるとAWSをプラットフォームとして利用するメリットを語る。

「過去5年間で3,000を超える新しい機能やサービスをリリースするなど、お客さまのための機能改善、イノベーションのスピードを止めないことを意識してビジネスを進めています。クラウドサービスを利用するお客さまにも『イノベーションを止めない』を念頭に置いたビジネスを推進してほしいと思います」と門田氏。

 IoTにとどまらず、機械学習や画像・映像処理などに対応できるAWS。販売店の商材としてはもちろんのこと、ユーザー企業のニーズに応じたSaaS開発基盤として活用することで、販売店自身のビジネスを拡大できそうだ。

本日の講師
(左)クラウドサービス推進機構 理事長 松島桂樹 氏
(右)アマゾン ウェブ サービス ジャパン ストラテジック アカウントマネージャー 門田進一郎 氏

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