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スマートスピーカーとチャットボットを連携したコミュニケーションシステム(凸版印刷・TIS)

スマートスピーカーとチャットボットを連携したコミュニケーションシステム(凸版印刷・TIS)

2018年02月20日更新

窓口対応や外国人観光客対応に最適

スマートスピーカー/AISonar/凸版印刷・TIS

国産のスマートスピーカーの業務利用の実用化に向けて実証実験が計画されている。スマートスピーカーにチャットボットを連携させて業務コミュニケーションを支援する。

左からTIS AIサービス事業部 AIサービス企画開発部主任補 越川智仁氏、同開発部主査 福島 歩氏、凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 ICTソリューションセンター ICT戦略部 事業ICT企画チーム 和田絵里子氏、同企画チーム 課長 名塚一郎氏。

チャットボットの連携がユニーク

 TISとエーアイが共同開発するスマートスピーカー「AISonar」を用いた音声による業務コミュニケーションソリューションは、Web、SNSなどで使われるチャットボットの仕組みを音声対話へ適用している点がユニークだ。チャットボットと連携することで音声での顧客対応や問い合わせ対応を容易に自動化できるからだ。

 チャットボットにはTISが開発した「DialogPlay」を用いており、意図解釈技術(AI)と対話制御機能を利用する。DialogPlayとは業務に特化したチャットボットアプリが利用できるクラウドサービス(SaaS)だ。ユーザーの業務に必要な顧客対応などの会話のシナリオをあらかじめ登録し、Webサイトなどにチャットボットを公開して利用する仕組みだ。

 DialogPlayにはオペレーターに引き継ぐという機能も搭載されており、テキストを介した有人での音声対話を行うことも可能である。また顧客の発言例を登録するとボットが学習してシナリオと紐づけし、適切なシナリオを判断して顧客に提示する機能もある。

 DialogPlayはテキストでのコミュニケーションだが、これにAISonarを組み合わせることで音声による業務コミュニケーションが可能になる。AISonarのハードウェアには東京大学発のベンチャー企業であるフェアリーデバイセズが開発した「Fairy I/Oシリーズ」の「Tumbler」を用いており、同社の聴覚クラウドプラットフォーム「mimi」と連携して音声認識技術と翻訳機能を利用する。

 そしてエーアイの「AITalk」を利用したクラウド型音声合成「AICloud」と連携して、日本語音声合成を行う仕組みだ。

業務用途に適した仕様が必要

 AISonarに適した業務や用途についてTISの福島 歩氏は「PCやスマートフォンを使わず音声で直接コミュニケーションができるため、窓口業務に広く活用できると考えています。特に窓口対応の効率化が課題となっている銀行、駅舎、ホテル、自治体での活用が有望だと期待しています」と話す。

 さらに「AISonarは多言語対応できますので外国人観光客への観光案内対応にも利用できます。このほか会議での議事録作成などアイデア次第で幅広い業務で活用できます」(福島氏)と続ける。

 TISの越川氏は「家庭向けのスマートスピーカーだけではなく、今後業務利用に向けても利用シーンは拡大していくと思います」と利点を説明する。

 ただし業務利用に適した製品が必要だという。凸版印刷の名塚氏は「家庭用のクラウドベースの製品はカスタマイズがしづらく、業務システムに組み込みにくいことと、セキュリティに関して課題があります」と指摘する。

 AISonarのスピーカーにはLinuxが搭載されておりWi-Fiを介して外部接続して開発やカスタマイズが行えるほか、拡張ハードウェアの開発や外部システムとの連携も可能だ。

 また本体には16チャネルのマイクが搭載され全方位対応するほか、3D音源定位による発話者認識機能や発話区間検出機能など業務用途に適した機能が搭載・提供されている。

 凸版印刷の和田氏は「業務のすべてをスマートスピーカーに置き換えるのではなく、業務のどこまでをスマートスピーカーで対応できるのかを見極めるのも実証実験の狙いです」と話す。

 AISonarは2018年春の本格製品化および具体的なソリューション開発に向けて現在、効果のある業務や使い方が検討されている最中だ。また凸版印刷とTISによる実証実験は今年4月開始を目標としている。

スマートスピーカー「AISonar」

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