
最大20台のタブレットと連携した学びが可能「EB-536WT」
今回のテーマコストを抑えて教材を表示できる大型提示ツールがほしい
学校現場のICT化が各地で進められている。2020年の学習指導要領からはプログラミング教育必修化が盛り込まれるなど、多くの学校現場が今後ICT環境の整備を進めていく必要があるが、ネックとなるのがコストと使いやすさだ。そこで今回は、ICT環境整備の最初の1台として導入しやすい大型提示装置やツールを紹介する。
設置や導入のハードルが低い製品に需要
学校現場のICT化を進める中で、必要とされている環境整備は主に教育用のコンピューター(タブレット端末など)や無線LAN環境、学習用ソフトウェア、そして電子黒板や実物投影機などの大型提示装置だ。中でも大型提示装置はICT環境整備の最初の1台として導入されやすい傾向にある。従来は多機能な電子黒板が学校現場に提案される傾向にあったが、電子黒板はコストが高くなかなか導入に踏み切れなかったり、導入されても多機能すぎて使われなかったりするケースが多くあった。
そこで昨今、多くの学校現場で大型提示装置として採用されているのがプロジェクターだ。電子黒板とは異なり教卓上や黒板の上などに設置できるため場所をとらない点や、持ち運びやすい点、電子黒板と比較して導入コストが抑えられる点などが評価され、導入が進んでいる。特に持ち運びやすさについては、予算上限られた台数しか導入できない学校現場でも教室ごとの移動がしやすいため、導入のハードルを低くできる。
文部科学省による「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 最終まとめ」では「学級担任制及び教科担任制のいずれの場合であっても、大型提示装置(※編注:電子黒板やプロジェクターなどのこと)を、授業の都度教室に運ぶことは、その効果的な活用を妨げる可能性が高いため、普通教室(特別支援学級関係室等を含む)及び特別教室に常設しておくことが必要」と記述されているため、最初は一部の教室へ導入し、段階的に全教室への整備を進めることが理想だ。
PCレスでも教育に使いやすい点が重要に
学校現場に提案するプロジェクターのポイントとして、電子黒板機能を搭載したプロジェクターであることが望ましい。
具体的には付属のペンで投映画面に書き込みができたり、児童生徒のタブレット端末に示された回答を比較して提示できたりするような機能だ。しかしこれらの機能が使いにくくては、学校現場の教員はなかなか授業で使用しなくなってしまうため、PCレスで簡単に活用できる製品が望ましい。例えばAndroid OSを搭載し、プロジェクターだけでWeb教材の提示が可能な製品などだ。
また、児童生徒のタブレット端末の画面を選択して比較学習を行うような段階的な活用に対応できる製品であれば、教員がICTへ習熟したタイミングに合せてより充実した学びを実現できるようになる。
プロジェクターと組み合わせて活用する製品として、実物投影機も提案するとよい。特にスマートフォンアプリを利用して児童生徒のノートをプロジェクターで投映したり、教材を投映したりできる製品は、導入コストを抑えられるだけでなく、ICTの活用に不慣れな教員でも使いやすいため便利だ。従来の授業スタイルも生かしつつ、ICTを活用したスタイルと組み合わせた授業を実現できる製品が教員にとって理想的と言える。
今回は、エプソン、ガイアエデュケーション、サカワから、コストを抑えつつ教材を表示できる大型提示ツールを提案してもらった。
選定ポイント
・段階的にICT活用を進められる製品は?
・PCレスでもさまざまな学びをしたい!
・手軽な教材提示を実現するには
最大50台のタブレットと連携した学びが可能
EB-536WT
電子黒板機能を搭載した超短焦点デスクトップモデル インタラクティブプロジェクター「EB-536WT」を提案する。83cmからの距離でもワイド80インチの大画面で投映可能で、教卓上からの投映にも対応する。設置工事なく使用できることに加え、専用キャリングケースも付属しているため教室間の持ち運びも簡単に行える。一括導入のコストが確保できない学校現場であっても、段階的な設置が可能だ。
輝度3,400lmを実現しており、日中の教室でも映像をくっきりあざやかに投映できる。また、カラーが明るい3LCD方式を採用しているため高い色再現性を発揮する。
プロジェクターの電源を入れるだけで、書画カメラやBlu-rayディスクの映像といった投映画面上にPCレスで文字や図表を直接書き込める。投映画面上に書き込める電子ペンは標準で2本同梱されており、2人同時に書き込むことも可能だ。オプション製品である書画カメラ「ELPDC07」を使用すればUSBケーブル1本で接続して投映できるため、複雑な配線をせずに使用可能だ。
PCレスで使用できる本製品だが、PCを接続すればさらに多彩な活用が可能だ。例えば同梱の電子ペンで、Webページやデジタル教材の操作ができるようになる。
付属のソフトウェア「EasyMP Multi PC Projection」(Ver1.22 以上)を使用すれば、プロジェクターにネットワーク接続している最大50台のタブレットから投映画面を選択して1面〜4面分割で表示可能で、比較学習などにも活用できる。ICT教育スタートの1台としてだけでなく、すでにタブレットを活用した教育を実施している教育現場にもおすすめの製品だ。
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