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多対多の通信を実現するBluetooth meshでオフィスもスマート化

多対多の通信を実現するBluetooth meshでオフィスもスマート化

2018年04月06日更新

Bluetooth

マウスやキーボードの接続、スマートフォンとスマートウォッチの連携など、さまざまな場所でワイヤレス接続を実現しているBluetooth。最新バージョンではBluetoothネットワークの拡張性がキーとなっている。

 PCやタブレット、スマートフォン、オーディオ機器から自動車まで、多数の製品で使用できるBluetoothは、現在、年間で40億近くのデバイスに搭載されている。用途は機器の接続からデータ転送、位置情報の取得まで幅広い。

「2.4GHz周波数帯を利用するBluetoothは、相互接続性、搭載機器の数、ブランド認知度など多くの面でユニークなグローバルのワイヤレス規格です」と、Bluetooth SIG APAC デベロッパー・リレーション マネージャのカイ・レン氏はアピールする。同氏が所属するBluetooth SIGは、Bluetoothの技術を管理する非営利企業で、1998年に設立された。現在、150カ国3万3,000社を超えるメンバーが参加している。その中で、日本の企業は1,600社以上となる。

 Bluetoothの最新バージョンはBluetooth 5.0だ。2016年12月に発表された。前バージョンのBluetooth 4.2と比較して、通信速度は2倍の2Mbps、通信範囲は4倍の400mに拡大している。そもそもBluetoothは、Bluetooth Basic Rate/Enhanced Data Rateという1対1のポイントツーポイント通信を想定した規格から始まり、現在は、より低消費電力で使用できるBluetooth Low Energyという規格が追加されている。Bluetooth Low Energyは1対1の通信に加えて1:多というブロードキャスト通信にも利用できる。ビーコンとスマートフォンを利用して、位置情報とナビゲーションや商品情報の表示を組み合わせたサービスなどに活用されている。

 そして最新の進化では、多対多の通信を実現させた。それが、「Bluetooth mesh」だ。

Bluetooth SIGカイ・レン氏

Bluetoothでネットワークを形成

「Bluetooth meshは2017年7月に発表された新時代のBluetoothです。多対多の通信による広範なネットワークを実現するのが特長です」とカイ・レン氏は説明する。複数の機器をメッシュ状に相互接続できるBluetooth meshは、1対1や1対多の通信では実現できなかった通信範囲の拡大を可能にする。想定されるのは機器間通信であり、IoTでの活用だ。

「例えばビル内の照明設備をBluetooth meshに対応した電球でネットワーク化することで、照明設備のスマート化を実現します。設定を一度に変更したり、照明をビーコンとして活用してビル内での道案内アプリケーションを可能にしたりできるのです」(カイ・レン氏)

 これはスマートビルディングでの利用例だが、同じように、さまざまな機器が相互に接続・連携していくスマートインダストリーやスマートホーム、スマートシティを形成する上でBluetooth meshが利用されていく。もちろん、PCもBluetooth meshネットワークを形成する一部になるだろう。簡単な例では、Bluetooth meshでネットワーク化されたPC同士でファイルのやり取りが可能になることが予想される。その際も、Bluetooth meshネットワーク内であれば、通信範囲を気にせずにデータのやり取りが実現するはずだ。

 Bluetooth meshは、Bluetooth Low Energyが利用できる機器であれば、ソフトウェアのアップデートで対応可能だ。「PCではLinuxがすでに対応しています。WindowsやMacはこれからですね」(カイ・レン氏)

 Bluetooth meshのような使われ方で課題となるのはセキュリティだ。そのため、産業グレードのセキュリティをBluetoothに実装させているという。「パスワードを総当たり方式で解読しようとするブルートフォース攻撃や通信の中間に入り込んでデータを窃取する中間者攻撃などに有効なセキュリティを実装しています。また、廃棄されたBluetooth搭載機器からBluetooth関連データを盗み出すゴミ箱攻撃については、信頼できないBluetooth機器をブラックリストに載せてネットワークに接続できないようにする仕組みを用意しています」(カイ・レン氏)

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