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産業グレードの通信を提供するBluetooth mesh

産業グレードの通信を提供するBluetooth mesh

2017年10月02日更新

Bluetooth mesh技術が変えるIoT時代の産業用ネットワーク

Bluetooth Technology

Bluetooth規格の策定や技術利用に対する認証を行うBluetooth Special Interest Group(SIG)は今年の10月18日(米国時間)に、近距離無線通信規格のBluetooth技術がmeshネットワークをサポートすることを発表している。そのBluetooth meshの技術詳細についての説明会が9月8日都内で開催された。

Bluetooth meshは、多対多間でのデバイス通信を可能にし、大規模なデバイスネットワーク構築に最適化された通信規格だ。

ワイヤレスオーディオ市場を中心に対応デバイスを増加させてきたBluetoothだが、省電力規格である「Bluetooth Low Energy(LE)」が登場したことにより、スポーツやフィットネス用の活動量計などの機器や、周辺機器など一対一でデバイスと情報転送を行う用途での利用が拡大している。

ABIリサーチの調査によるとBluetoothコネクテッドデバイスは、2016年の4億9600億台から2022年には15億台に市場が拡大する見込みだ。また、ビーコンによる局所的な情報共有を実現していることで、一対多の通信にも対応しており、Bluetoothビーコン市場は2022年に7億5000台まで拡大すると予測している。

このように、Bluetoothは従来から一対一、一対多の通信に対応していたが、今回mesh接続機能を搭載したことで、前述したように多対多のデバイス通信が可能になった。mesh対応により、数百から数千デバイスによる安全かつ高信頼な相互通信を必要とするビルオートメーションやセンサーネットワークなどのIoTソリューションへ、今後Bluetooth mesh技術が採用されていくことが見込まれている。

産業グレードの通信を提供する

説明会にて登壇したBluetooth SIGのマーケティング バイス・プレジデントを務めるケン・コルドラップ氏は「来年からは住宅やオフィスのスマート化がかなり進んでいくことが予想されており、ABIリサーチの調査では2022年には11億台市場になると見込まれています。例えばセンサーを活用してすべてのデバイスから情報を取得することで、機器のトラブルを事前に検知してダウンタイムを減らしたり、病院の資産管理に利用したりといった用途への活用が期待されています。そして、これらのスマート化をサポートする技術として、Bluetooth meshは最適な規格と言えるのです」と語った。

メッシュネットワークは、通信機能を持った端末同士が相互に通信を行なうことで、網の目(メッシュ)状にネットワークが形成される。このメッシュ状のネットワークによって、端末の一つが故障したり、破損したりしていても、異なるルートから通信が行えるため、通信にトラブルが発生しても復旧がしやすいのが大きなメリットだ。コルドラップ氏は「Bluetooth meshは産業グレードのソリューションです。信頼性や拡張性、セキュリティ面において産業市場の大規模デバイスネットワークで利用するにふさわしい性能を備えています。例えば、Bluetooth SIGのメンバー企業ではすでに何千ノードものメッシュネットワークを構築したケースがあり、大きなネットワークを迅速に構築できることが分かっています」と語る。

Bluetooth meshネットワークは7月18日に仕様書が公開されており、テスト&認証ツールも提供されている。相互運用性テストも完了済みで、Bluetooth LE 4・0以上で利用可能だ。

Bluetooth SIG マーケティング バイス・プレジデント ケン・コルドラップ氏

オフィスや介護施設の導入事例も

説明会ではBluetooth meshに対応したメッシュ型ビーコン「EXBeacon」を提供するWHERE 代表取締役の丸田 一氏が、先進事例として「モノ・人の所在管理」を目的にドコモCS千葉支店で導入したシステムを紹介した。ドコモCS千葉支店は、フリーアドレスを採用したオフィスであったため、従業員の位置情報を見える化したり、共用事務用品の所在地を可視化するためにEXBeaconを配置し、オフィスのフロアマップ上で、それらの位置情報をアイコンで確認できるようにしたという。そのほかにも、介護施設における従業員の導線管理や利用者のバイタル情報の収集といったセンサーネットワークの構築や、工場の製品移動用の台車にLEDライト付きEXBeaconを設置して、台車の次の行き場所をLEDライトで示して誘導するようなビルオートメーションにも活用されているという。

メッシュネットワークを構築する通信規格はBluetooth mesh以外にもさまざま存在するが、最大の強みはほぼすべてのスマートフォンやタブレットにBluetoothが搭載されている点だ。そのため、他社のメッシュネットワークテクノロジーを利用するよりも導入のハードルが低く、すぐに使い始めることができる。実際に説明会で展示されていたBluetooth meshに対応した製品の多くがスマートフォンで操作できるようになっていた。Bluetooth meshの普及によって、今後のIoT市場拡大が更に加速していきそうだ。

EXBeaconを用いて構築したEXBeaconプラットフォームは、屋内測位インフラやセンサーネットワーク、遠隔監視・制御など複数目的で同時利用できる。

東芝デバイス&ストレージは、Bluetooth meshを利用してLEDライトの色を一つだけ変えたり、すべてのライトを点灯させたりするデモを行っていた。

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