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平成30年度の教育の情報化推進予算は前年比約1億円増

平成30年度の教育の情報化推進予算は前年比約1億円増

2018年04月12日更新

プログラミング教育実施に向けた教育現場へのICT提案

平成30年度文部科学省予算を徹底解剖

小学校では2020年度から新学習指導要領が実施される。プログラミング教育の必修化が盛り込まれた新学習指導要領実施に向けて、2018年度はどのような提案を進めていけばよいのだろうか。今回は文部科学省の平成30年度(2018年度)予算をもとに、教育の情報化のポイントについて解説していく。

平成30年度文科省予算は5兆3,093億円

 2018年1月、政府は平成30年度(2018年度)予算案を国会に提出した。一般会計総額は97兆7,128億円を計上し、「人づくり革命」「生産性革命」「財政健全化」をポイントに経済再生と財政健全化の両立を目指す。

 文部科学関係予算は5兆3,093億円。平成29年度(2017年度)予算額と比較して4億円の減額となった。そのうち、「義務教育費国庫負担金」が1兆5,228億円と最も多く、次いで「国立大学法人運営費交付金等」が1兆971億円、「科学技術予算」が9,626億円と続く。

 文教関係予算のポイントについて、文部科学省 大臣官房 会計課 予算企画調整官 吉田 潔氏は次のように語る。「2018年度文教関係予算は4兆405億円を計上しています。2017年度予算額の4兆428億円と比較して、施設設備等の予算を見直し、補正予算と併せて検討した結果、23億円の減額となる見込みです。『社会を生き抜く力の養成』『未来への飛躍を実現する人材の育成』『学びのセーフティネットの構築』をはじめとする『教育再生』を実現するための施策を推進する予算計上になっています」

 特にポイントとして語られたのが「社会を生き抜く力の養成」における、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築だ。教職員定数を改善し、小学校英語教育の早期化、教科化に伴う、一定の英語力を有し、質の高い英語教育を行う専科教職員の充実(+1,000人)や、学校総務、財源業務の軽減による学校運営体制の強化(+40人)を含む、指導体制の充実を図る。また、複雑化・困難化する教育課題への対応関連として定数改善(+505人)などを行い、総計1,595人の人材拡充を実施していきたい考えだ。

 専門スタッフ、外部人材の拡充としても121億7,800万(前年度比7億800万円増)を予算として計上している。スクールカウンセラーの配置拡充や補修等のための指導教員派遣事業に配分される予定だ。また学校現場における業務最適化として5億6,300万(前年比1億3,400万円増)が計上されており、統合型校務支援システム導入実証事業に3億1,100万円の予算が投じられている(新規予算)。教員の業務負担軽減および、それに応じた教育の質の向上を図る観点から、学校における校務の情報化を効率的に進めるため、都道府県単位での「統合型校務支援システムの共同調達・運用の促進に関わる実証事業を4都道府県で実施する予定だ。

情報活用能力育成に関わる予算は約7億円

 社会を生き抜く力の養成においては、「情報活用能力の育成を含む教育の情報化の推進」に7億900万円(前年度比1億2,200万円増)の予算が投じられる。新学習指導要領における「情報活用能力」の育成、特に小学校におけるプログラミング教育の円滑な実施等に向けた取り組みの推進や、児童生徒の学びの質向上を図るため、遠隔教育システムの導入を促進するといった事項に配分された予算だ。

 遠隔教育システムについては、2018年度予算において、「遠隔教育システムの導入実証研究事業」に新規で5,200万円の予算が配分された。本事業では、多様性ある学習環境や専門性の高い授業の実現など、児童生徒の学びの質の向上を図るため、遠隔教育システムの導入促進に関わる実証事業を6地域で行うことなどを予定している。遠隔教育システム関係の予算について、文部科学省 生涯学習政策局情報教育課 課長補佐 林 健吾氏は「遠隔教育システムの導入実証研究事業においては、新規の予算となっていますが、2017年度までの3年間ですでに遠隔授業の実証研究は実施しています。今回の実証研究事業についてはそれらの内容をさらに発展させたものになります」と語る。

 従来の実証研究は、主に離島など少人数校の合同授業で実施していた。しかし今回の遠隔教育システムの導入実証事業においては、合同授業にとどまらず専門性の高い授業や特別な配慮が必要な生徒を対象にした遠隔授業の実証研究を行う。例えば、新学習指導要領では小学校3年生から外国語活動が導入され、小学校5年生から英語が教科課されるなど、英語教育の早期化、教科化が実施される。それに伴い、ALT(外国語指導助手)が不在の学校現場で英語の発音を学んでもらうため、遠隔授業を実施するといった活用が想定される。

「2018年度は6地域で実証実験を行う予定で、2017年度中には公募を実施し、2018年度5月に実証スタートできるよう進めていきたい考えです」と林氏は語る。

 新学習指導要領においては、英語の教科化以外にもプログラミング教育の必修化が記載されている。その円滑な実施に向けて、指導事例を創出・普及するとともに、教員の研修用教材を開発するため、「次世代の教育情報化推進事業」に1億800万円(前年度比5,600万円増)の予算が投じられる。

 本事業について、文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課情報教育振興室 室長補佐 稲葉 敦氏は「昨年3月に告示した新学習指導要領においては、情報活用能力を言語能力と同様に『学習の基盤となる素質・能力』と位置づけました。そのため、特定の教科だけでICTを活用するのではなく、教科横断的にその力を育んでいく必要があります。しかし、教科横断的に情報活用能力を伸ばしていくためには、カリキュラム・マネジメントが非常に重要になります」と話す。

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