
国内ソフトウェア市場では働き方改革に関連する需要が新たな商機を生み出す
IoTの進展やコグニティブ/AIの活用拡大
働き方改革に関連する需要が新たな商機を生み出す
国内ソフトウェア市場は堅調に推移
政府が推進する「働き方改革」をはじめ企業の取り組みが本格化しているデジタルトランスフォーメーション(DX)などによって、国内のソフトウェア市場に新たな需要が創出されているようだ。
IT専門調査会社のIDC Japanが2017年6月26日に発表した国内ソフトウェア市場の調査結果によると、2016年の国内ソフトウェア市場は前年比2.2%増の2兆6,957億9,700万円だった。なお同社が定義するソフトウェア市場にはパッケージソフト、SaaS、PaaSの売上額が含まれる。
大分類市場別ではアプリケーション市場が前年比2.1%増、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比5.3%増、システムインフラストラクチャー市場が前年比0.3%増だった。
ビッグデータや働き方改革が成長をけん引
最も成長率が高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では企業のビッグデータに対する取り組みが本格化し、データ管理ソフトウェア市場とアナリティクスソフトウェア市場が市場を牽引した。
アプリケーション市場では企業の働き方改革に伴いSaaS型の会議アプリケーションやファイル同期/共有ソフトウェアの需要が拡大するなど、場所やデバイスを問わずに業務を実現するコラボレーティブアプリケーション市場が伸びた。
一方、システムインフラストラクチャー市場では仮想化ソフトウェアとオペレーティングシステムの売上減少が影響し、微増に留まった。
ビッグデータやクラウド関連が高成長
2017年の国内ソフトウェア市場は前年比3.9%増を見込んでおり、2016年~2021年のCAGR(年間平均成長率)は4.3%で、2021年には3兆3,342億円に達するとIDC Japanは予測している。
また大分類市場別の2016年~2021年のCAGRはアプリケーション市場が3.3%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が6.7%、システムインフラストラクチャー市場が4.1%になると予測している。
2016年~2021年のCAGRが最も高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では企業のビッグデータに対する取り組みがさらに活性化し、データ管理ソフトウェアとアナリティクスソフトウェアの高い成長が今後も継続していくと見られる。
さらに複数のクラウドサービスやオンプレミスシステムの連携、IoTソリューションでのプロセス自動化で必要となるインテグレーション/オーケストレーションミドルウェア市場も高い成長が期待される。
クラウドネイティブに適したビジネスモデルが必要
アプリケーション市場ではAIの活用が拡大するのに伴ってコグニティブ/AIシステム/コンテンツアナリティクス市場が急速に拡大すると予測している。またマーケティングのパーソナライズ化や顧客エンゲージメントの強化に伴い、CRMアプリケーション市場の成長も見込まれる。
システムインフラストラクチャー市場では多発する標的型サイバー攻撃対策に向けたセキュリティソフトウェアへの投資が拡大することやシステム運用の自動化、SDNやSDSの導入の本格化が市場を牽引すると見られる。
IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーである入谷光浩氏は「すでにクラウドやビッグデータ/アナリティクスなどの第3のプラットフォームはソフトウェア市場の成長に大きく寄与している。今後はデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けたIoTやコグニティブ/AIシステム、ロボティクスなどイノベーションアクセラレーターの活用拡大がソフトウェア市場に影響を与え、ITサプライヤーのソフトウェアとクラウドビジネスに新たな市場機会をもたらすであろう」とコメントしている。(レビューマガジン社 下地孝雄)
■国内ソフトウェア市場予測(2016年~2021年)
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