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Microsoft 365の提案でWindows 7リプレースを促そう

Microsoft 365の提案でWindows 7リプレースを促そう

2018年02月06日更新

もう待てないWindows 7リプレース

Windows 7の延長サポートの終了まで2年を切った。最新OSであるWindows 10へのリプレースに際してのアセスメント、体制構築、機器選定、導入、運用までを考慮に入れると、待ったなしの状況に近づいてきている。本特集では、Windows 7からWindows 10へのスムーズな移行と付加価値提案を実現させるサービスやハードのビジネスチャンスを追った。

Windows 7のサポート終了まであと2年

 2009年の秋から提供が開始されたWindows 7の延長サポートが2020年1月14日に終了する。サポート終了によって、仕様変更や新機能のリクエスト、無償サポートに加えて、セキュリティの更新プログラムや有償サポートといった、マイクロソフトから提供されるすべてのサポートが受けられなくなる。

 近年、脅威が増しているコンピューターウイルスなどの悪質なプログラムは、OSの不具合やセキュリティ上の問題点を利用する。そのため、セキュリティ更新プログラムを適用できなくなったPCは、マルウェアへの感染やフィッシング詐欺の被害、個人情報漏洩といった高いリスク下にさらされることになる。よって、サポート期限に余裕のある最新OSへの迅速な移行が求められている。

 延長サポート終了までの2年という期間は一見長いようにも思えるが、最新OSであるWindows 10への移行に必要とされる作業期間(アセスメント、動作検証、ハードの選定、導入、展開など)を考慮すると「あと2年しかない」と考えるべきだろう。

 企業ユーザーにおける現在のWindows 7の利用とWindows 10への移行状況について、日本マイクロソフト Windows&デバイス ビジネス本部 Windowsグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの藤原正三氏は次のように説明する。「調査会社のデータでは、2018年の6月末までで法人市場におけるWindows 10の浸透率は46%、同年12月末までで60%に達するという予測があります。しかし、当社では2018年6月末までには、法人ユーザーにおけるWindows 10の利用が60%になるように販売パートナーの皆さまと取り組んでいるところです」

 2014年4月にサポートが終了したWindows XPのときには1年前の2013年頃から本格的にリプレースを検討した企業も多く、過密なスケジュールやリソース、ハード不足などもあり、多くの混乱を招いた。そうした反省からマイクロソフトでは、Windows 7のサポート終了まで2年を切った現在のタイミングでWindows 10への迅速なリプレース喚起のための施策強化を始めているのだ。

 移行促進の最も基本的な取り組みとして、Windows 7の延長サポート終了の認知度向上がある。「楽天リサーチの調査によると、2017年12月の時点でWindows 7の延長サポート終了を知っている中堅・中小企業の割合は49%でした。サポート終了を知っている企業においてもその時点で検証や実際の移行作業を進めている企業は39%という結果が出ていました。そのため、今年6月までにWindows 7のサポート終了の認知度を100%にするための情報発信体制を強化していきます」(藤原氏)

 専任のIT管理者が不足している中堅・中小企業では、Windows 10へのリプレースにおいて、サプライヤー側からのサポートが必要となるケースも多く、予算組みの観点からも早期の着手が求められる。

 一方、自治体の状況については、2017年9月に時事通信社が公表した地方行財政調査会の調査結果によると、「約8割の自治体はすでにWindows 10へのリプレースの着手もしくは計画を立てている状況のようです。ただし、約2割の自治体はまだ計画も立てていない状況のようなので、しっかりとサポートしていかなければなりません」と藤原氏は語る。

“Windows as a Service”に対応する

 Windows 10は従来のWindowsで提供されていたサービスパックという形態と異なり、定期的(年2回)に大型アップデートが配信されるモデル(Windows as a Service)となる。そのため、大型アップデートが配信された際にクライアントPCにスムーズに展開できる体制の構築も必要だ。

 アップデートプログラムの展開においてマイクロソフトでは、「サービスチャネル」という概念を導入している。サービスチャネルには「Semi-Annual Channel」「Long Term Servicing Channel」があり、各サービスチャネルの選択によって、企業はクライアントPCの更新タイミングをコントロールできる。これらの名称は、従来Current Branch、Current Branch for Business、Long-Term Servicing Branchと呼ばれていたもので、Windows 10とOffice 365 ProPlusのアップデートのタイミングを合わせることに伴って名称も統一された。

 Semi-Annual Channelは、年に2回のWindows 10の機能更新プログラムがリリースされた際、機能更新プログラムを延期するように構成されていないPCでは直ちにインストールが可能だ。一方、Windowsの更新プログラムを管理するWindows Server Update Services(WSUS)、Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)、Windows Update for Businessなどを使っている企業は、選択したデバイスへの機能更新プログラムの適用タイミングをコントロールできる。

 Long Term Servicing Channelは、医療装置やATM機器などを制御する特殊デバイスでの使用が想定されていて、機能更新プログラムは提供されず、2〜3年ごとに品質更新プログラムが提供される。なお、Long Term Servicing Channel でのMicrosoft Officeの利用に関しては推奨されていないので、通常はSemi-Annual Channel しか選択肢がないと言える。

 これらのサービスチャネルとWindows Insider Programを利用したクライアントPCへの展開モデルとして、マイクロソフトでは次のようなプロセスを提案している。

計画と準備:Windows Insider Programを利用して、Windows 10の新機能開発の動向をフォローする(新機能の導入に備える)とともに、互換性評価を行って問題点や懸念点があればフィードバックを提出。

範囲を限定した導入:Semi-Annual Channelの機能更新プログラムがリリースされたら、直ちに一部のマシン(一般的には全体の10%程度が目安)を対象とした限定的なパイロット導入を開始して、アプリケーション、デバイス、インフラストラクチャの互換性を評価。

全面的な導入:パイロット導入の結果が良好なら、社内への全面的な導入を開始。全面的な導入に着手するまでに要する時間は企業での検証期間や判断によっても異なるが、OSとしての目安は、サービスチャネルの名称変更前のCurrent Branch for Business と同じく、リリースから約4カ月後となる。

 マイクロソフトのブログでは、「このサイクルは6カ月ごとに繰り返され、Semi-Annual Channelのリリース後、次のWindows Insider Previewビルドが最初に発表されたタイミングで、新たな評価サイクルが始まる。継続的な取り組みが必要」と言及している。

 Windows as a Serviceとして、年2回の大型アップデートが提供されるWindows 10へのリプレース時には、このような運用を想定した体制構築も必要になる。

OS、Officeアプリ、セキュリティを統合

 Windows 10への移行提案時に、合わせて導入を促したいのが「Microsoft 365」である。これは昨年の8月からマイクロソフトが提供を開始した統合ソリューションだ。Windows 10とOffice 365、そしてEnterprise Mobility+Securityが一つになっている。「従来まで個別に行っていたライセンスやサービスの管理を一元化できるパッケージです」と藤原氏は説明する。

 Microsoft 365には四つのエディションが存在する。それが、大企業向けの「Enterprise」(2017年8月1日から提供)、中堅・中小企業向けの「Business」(2017年11月1日から提供)、最前線で働く人々向けの「Firstline worker」(2017年10月1日から提供)、教育機関向けの「Education」(2017年10月1日から提供)だ。もちろんエディションによって利用できる機能が異なる。「例えば、Firstline workerは、店頭などの現場で働く方々をターゲットにしていて、Officeアプリはオンラインバージョンだけしか利用できませんが、その分、価格を抑えたエディションとなっています。必ずしもフルスペックを必要としない仕事環境に適しています」(藤原氏)

 中堅・中小企業向けのMicrosoft 365 Businessは、セキュリティ強化やIT管理の簡素化に適したエディションだ。下の表は、Microsoft 365 BusinessとOffice 365 Business Premiumの機能比較だが、顕著に異なるのは、デバイスの管理とセキュリティ面だ。Microsoft 365 Businessでは、Windows AutoPilot機能の活用で、クライアントPCへのWindowsインストールの完全自動化が実現する。同時にOfficeアプリのWindows 10 PCへの自動展開も可能だ。Windows AutoPilot機能を使って販売パートナーが事前にポリシー設定すれば、エンドユーザーは導入したPCにログインするだけでWindowsとOfficeの展開が完了してすぐに業務を開始できるようになるのだ。また、Microsoft 365 Businessでは、管理ポータルから簡単に情報漏洩対策やデバイスの保護といったセキュリティの設定が可能になっている。

「中堅・中小企業向けのMicrosoft 365 Businessは、Microsoft Intuneベースの機能によって、専任の管理者が不在の企業においても、クライアントPCの管理を容易に行えるようにするソリューションです。iOSやAndroid端末の管理も可能なMDM機能も利用できます。Microsoft 365 Businessの契約特典として、Windows 7 ProfessionalやWindows 8.1 Proが搭載されたPCは、Windows 10 Proへアップグレードできるというのも訴求ポイントの一つになります」

 もちろん、Office 365の機能としてさまざまなコラボレーションを実現させる「Microsoft Teams」や、手軽にWeb会議が行える「Skype for Business」なども利用できるため、働き方の改革といった視点でも、Office 365をまだ導入していない企業に対しては訴求力が高い。いつでもどこでも働ける環境構築においては、Microsoft 365 Business、Windows 10で提供されるMDMや多要素認証などのセキュリティ機能も重宝されるだろう。

「Microsoft 365 Businessは、大企業向けのMicrosoft 365 Enterpriseと比べ中堅・中小企業に必要なコア機能が凝縮されており、年間契約であるMicrosoft 365 Enterpriseに対して月額課金でコストを平準化できる利点があります」と課金体系でのMicrosoft 365 Businessの長所について藤原氏は解説する。ちなみにMicrosoft 365 Businessは300ユーザーまでが対象となる。

さまざまな状況をダッシュボードで一元的に可視化

 大企業向けのMicrosoft 365 EnterpriseにはE3とE5が存在し、Microsoft 365 Enterprise E3にはWindows 10 Enterprise E3、Office 365 Enterprise E3、EMS(Enterprise Mobility+Security) E3が含まれる。一方、Microsoft 365 Enterprise E5には、Windows 10 Enterprise E5、Office 365 Enterprise E5、EMS(Enterprise Mobility+Security) E5が含まれる。もちろんE5ではE3の機能もすべて利用できる。具体的な機能は右頁の表を参照して欲しい。

 シンプルに言えば、Microsoft 365 Enterprise E5という最上位エディションを導入すれば、「ID&アクセス管理」「脅威対策」「情報保護」「セキュリティ管理」「資産管理」という統合セキュリティ環境が一つのソリューションで構築できるようになる。例えば、「Windows Defender」のマルウェア対策に加えて、未知のマルウェア対策として現在導入が加速しているEDR機能として、「Windows Defender Advanced Threat Protection」が利用可能だ。また、G SuiteやSalesforce、SansanなどのSaaSアプリの使用状況の監視を可能にする「Cloud App Security」なども用意されている。「社内でどんなSaaSが使用されているかをレポートし、シャドーITの可視化も実現します」と、日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 クラウド&サーバービジネス開発部 部長の藤本浩司氏は説明する。

 こうしたMicrosoft 365 Enterprise E5のフル機能を利用する前に、今までは、Microsoft 365 Enterprise E3から導入する企業が多かったが、Windows 10への切り替えが進むにつれ、Windows Defender Advanced Threat Protectionを導入するために、最初からE5を選択する企業が増えてきているという。

 いずれにしても、Microsoft 365 Enterpriseの導入によって、サイバーセキュリティ対策で最も重要なポイントである、「アプリケーションの利用傾向からID管理、データ保護、セキュリティ脅威の検知や対処まで、さまざまな状況をダッシュボードで一元的に可視化できるようになります。それによって現状を把握し必要な対策をすぐに実施可能になる点が、選ばれているポイントです」と藤本氏はアピールする。

 このように、端末の管理やセキュリティ対策までを網羅的にカバーするMicrosoft 365は、Windows 10へのリプレース提案において、大きなビジネスチャンスを生みそうだ。

「2018年6月末までには、法人ユーザーにおけるWindows 10の利用が60%になるように取り組んでいます」
(左)日本マイクロソフト 藤原正三 氏


「アプリケーションの利用傾向からID管理、データ保護、セキュリティ脅威の検知や対処まで、さまざまな状況をダッシュボードで一元的に可視化できます」
(右)日本マイクロソフト 藤本浩司 氏

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