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VR体感ルームで竣工前にマンションを内見(近鉄不動産)

VR体感ルームで竣工前にマンションを内見(近鉄不動産)

2018年02月15日更新

平面的説明から立体へ、体感できるマンション探し

VR/HTC VIVE/近鉄不動産

近鉄不動産ではVR空間を歩き回れる「VR体感ルーム」を導入し、マンション購入検討者の満足度を高める取り組みを実施している。

近鉄不動産 名古屋事業本部
名古屋事業部 岡田基司氏(左)、同事業部 部長 樋口 豊氏(右)

竣工前にマンションの共用部分をVRで確認

 近鉄不動産は、大阪府大阪市に本社を持つ同号不動産会社で、あべのハルカスに代表されるオフィスビルや商業施設の運営、分譲マンション事業などを、関西・首都圏・東海の三大都市圏で行っている。そんな近鉄不動産がマンションのモデルルームに2017年9月から導入したのがVR HMD「HTC VIVE」を利用した「VR体感ルーム」だ。具体的にどのように使っているのか、同社の名古屋事業本部 名古屋事業部 部長 樋口 豊氏は次のように語る。

「VR体感ルームでは、名古屋市昭和区滝川町にて分譲を予定している『ローレルコート滝川町ヒルズ』(以下、ローレルコート)の室内の様子やバルコニーからの眺望、エントランスホールなどを体感できます。VR体感ルームが設置されているいりなかローレルギャラリー内では、ローレルコートのモデルルームが用意されていますが、マンションの共用部分や周辺環境などは、パンフレットやパネルなど平面的な説明ツールで確認するしかなく、わかりにくいという欠点がありました。VR体感ルームを使用することで、従来は平面的であった説明が立体的になり、実際にエントランスからロビー、廊下などを実物と遜色のないデータで目にすることで、よりわかりやすいマンション販売が行えるのではないかと考えて導入を決めました」

 マンションは完成する前から販売する手法がスタンダードで、購入検討者はモデルルームを参考にしながら購入を検討しなければならなかった。しかし、VR体感ルームを利用すれば、竣工する前からマンションの内部を確認できるようになる。VR体感ルームで使用しているコンテンツは、部屋の床や壁の色を変えられるようになっており、購入者の希望に合わせて壁の色やキッチンの高さなどの設計変更に対応できるようになっている。

 VR体感ルームで特にこだわっているのは、実際に仮想的なマンションの内部を歩き回れるようにしている点。約5m四方のスペースの中であれば、廊下を歩いたり、ロビーから外の風景を眺めたりして、気になる部分を確認できるようになっている。テラスから外に視点を向けた際の眺望についても、実際にクレーン車でマンション4階の高さまでカメラを持ち上げて撮影をしたという徹底ぶりで、実際に入居してからのライフシーンをよりリアルに想像できるようにこだわった。

いずれは空間が限定されないVR内見を

 デメリットとして挙げられたのは、HTC VIVEとセンサーが干渉をしてしまうため、VRで体感できるのは一人に限られてしまう点。そこで同社は家族も一緒に住戸内を見られるように、HTC VIVEで見ている映像を、モニターとプロジェクターで出力できるようにしている。「本当は同じHMDをかけてもらって、同じ空間を歩けるようにしたかったのですが、技術的にどうしても難しいとのことでした」と同社の名古屋事業本部 名古屋事業部 岡田基司氏は残念そうに語る。

「まだ技術的には難しいですが、いずれはHMDのワイヤーがなくなって、歩き回るスペースも限定されないようになるといいと思います。特別な空間を用意することなくマンションの内部を体験してもらえますから。こういった技術がさらに普及してくれることで、販売センターの室内ももっと変わったものになるのではないかと感じています。この物件で今回のVR技術を使用することがゴールではなくてチャレンジですので、今回の検証をへて今後に活かしていきたいと考えています」と樋口氏は展望を語ってくれた。

床や壁、扉の色などをそれぞれ変えて見せることが可能だ。バルコニーからの眺望は4階の高さにカメラを上げて撮影。空はCGだが昼間と夜の風景を切り替えて体感できる。

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