ホーム > PC-Webzineアーカイブ > クラウド提案の訴求力を高める"体験"の力

クラウド提案の訴求力を高める

クラウド提案の訴求力を高める"体験"の力

2018年01月24日更新

実際に“体験してもらう”プレゼンがクラウドの訴求力を大きく高める

「クラウドサービスの提案が重要とわかってはいるけれど、ずっとハードウェアの販売をしていたからどう提案をすればいいのか……」そんな不安を抱えている販売店は数多いだろう。コニカミノルタビジネスサポート愛知は、主力としていた複合機ビジネスから、クラウドサービスを含めた包括的なビジネスサポートへ、ビジネスを拡大した販売店だ。ハードウェア提案からどのようにクラウドサービスを提案するに至ったのか、同社に聞いた。

Lesson 1 実際にクラウドサービスを自社で導入

 コニカミノルタビジネスサポート愛知は、1980年の設立以来コニカミノルタのグループ会社として複合機の販売と保守サービスを中心にビジネスを進めてきた企業だ。近年では光回線サービスやセキュリティ製品、クラウドサービスなど、複合機を含めたオフィスに必要なビジネスサポートを「bs-eye」というブランド名で提供している。

 複合機ビジネスからトータルでのビジネスサポートを手がけるようになった背景について、同社の取締役営業本部長 竹市佳充氏は次のように語る。

「私は約7年前にコニカミノルタから異動してきたのですが、当時は複合機ビジネスが中心で、そのほかのビジネスはほとんど行っていませんでした。しかし将来的に、ネットワークやサーバーなど、オフィスのインフラ周り環境を提案していく必要があると感じており、そうした新しいビジネスへの取っかかりとして、当時日本マイクロソフトが提供していたクラウドサービス『Microsoft Business Productivity Online Suite』(BPOS)を自社で導入し、実際に使い始めてみたのがきっかけです」

 同社ではBPOSでExchange OnlineやSharePoint Onlineを活用し、メールサーバーやグループウェアの構築などを実施し、クラウドを活用した業務の効率化にいち早く取り組んだ。サーバーを購入して実際にグループウェアを構築する場合、コスト負担が大きくなりがちだ。従業員が40名程度の規模だったこともあり、BPOSでまず試してみるというやり方が最適だろうと考えたのだ。BPOSはOffice 365に名称を変え、現在も同社の中で利用されているだけではなく、bs-eyeのサービスの一つとして多くのユーザーを獲得している。

Lesson 2 “百聞は一見にしかず”のプレゼンが提案に有効

 BPOS(現Office 365)導入当時は、従業員が所持するモバイル端末がフィーチャーフォンであり、契約上メールの受信ができないようになっていたなど、ハードウェア面での課題もあった。そのため端末をスマートフォンにリプレースし、社外でもメールを受信できるようにしたことで、自由度が広がった。「スマートフォンでクラウドサービスが使えるようになると、営業職が顧客先で実際に利用して見せて『こんなことができますよ』と説明できるようになったため、加速度的に販売実績が増えていきました」と竹市氏。

 同社では定期的に展示会を実施し、取引先を招いて自社の取り扱い製品の紹介や商談を実施している。その展示会でもOffice 365を紹介することで、同社がクラウドサービスを取り扱っているという認知度が上がり、Skype for Businessを利用したいという案件や、SurfaceとOffice 365をセットで導入する案件なども増えてきているという。

「実はクラウドサービスを取り扱い始めた最初の展示会の直前に、運悪くインフルエンザにかかってしまったことがあります。しかし展示会当日はすでに解熱していたこともあり当時のLync(現Skype for Business)で展示会会場のタブレットと自宅の業務用PCを接続し、自宅から来場者の方々にクラウドサービスの紹介をしたり、挨拶をしたりしました」と竹市氏は笑いながら当時を振り返る。遠隔からクラウドサービスのプレゼンを行った竹市氏の実演によって、その場で受注に結びついた例もあったという。

Lesson 3 CSPプログラムによって組み合わせ提案がしやすく

 同社のOffice 365ビジネスを担当しているソリューションセールセンター ソリューションサポートグループ リーダー 塩谷剛史氏は「Skype for Businessは当社でもよく使用しています」と話す。例えばSkype for Businessを利用して、別の従業員が商談をしている顧客先にもう1人の従業員が遠隔で参加したり、営業のロールプレイング風景をSkype for Businessでレコーディングして評価する研修を実施したりしているという。「取締役会もほとんどSkype for Businessで対応しています」と竹市氏。

 また、Office 365がCSPプログラムで提供できるようになったことで、提案もしやすくなったと塩谷氏は話す。「Microsoft Online Subscription Program(MOSP)のときはカード払いでしか契約ができませんでしたが、CSPであれば請求書払いで契約できます。カード払いはどうしても日本の商習慣に根付かず、そこが導入のネックになっていました。CSPプログラムによって請求書払いができるようになったことで、組み合わせ提案もしやすくなりました」と塩谷氏は語る。

 例えば前述したようなSurfaceに加えて、モニターやセキュリティソフトなど、周辺機器やソフトウェアとの組み合わせ提案の訴求力が高いと話す。ダイワボウ情報システム(DIS)がライセンス契約管理システム「iKAZUCHI(雷)」をスタートしたことも、こうした組み合わせ提案のしやすさを後押ししている。

Lesson 4 既存の信頼を生かす提案を

「ユーザー企業の中には、クラウドサービスの違いがわからない、どれを選んでいいのかわからない、本当に信頼できるサービスなのか、といった不安を持つ方もいます。しかし多くの企業が持っているPCのOSはWindowsであり、その中にインストールされているOfficeソフトはほとんどの場合がMicrosoft Officeです。それらを提供しているマイクロソフトのクラウドサービスがOffice 365ですから、これを信じなければどれを信じればいいのか、という話になってしまいます。これはかなりの必勝フレーズなんですよ」と竹市氏は商談成功の秘訣を教えてくれた。

 最近では保守やサポートプランを望む声も多くなってきており、そうしたクラウドサービスに付加価値をつけるトータル提案にも力を入れていきたい考えだ。

「当社はメーカーではなく販売店なので、従業員自身が製品の付加価値になる必要があります。例えば展示会ではスマートスピーカーをいち早く展示してみるなど、新しいデバイスやサービスへのアンテナは常に立てておくことで、『あの人・あの会社に聞いてみよう』と思ってもらえるようにすることが大切だと感じています。販売店はIT機器やサービスに対して、ユーザー企業へ手本を示し、その良さを伝えることが、ビジネス拡大のカギになっていくのだと思います」と竹市氏は締めくくった。

本日の講師

(左)コニカミノルタビジネスサポート愛知 取締役営業本部長 竹市佳充 氏
(右)コニカミノルタビジネスサポート愛知 ソリューションセールスセンター ソリューションサポートグループ リーダー 塩谷剛史 氏

キーワードから記事を探す