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国内プリンター市場は横ばい、成長には中小企業への攻めが不可欠

国内プリンター市場は横ばい、成長には中小企業への攻めが不可欠

2017年07月05日更新

国内プリンター市場は横ばい
成長には中小企業への攻めが不可欠

市場はいよいよ踊り場か

PCやインターネットの普及に伴い、これまで幾度もペーパーレス化の進展によるプリンター需要の縮小が指摘されてきた。しかし実態は出力量が増加するなど、プリンターの需要は堅調に推移してきた。だがすでに踊り場にいるのかもしれない。

IT専門調査会社のIDC Japanが2017年6月22日に発表した国内MFP(複合機)およびプリンター市場に関する2017年第1四半期(1~3月)の実績においても、やはり市場は横ばいだった。

2017年第1四半期の国内レーザー機器(レーザーMFPおよびプリンター)全体の出荷台数は前年同期とほぼ同数の44万台、インクジェット機器(インクジェットMFPおよびプリンター)全体も同様にほぼ同数の84万1,000台だった。レーザー機器、インクジェット機器ともに今四半期は市場全体には大きな変化がなかった。

モノクロレーザーが成長

レーザー機器の内訳ではカラーレーザーMFPが前年同期比0.7%増の15万5,000台、モノクロレーザーMFPは15.2%減の5万8,000台、カラーレーザープリンターは4.5%増の6万9,000台、モノクロレーザープリンターは4.1%増の15万8,000台となった。

■国内レーザーMFP/プリンターの出荷台数推移(2014年第1四半期~2017年第1四半期)

出所:IDC Japan

IDC Japanではカラー化に伴ってモノクロ機器の出荷は減少傾向にあると考えています。そんな中で今期はモノクロレーザープリンターが前年同期比で増加したのは、大規模小売業の店舗にプリンターを設置する大型案件があったことが影響したと考えられる。

また中長期的に出荷の減少が続く中で、今期のインクジェット機器出荷台数は前年同期比1.6%増の84万1,000台だった。しかしながらインクジェット機器出荷の減少傾向に歯止めがかかったと判断するには、年末までの出荷傾向に注視していく必要があると同社は指摘する。

■内インクジェットMFP/プリンターの出荷台数推移(2014年第1四半期~2017年第1四半期)

出所:IDC Japan

レーザー機器の出荷台数シェアではキヤノン、リコー、富士ゼロックスが大きなシェアを持っており、この3社で60%以上のシェアを維持している。インクジェット機器の出荷台数シェアではセイコーエプソン、キヤノン、ブラザー工業の3社で市場の95%以上のシェアを占めている。

■国内レーザーMFP/プリンターのベンダー別出荷台数シェア(2017年第1四半期)

出所:IDC Japan

■国内インクジェットMFP/プリンターのベンダー別出荷台数シェア(2017年第1四半期)

出所:IDC Japan

市場は緩やかに縮小していく!?

国内レーザー機器/インクジェット機器市場は出荷台数、台数シェアともに大きな変化は見られないが、今後はレーザー、インクジェットともに中長期的に出荷台数、売上規模ともに徐々に減少していくとIDC Japanでは予測している。

またモバイル/クラウドの普及やセキュリティ要求の高まり、そして社内ドキュメントワークフローの見直しなどによって、プリント出力自体も徐々に減少する傾向にあると指摘する。

プリント出力に伴う消耗品/保守提供はベンダーの大きな収益源となっていることから、今後緩やかに縮小する市場の中でベンダー間の競争が激しさを増すことが予測される。

攻めどころはやはり中小企業

ベンダーの中には今まで大規模企業向けが中心だった高度なソリューションを中堅中小企業向けに展開する動きも見られる。近い将来ベンダーの再編など大きな変化が起きる可能性は十分あるという。

IDC Japanのイメージング、プリンティング&ドキュメントソリューション リサーチマネージャーである坂田信之氏は「国内MFP/プリンター市場は既に成熟した市場であり、今後出荷台数/売上規模ともに緩やかな減少傾向にある。ベンダーが市場で生き残っていくためには、例えば中堅中小企業向けのドキュメントセキュリティ/ドキュメントワークフローソリューションと連携するなど、顧客の新たな需要を喚起するようなMFP/プリンターの販売方法を模索する必要がある」とし提言する。(レビューマガジン社 下地孝雄)

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