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独自の遠隔データ消去サービスを武器にLTE対応PCを売るパナソニック

独自の遠隔データ消去サービスを武器にLTE対応PCを売るパナソニック

2018年04月04日更新

快楽なPCワイヤレス通信機能

ネットワークにワイヤレスでつながる快適さは、一度経験したら手放せない。そのワイヤレス通信機能は現在、快適な働き方を実現する要素として、ビジネスPCに必須の要件となりつつある。Wi-Fi、Bluetooth、LTE……。ビジネスPCを取り巻く新時代のワイヤレス通信についてリポートする。

独自の遠隔データ消去サービスを武器にLTE対応PCを売るパナソニック

LTE対応PC

ネットワークへの常時接続が当たり前になった現在、ネットワークがつながらない環境では仕事に支障がでてしまう。働き方改革の風が吹く中、社外でも自宅でもいつでもつながるLTE対応PCの価値が高まっていく。

2in1はLTE対応製品の採用率が5割近くに

「LTE対応ありきで製品を開発しています」——。パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 東アジア営業統括部 法人営業1部 法人営業3課 課長の藤田英治氏は、同社のモバイルPC「レッツノート」について、こう語る。レッツノートはビジネス向けモバイルPCの草分け的な存在であるのは周知の通り。モバイル環境でもいかに効率的に仕事ができるかを念頭に開発されてきた製品だ。ワイヤレスWANへの対応も早い時期に実現している。

 実際、レッツノートでワイヤレスWANに対応した最初の製品「CF-W7シリーズ」は、10年前の2008年5月に発売を開始した。同製品は、NTTドコモ FOMA HIGH-SPEEDに接続可能な通信モジュールを内蔵したモデルだった。天板上部に設けたFOMAカードスロットにFOMAカードを挿入して利用。天板部分には高感度アンテナも内蔵されていた。

「レッツノートはもともとモバイルに特化した製品なので、モバイルワーカーが何を求めるかを常に考えて開発してきました。モバイル環境でも社内と同様に仕事を行えるようにするには、やはりネットワーク環境が必須です。しかし、ネットワークに接続するためにWi-Fiルーターを携帯するのは、持ち物をできるだけ少なくしたいモバイルワーカーにとって負担になります。また、Wi-Fiルーターは、会社などに忘れてしまったら業務を止めてしまう要因にもなります。そのような観点からも、モバイルPCにはワイヤレスWANへの対応が求められているのです」(パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 東アジア営業統括部 フィールドSE課 2係 係長 川野正隆氏)

 現在、LTEに対応したワイヤレスWAN内蔵レッツノートの引き合いは非常に多くなっているという。「LTEは接続や管理に手間がかからないのがポイントですね。2in1タイプで12インチの『XZシリーズ』や10.1インチの『RZシリーズ』、光学式ドライブが内蔵できる12.1インチ『SVシリーズ』や同じく12.1インチ『SZシリーズ』、14インチの『LXシリーズ』でLTE対応製品が選択できます。RZシリーズのLTE対応製品の導入率は50%程度にまで上がってきています」(パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 東アジア営業統括部 フィールドSE課 課長 石原基弘氏)

 LTE対応モデルの販売が伸びている要因としては、クラウドサービスの利用増と社外Wi-Fiスポット利用時のセキュリティの不安、そして格安SIMサービスの普及などがあると同社は指摘している。「通信サービスの価格体系が多様化し、さまざまなニーズに対応できるようになってきています。MVNOの格安SIMを利用すれば、通信コストが抑えられるのもポイントですね」と藤田氏は説明する。

(左)パナソニック コネクティッドソリューションズ社 藤田英治氏、(中央)同社 石原基弘氏、(右)同社 川野正隆氏

指名買いを生む独自の遠隔データ消去サービス

 ワイヤレスWAN対応製品において、パナソニックのレッツノートがユーザーから指名買いされる理由がある。それが「HDD/SSD遠隔データ消去サービス」の存在だ。レッツノートのワイヤレスWAN対応製品であれば、紛失時に電源が入っていなくても遠隔操作でデータを消去できるサービスだ。エンドユーザーだけでなく同じPCベンダーからも注目されている。

 川野氏は、「やはりモバイルPCの持ち出しにおいて懸念されるのは盗難や紛失時のデータ漏えいです。そのリスクのために、PCの持ち出しを制限している企業はまだまだ多いでしょう。働き方改革への足かせにもつながるこうしたリスクを抑えられるのが、HDD/SSD遠隔データ消去サービスなのです」と説明する。

 パナソニックが用意するHDD/SSD遠隔データ消去サービスのポイントはハードとの結びつきにある。一般的なリモート消去サービスは、消去プログラムがHDDやSSD上に存在するため、OSやプログラムが起動していないと機能しない。一方、レッツノートでは、消去プログラムをBIOSの中に配置しているため、電源オフやOSが未起動の状態でも遠隔操作から消去プログラムを動作させてHDDやSSDのデータ消去を実現する。電源がオフでもLTEの電波は受信していて、SMSによる消去命令を受けた際に電源をオンにして消去プログラムを実行するのだ。

「消去命令を受けたレッツノートは、電源がオンにはなりますがバックライトや本体のLEDを無効にするため、外部にはデータが消去されていることがわかりません。万一、盗難に遭った際にも、窃盗者にきづかれないうちにデータの消去が可能です。もし気づかれたとしても、データの消去は止められない仕組みになっています。このようなサービスを提供できるのは、BIOSを内製しているからなのです」(藤田氏)

 HDD/SSD遠隔データ消去サービスはすでに4万クライアントで利用されている。取り扱うデータの機密性が高い監査法人での導入が多く、モバイルデバイスの活用が進む建設業界などでも採用されている。以前のレッツノートのモデルでは、HDD/SSD遠隔データ消去サービスはNTTドコモの通信サービスにしか対応していなかったが、最新モデルでは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアすべての通信サービスに対応した。

「HDD/SSD遠隔データ消去サービスは、VDIなどによるシンクライアント環境を構築するよりも低価格で、安全なモバイル環境を実現できます」(石原氏)

働き方改革支援サービスとセットで提案

 LTE対応モバイルPCを取り巻くこれからの環境変化について、藤田氏は次のように考えている。「働き方改革の進展によって、メリットやリスクを踏まえた上でワイヤレスWANに対応したモバイルPCの需要は確実に増えていくでしょう。Wi-Fiスポットを探さなくてもよく、Wi-Fiルーターを持ち運ばなくてもいい快適さは、仕事の快適さにも影響します。また、在宅勤務においても企業が契約するLTEが利用できることのメリットは大きいでしょう。こうした側面とともに、人材確保の面でもモバイルPCを持ち出して働ける環境の整備は、今後必須となるはずです。現在のデスクトップがモバイルに移行していくという展望も大げさではありません」

 このような背景下において、電源オフでもデータの遠隔消去が可能なHDD/SSD遠隔データ消去サービスを利用できるレッツノートは、顧客への提案において大きな差をつけられる製品となる。さらに働き方改革という視点では、「PCの使用時間と利用アプリを可視化できる『働き方改革支援サービス』の提供も始めています。レッツノートとセットでの提案で、お客さまの働く環境をさらに快適にするお手伝いができるでしょう」と石原氏は展望を語る。

(左)パナソニック レッツノートSV シリーズのLTE 対応モデル。
(右)レッツノートの初代ワイヤレスWAN 内蔵モデル(レッツノート CF-W7)。2008 年5 月に発売。NTT ドコモ FOMAHIGH-SPEED に接続可能な通信モジュールを内蔵していた。

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