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クラウドビジネスで熊本から全国にビジネスを拡大する販売事例

クラウドビジネスで熊本から全国にビジネスを拡大する販売事例

2018年04月20日更新

kintoneで企業に寄り添うシステム開発を提案
熊本から全国へクラウドビジネスを拡大する

クラウドサービスの提案は、中小企業に対して非常に有効であることは周知の通りだ。しかし、実際に提案を進めていく中で、現場からの反発の声やクラウドサービス同士の連携の難しさなどで、提案を断念してしまった販売店も少なくないのではないだろうか。今回は、士業をはじめとした中小企業に対してkintoneを中核としたクラウドサービスを提案しているキャップドゥに取材し、そのビジネスノウハウを紹介してもらった。

Lesson 1 人材不足に生じる課題を解決するクラウド

 熊本県熊本市に拠点を置くキャップドゥは、士業の事務所を中心とした中小企業の業務改善コンサルティングサービスを提供している。そのコンサルティングの要となっているのが、クラウドサービスの提案だ。

 キャップドゥ 代表取締役社長の森田晃輝氏は、もともと法人向けカーリースの営業担当を勤めていた経験があり、中小企業の経営者の多くが課題を抱えていることを肌で感じていた。その後ITコンサル企業に転職した森田氏は、クラウドサービスの存在を知り「大企業でなければ使えなかったシステムが、中小企業でも使える時代に来ている」と衝撃を受けたという。また、カーリースの営業時代に知った中小企業が抱える課題解決のツールとして、クラウドサービスは最適ではないか、と考えるようになったのだという。

「少子高齢化が進む中、企業の人材不足が顕著になってきています。しかし、中小企業の中には、属人的な業務を変わらず行っており、新たな人材が入ってきてもその人ができる仕事の範囲が少ないなど、能力を生かし切れていないケースもあります。クラウドサービスは、そうした業務負担のばらつきを平準化し、どの業務を誰がやっても同じクオリティに仕上げられる仕組みを提供できるサービスです。中小企業の課題解決のツールとしては最適だと考えました」と森田氏は振り返る。

 そこで森田氏は、2016年3月にキャップドゥを設立した。同社では、サイボウズが提供するkintoneを中心に、さまざまなクラウドサービスを取り扱い、ビジネスを進めている。

Lesson 2 顧客の多様なニーズに応えるkintone

 同社のクラウドビジネスの核として採用している理由について、森田氏は次のように語る。「最大の理由は、顧客の多様なニーズに応えられるツールであることです。プラットフォームや業種を問わずに使えるため、様々な顧客が抱える課題に対して提案が可能です。また他社のクラウドサービスと比較してランニングコストの負担が大きくない点や、日本で作られたサービスのため英語を苦手とするユーザーでも使いやすい点など、利用メリットが大きいことも、商材として選択した理由として挙げられます」

 サイボウズが提供するkintoneは、開発に対する知識がなくても、自社の業務に合わせたシステムを簡単に作成できるクラウドサービスだ。森田氏は、自身の業務で実際にkintoneの顧客管理アプリを使い始めたことで、このクラウドサービスは顧客の業務改善に役立てられると実感したという。キャップドゥでは実際にkintoneの顧客管理、案件管理、プロジェクト管理、見積管理などを活用しているほか、kintoneと連携する他社クラウドサービスも組み合わせて自社の業務の円滑化を図っている。この実際に活用経験も、提案の際に生きているという。

「私見ではありますが、実際に使っているサービスでなければ顧客への提案は難しいと感じています。クラウドサービスは日々バージョンアップしているため、その使い勝手を実際に知っていないと、顧客に提案するのが難しいです。また自社で活用していれば、クラウドサービスが抱えている仕様上の課題の回避方法なども分かります。顧客が仕様上の課題で困っている際などには『分かります、不便ですよね。こうすれば回避できますよ』といったサポートも可能になります」と森田氏は語る。

Lesson 3 紙ベースで属人的な業務をクラウドが解決

 キャップドゥの顧客は、全体の約半数が士業の事務所だ。他に建設業や官公庁、国立大学、介護事務所、製造業といった幅広い業種に顧客を持っている。特に士業の事務所は、紙をベースとした案件管理や、属人的な作業が他業種に比べて多い傾向にあるため、kintoneを利用した業務改善の効果が大きい。

「kintone導入後の効果として、業務が平準化できるようになったことで、人材採用が進んだ事務所もあります。導入にあたって経営者側の抵抗感は少ないのですが、現場の方々は新しいツールを導入することに抵抗感があるケースが多いです。しかし、実際に導入してみると、前述したような属人的な業務を平準化でき、負担が減るだけでなく、誰でも同じ仕事ができるようになることで、一つの仕事を複数名で分担して、コミュニケーションを取りながら仕事ができるようになります。企業の全体的な雰囲気も、クラウドサービスを導入することで大きく変わるようになるのです」と森田氏は導入効果を語る。

 kintone提案のポイントとして、森田氏は「作り込みすぎないこと」を挙げる。kintoneは前述したように開発に対する知識がなくても自社に合わせたシステムを構築できるサービスだ。そのため、顧客の要望に寄り添ったシステム改修が簡単に行える。例えば従来他社のクラウドサービスを利用していた事務所などは、kintoneを導入したことでユーザー自身がカスタマイズができるようになったことで、現場からの改善要望が数多く上がるようになり、より業務に寄り添ったシステムに変わっていったのだという。

Lesson 4 クラウドサービス同士を連携するプラグイン

 kintoneは、クラウドサービス間の連携もしやすい。クラウドサービス同士の連携というと、API開発がいるのではないかと思われがちだが、kintoneの場合、対応しているクラウドサービスであればプラグインをインストールするだけで他社のクラウドサービスと接続して利用できる。例えばキャップドゥでは、kintoneのほかにサイボウズが提供する各種クラウドサービスや、クラウド会計ソフト「MFクラウドシリーズ」、クラウドストレージサービス「Dropbox Business」、名刺管理ツール「biz compass」、契約書作成・電子契約締結システム「Holmes」を取り扱っているが、これらはすべてkintoneと連携できる。「そのため、例えばMFクラウドを使っている顧客に対して、『さらに業務改善してみませんか?』とkintoneを紹介するような提案が簡単にできます」と森田氏は提案のコツを語る。

 森田氏は「当社の強みは、さまざまなクラウドサービスをインテグレートして提供できるところにあると自負しています。余計な開発や作り込みは必要なく、いかに顧客の要望に寄り添って業務改善を図るかが求められていると感じます」と話す。クラウドビジネスをスタートした当初と比較して、kintoneの販売ライセンス数は大幅に増えており、収益も右肩上がりに伸びている。ライセンス管理はダイワボウ情報システムが提供しているクラウドアグリゲーションプラットフォーム「iKAZUCHI(雷)」で行っており、「使い勝手が非常によく、クラウドビジネスに欠かせない存在になっています」と森田氏。

 現在熊本県外の顧客が8割にのぼるなど、全国にクラウドビジネスを展開しているキャップドゥ。そのビジネス展開をサポートしているのもまた、クラウドサービスの存在だ。熊本地震をきっかけに熊本の復興支援に売り上げの1%を寄付しているというキャップドゥは、今後も自社ビジネスのサポートツールとして、また顧客の業務改善をサポートする商材として、クラウドサービスの拡販を進めていく。

本日の講師
キャップドゥ 代表取締役社長
森田晃輝 氏

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