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中小企業がERPに抱く不満を解消することが重要に

中小企業がERPに抱く不満を解消することが重要に

2017年11月02日更新

ユーザー企業の不満の察知が重要

Enterprise システム

ノークリサーチは「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」を発表した。

同レポートによると、ITアプリケーション市場では、2016年終盤から2017年にかけてベンダーの新たな施策が相次いだ。SAPジャパンの中堅・中小市場への取り組みの強化や、富士通の「GLOVIA iZ」、OSKの「SMILE V」、NECの「EXPLANNER/Z」など、各ベンダーがそれぞれ製品ラインアップを強化した。現在の中堅・中小市場のベンダー別シェアは、SAPジャパンが優勢で、それに富士通、OBCが続いている。しかし、前述したようなベンダーの取り組み強化が今後は実績に表れてくると予想されており、2017年の終盤から2018年にかけてシェアが変動する可能性も指摘している。

中堅企業向けに提供されているERPの製品やサービスは、中小企業でも導入されるケースがある。ERPを使用している中堅企業が、中小企業の親会社や取引先などになっているためであり、そうした親会社や取引先と同一のシステムを使用するために不満を抱えつつも使用を継続している場合もある。

各年商帯別にERPに対する不満点を見てみると年商5億円未満では「機能」に関する不満が高い。年商20億円以上〜50億円未満、年商100億円以上〜300億円未満では「価格」に関する不満が高くなっている。年商5億円以上〜10億円未満では、「開発元の保守/サポート」に関する不満が高い結果となった。ベンダー企業は、不満があるが利用を継続している状態を早期に察知し、他の製品/サービスへの流失を防ぐ取り組みを進めることが重要となる。

大きな変革期に突入するITサービス市場

IT Services

IDC Japanは「国内ITサービス市場」を発表した。本調査によると、2016年〜2021年の国内ITサービス市場年間平均成長率は1.1%と低率ながら成長を継続していくことが予測された。2021年には市場規模は、5兆7,764億円となる見通しだ。

2009年から2011年までの同市場は、世界的な金融危機や景気後退、さらには東日本大震災といった影響を受けて3年連続のマイナス成長が続いた。しかし2012年からは、4年連続でプラス成長を実現している。プラス成長に転じた要因としては、企業の業績回復や、既存のシステムの更新/拡張の需要がある。業種別では、金融機関におけるシステム統合/更新の需要や、官公庁及び地方自治体での支出拡大や、小売業の店舗システムの改変などの大規模なプロジェクトが挙げられる。

2016年は、これらの大規模なプロジェクトにも落ち着きがみられ、同市場の成長は鈍化した。2017年以降の国内ITサービス市場ではクラウドなどといった第3のプラットフォーム関連するものや、IoT、コグニティブ、AIなどのデジタルトランスフォーメーションといった生活の質をITにより向上させるようなシステムが注目を集めている。しかし、予測期間の前半においては、従来のクライアントやサーバーといった第2のプラットフォーム向けのITサービスが同市場を支えている。

第2のプラットフォーム向けのITサービス支出の縮小傾向が強まり、クラウドなどのITサービスの代替製品/サービスの影響力は拡大を見せることで、市場は変革期を迎えるだろうと同社は指摘している。

クラウド会計ソフトで業務の効率化を図る

Accounting Software

MM総研は「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査」を取りまとめた。調査によると、従業員300人以下の中小企業等における会計業務は、インストール型を含む会計ソフトの導入が54.1%と約半数を占め、最も多い。会計ソフト利用者の割合では、インストール型のパッケージ導入での割合が85.5%と過半数を占め、クラウド型サービスでの利用は14.5%となっている。

クラウド会計ソフトの導入目的としては、「経理・会計業務にかかる人件費の削減」30.8%、「ソフトウェアにかかる費用の削減」28.5%、「クラウド上で情報を集約管理するため」23.1%などの目的が上位を占めた。昨年から引き続き、コストの削減や情報の集約が重視されている。昨年に比べ、「セキュリティの向上」が6.2ポイント上昇し、セキュリティ向上のためにクラウドサービスが導入されている。

中小企業における会計ソフトの導入シェアは「クラウド会計ソフト freee」が32.3%と最も高い割合となった。次いで「MFクラウド会計」で19.2%となっており、「弥生会計オンライン」が15.4%、「ネットde会計」が13.8%と続く。

会計ソフトの導入形態別にインターネットバンキングの利用状況を分析したところ、クラウド型ソフトを導入している場合は、法人口座の利用が7割以上となった。クレジットカードの利用状況も、クラウド型ソフトの利用者の方が事業用のクレジットカード利用が進んでいる。中小企業では経理業務を兼任する場合が多いのでクラウド型会計ソフトとインターネットバンキングなどの外部データとの連携を進め、業務の効率化や生産性に対する期待度が高い傾向が出てきている。

製造・保全分野でのAI導入は高い精度が要求される

Failure Prediction

矢野経済研究所は「故障予知ソリューション動向に関する調査(2017年)」を発表した。本調査では、故障予知ソリューションの現状とAIを活用することによる可能性について解説されている。
AIはこれまでWebマーケティングなど商業向けの分野で活用されることが多かったが、昨今では製造・保全分野においてAI活用の取り組みが進められている。しかし、商業向けと比較すると、データの取り扱い結果に対して高い精度が要求されていることから、開発状況は緩やかだ。

製造・保全分野においては特に故障予知に対するAI活用が注目されている。製造業では、一定期間ごとに定期的にメンテナンスを行うTBM(Time Based Maintenance)の考え方から、機器の状態に合わせた保全を行うCBM(Condition Based Maintenance)に移行しつつある。背景には、機器のデータが取得しやすくなったことが挙げられる。
これらの稼働データに対してAIを活用することで、故障予知を実現する取り組みが進められている。しかし、故障予知ソリューションにおいてAIは「精度の問題」や「因果関係の問題」「個別性の問題」を抱えているなど、現状では課題も多い。

本調査に関連して国内の年商100億円以上の製造業217社に対しIoTの利活用や故障予知/保全に関するアンケートを行った。故障予知システムを導入してもよいと思う的中角度は「10回のうち8回」が58社となり最も高い割合だ。次いで「10回のうち5回」が38社、「10回のうち7回が」25社という割合になっている。製造・保全の分野においては、データ解析に誤りがあった場合、事故などの甚大な被害を引き起こしかねないため、製造業ユーザーの求める的中確度は高いということがうかがえる。

今後の製造業は、現実世界にある実態とサイバー空間のデータを密接に連携させたCPS(サイバー・フィジカル・システム)の実現に向けて動き出している。まだまだ課題も多い故障予知ソリューションだが、CPSの世界観を実現していくためにも、物理現象モデル化やメカニズムの解明は必要とされており、故障予知ソリューションの研究を通じて解明されることも多くなる。そのため、中長期的にみると故障予知への取り組みは重要な取り組みになるだろう。

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