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睡眠の質を改善するスマートマットレス、睡眠と環境のデータ収集と活用を実現

睡眠の質を改善するスマートマットレス、睡眠と環境のデータ収集と活用を実現

2017年08月17日更新

睡眠の質を改善するスマートマットレス
睡眠と環境のデータ収集と活用を実現

中国のベンチャー企業であるMIRAHOMEはクラウドファンディング「Indiegogo」で資金を調達してあるアイデアの製品化に成功した。その製品とはマットレス。そう寝るときに使用する寝具である。ただし同社のIoTマットレス「MOORING」には睡眠を改善してくれる機能が装備されているのだ。

IoT マットレス「MOORING」はスマートデバイスと連動して操作する。

人の適温と温度環境の差に着目
加熱はできるが冷却は課題

健康や精神の状態を健全に保つためには適正な睡眠が不可欠。寝不足だと集中力も上がらないし、そもそも元気な気分になれない。だから食事も美味しく食べられない。しかし睡眠時間は自分で管理できるが、睡眠の質は管理できない。何しろ本人は寝ているのだから当然ではある。

そこで睡眠に関する悩みを解決するために生まれたのがIoTマットレス「MOORING」(ムーリング)だ。MOORINGの見た目は一般的なマットレスだが、中にはPP(ポリプロピレン)電圧フィルムと加熱フィルムなどが仕込まれている。

PP電圧フィルムは帯状で、寝ている人の背中を横切るように内蔵されている。このPP電圧フィルムを通じて寝ている人の心拍数や呼吸数、寝返りなどの体動を検出する。

MOORINGを開発・製造する中国のベンチャー企業であるMIRAHOMEでは、50,000人の睡眠データを研究して睡眠時の温度環境が自分の適温と3度以上高低差があった場合、睡眠の質が20%低下することを独自に見出し、MOORINGに実装している。

MOORINGでは心拍数や呼吸数、体動が増加すると睡眠の質が低下していると判断。それは寝ている人の適温と温度環境が3度以上の差になったと捉えて、マットレスに内蔵されている加熱フィルムによって体温を上昇させて差を縮めるという仕組みだ。

ちなみに夏場は加熱するわけにはいかないため、現状の製品では冷房と併用するほかない。ただし冷房の温度は自動的に調整できない。ちなみに米国ではグーグルの空調制御デバイス「Nest」と連携することで、エアコンと連携できるという。こうした課題は国内の家電や住宅のスマート化に期待したいところだ。

寝ている人の最適な温度にマットレスが自動調整する。

付属のデバイスでもデータを収集
ダブルサイズは左右別々に制御可能

MOORINGには表示装置が装備された丸いデバイスが付属する。このデバイスにはMOORINGが測定した寝ている人の心拍数や呼吸数、マットレスの温度、現在時刻のほかに、デバイス自身がセンサーとなって室内の温度、湿度、照度、騒音も表示される。

これらMOORINGとデバイスが収集したデータはインターネットを通じてクラウドに記録される。その際、デバイスをWi-Fiでルーターに接続する必要がある。

さらにスマートフォン用の専用アプリも提供されており、スマートフォンからインターネットを通じて睡眠や室内環境の記録を確認したり、蓄積された記録の分析を確認したりできる。この仕組みを利用すれば遠隔地に住む両親や家族、子供の健康や安否を確認することも可能だ。

このほかMOORINGの加熱機能を利用してMOORING自身と布団を乾燥させ、細菌や害虫の発生を抑制する機能があるほか、加熱機能の温度を調整して浅い眠りへと誘導し、バイブレーションで快適に目覚めさせてくれる機能もある。なおMOORINGの温度調整や目覚ましの設定はスマートフォンの専用アプリから行う。専用アプリはiOSまたはAndroidを搭載するスマートフォンに対応している。

MOORINGにはシングルとダブルの二つのサイズが用意されている。ダブルサイズの製品では、左右で別々に温度を調節したり目覚ましを設定したりできるほか、左右で個別に睡眠などのデータを記録できる。

「MOORING」の構造。睡眠質量観測システムがPP電圧フィルムのセンサーだ。
ダブルサイズでは左右で別々に温度を調節したり目覚ましを設定したりできる。

データの蓄積で機能強化に期待
医療機関向けの製品開発も検討

以前より睡眠を記録するデバイスやサービスはいろいろとあるが、MOORINGは収集したデータを睡眠の改善に活用するという点で新しいと言えよう。

MOORINGを国内で販売するELESTYLE(エレスタイル)の松本華澄氏は「お客様が増えて使用時間が増えることでより多くの多様なデータが蓄積され、それを解析することで現在の機能を改善したり、睡眠を改善するためにより有効な機能を追加したりできると期待しています」と、「みんなで育てるマットレス」をアピールする。

MOORINGでは寝ている人の心拍数や呼吸数、デバイスが体動のほかに、室内の温度や湿度、照度、騒音なども収集しており、さらに年齢、性別、地域、気候、日照時間などのユーザーの属性の関連性から新しい機能が生み出せるはずだ。

今後の展開について松本氏は「センサーや収集するデータの精度を高めて医療機関での利用を狙っています。また現在、枕も開発しています。現状はいびきを改善することを目的としていますが、MOORINGとの連携も検討中です」と説明する。

専用アプリでスマートフォンから心拍数や呼吸集、体動などの睡眠時の記録を確認できる。
蓄積された睡眠時の記録を分析して確認することもできる。

MOORINGを国内で販売するELESTYLE(エレスタイル)株式会社 PRマネジャーの松本華澄氏。

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