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MRの3Dホログラフィックで内部構造までを見える化(小柳建設)

MRの3Dホログラフィックで内部構造までを見える化(小柳建設)

2018年02月19日更新

建設生産の全プロセスを可視化

MR/HoloLens/小柳建設

建設業界では需要が高まる一方で、政府が推進する「i-Construction」への対応や技能労働者不足などの課題に直面しており、その解決にMR(複合現実)技術が期待されている。

小柳建設 代表取締役社長
小柳卓蔵氏はHolostructionで建設業における課題を解決すると意気込む。

内部構造まで見える3Dホログラフィック

 小柳建設とマイクロソフトが開発している「Holostruction」は、HoloLensでMR(複合現実)技術を活用するための建設業向けアプリケーションだ。Holostructionで提供される機能は大きく三つある。

 まず調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新まで、建設生産における全てのプロセスを3Dホログラフィックで可視化する「タイムスライダー機能」が利用できる。タイムスライダー機能では工程表の時間軸を動かすと、工事の推移が3Dホログラフィックで確認できる。

 例えば橋梁の場合、橋脚のコンクリート部分を通り抜けるように歩くと、内部の鉄筋構造を見ることができる。また体を動かして視界を移動すると橋梁を下から見たり、断面を見たりできる。その際に必要な情報をゼスチャーによる直感的な操作で即座に検索、確認できる。

 そして3Dホログラフィックを表示しながら協議や検査などに必要なデータや文書を空間上に表示する「ドキュメント機能」も利用できる。ドキュメント機能では三次元モデルや工程表と紐づいたデータを空間上に展開できる。さらに「コミュニケーション機能」によって遠隔地にいる人を含めてHoloLensを装着した複数の人たちと、3Dホログラフィックやドキュメントを共有しながら音声と視界を通じて協議や確認などのコミュニケーションが行える。

 これら三つの機能によって建設業における課題である「透明性」と「安全性」、そして「生産性」の向上を実現するのがHolostructionに期待できる効果だ。

建設業を魅力ある仕事にしたい

 Holostructionの役割について小柳建設 代表取締役社長 小柳卓蔵氏は次のように説明する。「タイムスライダー機能を使えば施工前の計画段階でも、お客様(施主)や地域住民の方などに3Dホログラフィックによる具体的なイメージを示して説明することで理解が得やすくなります。また2Dの図面から得るイメージでは技術者間で認識に差が生じる恐れもありますが、3Dホログラフィックならば工事に携わる技術者全員で同じイメージが共有でき、間違いのない施工が行えます。さらに実物と図面を重ね合わせることもできるので、図面通りに施工されているかを正確に確認できます」

 Holostructionを活用することで建設生産のプロセスの全てを透明化でき、正確な施工による品質と信頼性の向上が実現できる。それは無駄な工事を減らすことにもつながり、生産性の向上にもつながる。また工事全性を事前に確認することもでき、実際の作業の安全性向上と生産性向上も図れる。

 生産性向上に関してはコミュニケーション機能も有効だ。例えば現場で難工事が発生した場合、遠隔地にいる専門家と現場の映像をリアルタイムに共有しながらアドバイスを得ることができる。また日本から新興国の技術者に建設技術を指導することも可能だ。小柳氏は「Holostructionを普及させることで、建設業を若い人たちにやりたいと思ってもらえる魅力的な仕事にしたい」と意気込みを語った。

HoloLensと建設業向けHoloLensアプリ「Holostruction」を使用している様子。体を動かして視界を移動すると橋梁を下から見たり、断面を見たりできる。また遠隔地の人を含めて複数の人たちと視界と音声でコミュニケーションできる。

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