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モバイルエッジコンピューティングでデバイス活用をもっと現場へ

モバイルエッジコンピューティングでデバイス活用をもっと現場へ

2018年03月08日更新

Mobile Edge Computing

PC開発で培った技術やノウハウを生かして東芝クライアントソリューションが新たな事業領域として取り組みを始めたのがモバイルエッジコンピューティングだ。コンセプトは「デバイス活用をもっと現場へ」—。

クラウドからエッジ、そしてモバイルエッジへ

 東芝クライアントソリューションは、今年の1月に「dynaEdge(ダイナエッジ)」という新しいブランドを立ち上げて、モバイルエッジコンピューティングデバイスの提供を開始した。「社会課題の解決や生産性の向上に貢献するためには、デバイス活用をもっと現場に拡大させる必要があると考えました。そこで、現場における働き方をサポートする目的も含めて、モバイルエッジコンピューティングを実現するdynaEdgeの提供を開始したのです」(東芝クライアントソリューション 国内事業統括部 国内マーケティング本部 副本部長 荻野孝広氏)

 東芝クライアントソリューションが捉えている社会課題とは、「通信インフラの負荷低減と即応性(クラウドの負荷軽減とレスポンスの改善)」「労働力不足への対応(生産性の向上・技能の継承)」「多様な働き方への対応(セキュアかつ効果的なモバイルコミュニケーションの実現)」だ。これらの課題を解決するには、従来のエッジコンピューティングの概念に加えて、時間の短縮や場所の制約からの解放を可能にするモバイルの仕組みも必要になる。そうした考えから、エッジコンピューティングの概念をモバイルで実現するモバイルエッジコンピューティングの推進を東芝クライアントソリューションは始めたのだ。

「クラウドからエッジへとコンピューティングモデルが推移していますが、従来のエッジコンピューティングでは固定設置型の機器が用いられるケースが多く、対応範囲が限定されていました。そこで、エッジコンピューティングをモバイルで実現するデバイスの開発によって、エッジコンピューティングの領域をあらゆる現場・業務領域に広げる必要があると考えたのです」(東芝クライアントソリューション クライアントソリューション事業部 モバイルエッジコンピューティング推進部 国内新規事業開拓販売マーケティング部 部長 守屋文彦氏)

東芝クライアントソリューション
荻野孝広氏(左) 守屋文彦氏(中央) 藤間 健氏(右)

多様な現場でコンピューティングを

 モバイルエッジコンピューティングを活用したソリューションとして東芝クライアントソリューションが想定しているのは、「グラスソリューション」「センシングコントロールソリューション」「オフィス/ミーティングソリューション」など。

 グラスソリューションでは、スマートグラスを用いた遠隔支援、ピッキング、在庫チェック、ナビゲーション、視聴覚サポート、自動翻訳、監視・警備などを可能にする。センシングコントロールソリューションでは、工場におけるM2Mゲートウェイやログの記録・分析、自動運転などを実現。オフィス/ミーティングソリューションでは、在宅介護、遠隔診療、スマート会議、さらにモバイルサーバー用途や小型POS、既存PCの置き換え用途なども想定している。

 東芝クライアントソリューションは、これらを実現するデバイスとして、モバイルエッジコンピューティングデバイス「dynaEdge DE100」、インテリジェントビューアー「AR100」、遠隔支援アプリケーション「Vision DE Suite」の提供を開始している。DE100は、東芝クライアントソリューションが培ってきた高密度実装技術を駆使してさまざまな環境でエッジコンピューティングを可能にする小型・耐環境性能を備えたデバイスとなる。エッジにおけるAI・認識処理を可能にするインテル Skylake-Y系CPUと128GB/256GB SSDを採用し、OSにはWindows 10 ProもしくはWindows 10 IoT Enterpriseを搭載するなど、「既存の基幹システムとの連携が行いやすいのが魅力です」と東芝クライアントソリューション 国内事業統括部 国内マーケティング本部 国内マーケティング部 マーケティング戦略推進担当 グループ長の藤間 健氏は話す。

 DE100はMicrosoft AI プラットフォームの一部であるAIサービスでのエッジデバイスとしての検証も行っていて、AIを利用した次世代アプリケーションを実現するプラットフォームとしても利用可能だ。Microsoft Azure Certified for IoT プログラムの認定も受けていて、さまざまなIoTニーズに応えられるという。

アプリと一緒にワンパッケージで提案

 インテリジェントビューアーのAR100は、メガネ型ウェアラブルデバイスだ。DE100と一緒に利用することでディスプレイ(640×360)部に画像や映像を表示させられるため、装着者はハンズフリーで画像や資料を閲覧できるようになる。例えばメンテナンス作業を行う際に使えば、ハンズフリーで手順書やマニュアルを参照できたりする。AR100には約500万画素のカメラも搭載されているので、装着者の視野を遠隔からリアルタイムで確認することも可能だ。作業支援者によるリアルタイムの指示などが実現するのだ。

「DE100やAR100は、本格的な業務に求められるパフォーマンスを発揮でき、さらにストレスなく長時間利用できる携帯性や操作性を備えています。メガネ型ウェアラブルデバイスはAndroidベースの製品が多い中で、AR100はWindowsベースなので、導入のしやすさもポイントですね」(荻野氏)

 DE100やAR100の提案を加速させるのが、遠隔支援アプリケーションのVision DE Suiteだ。このアプリケーションを利用すれば、作業者と支援者を音声や映像でつないだ業務支援がすぐに実現させられる。「DE100とAR100、Vision DE Suiteをワンパッケージで提案できるので、販売パートナーさまにおいては非常に売りやすいソリューションとなるでしょう。Vision DE Suiteは通信インフラとしてSkype for Businessを採用しており、セキュリティ面も安心です」(守屋氏)

 モバイルエッジコンピューティングデバイスであるDE100は、このような使い方に加えてサイネージ用途として利用したり、インテル Unite ソリューションや東芝のTruNoteシリーズを利用した会議システム用途としても活用が可能だ。「DE100は小型で堅牢性の高い小さなPCと考えていただければ提案のハードルは低くなるでしょう。エッジコンピューティングや働き方改革など至る所にニーズは存在しています。販売パートナーさまとともにビジネスチャンスを獲得していきたいですね」(藤間氏)

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