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NECの顔認証ソリューションがネットワークカメラのキラーアプリに

NECの顔認証ソリューションがネットワークカメラのキラーアプリに

2017年07月14日更新

顔認証の低額オールインワンセットを用意

NEC

ネットワークカメラの導入促進に寄与しているのが、NECの顔認証ソリューションだ。ネットワークカメラの映像内に映っている人物の顔を検出し、データベースに登録してある顔データと照合する顔認証は、従来までは高額なシステムで、大規模な設備投資が可能な公共施設やイベント会場などでしか活用されていなかった。そこで、中小規模の企業でも導入できるように、税別60万円台〜という低価格での提供を実現させたのが、NECの「顔認証システム導入セット」だ。

「顔認証システムは構築やサイジングも必要で、大規模なシステム導入というケースが多い中、中小規模の企業でも手軽に導入できるようにしたのが顔認証システム導入セットです。必要なソフトとハードをオールインワンにしたセットモデルで、販売パートナーの皆さまにとっても売りやすい商品となっています」(NEC パートナーズプラットフォーム事業部 主任 服部陽次氏)

顔認証システム導入セットは、顔認証のためのソフトをプリインストールし、基本的な設定も行われた上で提供される。採用されている顔認証技術は、米国立標準技術研究所の動画顔認証評価プログラムで1位の評価を得ており、認証精度は折り紙付きだ。ネットワークカメラやスイッチ、モニターなどは別売りとなるが、ここは販売パートナーの付加価値提案の領域となる。

最も低額で導入できる顔認証システム導入セットの監視機能付きセットでは、ネットワークカメラで撮影した映像の中から顔を検出し、データベースに登録された顔写真画像と照合して同一人物を見つけ出す。そのため、特定人物の監視や本人確認がリアルタイムで可能になる。照合結果をもとに、メールやアプリで通知したりすることもできる。顔画像の登録件数は約1万件、顔の検出ログの保存件数は約10万件まで。ネットワークカメラ1台につき5人まで同時に認証が可能だ。利用できるネットワークカメラは最大6台までだ。

設置環境の調査や顔認証システム・カメラのパラメーター設定などをサポートする導入展開支援サービスや、ハードとソフトの保守サービスをパック化した保守サービスパックも用意されている。

芽吹き始めた顔認証システム案件

顔認証システム導入セットは2016年3月から提供が開始されていたが、「1年間は種まきの季節でした。今年の春から具体的な導入案件が動き出し、芽吹き始めました」とNEC パートナーズプラットフォーム事業部 マネージャーの青野雅明氏は笑顔で語る。

顔認証システム導入セットは、特定人物の認証が可能なため、万引きの常習犯の入店検知による防犯対策から、介護施設の利用者の外出を職員などに知らせる見守り用途、VIP顧客の来店検知による顧客サービスの向上、そしてオフィスにおける入退室管理などに利用可能だ。「『安心・安全』『おもてなし』『働き方改革』に関連した顔認証システムの活用ニーズを、顔認証システム導入セットと全国の販売パートナーの皆さまの力によって掘り起こせています」(青野氏)

(左)NEC パートナーズプラットフォーム事業部 (IT・SLマーケティンググループ) 主任 服部陽次 氏
(右)NEC パートナーズプラットフォーム事業部 マネージャー (パートナーズISVビジネスセンター) 青野雅明 氏

徐々に採用が拡大し始めた顔認証システム導入セットだが、NECはこの4月にラインアップを強化した。例えば、入退管理システムとの連携を実現したりWebAPIの強化による外部システム連携を可能にしたのだ。これによって、会員管理システムや勤怠管理システムなどの外部システムと顔認証システム導入セットを連携させられる。

顔認証システム導入セットの新製品としては、「顔情報共有マネージャ」を用意。これは顔情報を複数拠点間で共有できるオプションソフトで、多店舗展開している小売店などでVIP顧客の情報共有などによるサービス向上に役立てられる。また、「FieldAnalystオプション」もラインアップに加えられているが、こちらはネットワークカメラで撮影した人物の年齢や性別などの属性を推定してリアルタイムに集計する「FieldAnalystオプション for Gate」と、サイネージを視聴した人物の年齢や性別などの属性を集計する「FieldAnalystオプション for Signage」が用意された。いずれも集計結果をマーケティングや店舗改善などに活用可能だ。「属性の推定などはスタッフが行っているケースがありますが、顔認証システムを利用すれば、人の判定よりも客観性の高い属性判定が実現します」(服部氏)

さらに、顔認証システムとFieldAnalystオプション、そしてサイネージシステムをセットにした「ターゲット広告サイネージセットモデル」の提供も予定している。これは店舗などに設置したネットワークカメラに映った人物の属性から、好みそうな広告コンテンツをピンポイントでサイネージにリアルタイム配信できるようにする仕組みだ。小売店舗や観光施設などにおいて大きな効果を発揮しそうだ。

販売パートナーとの共創体制を強化

NECは中小企業市場における顔認証システム導入セットなどの顔認証ソリューションの導入を促進するために、パートナーとの共創体制の強化も図っている。具体的な施策として、ISVやハードメーカーなどのソリューションパートナーを対象とした「ソリューション開発プログラム」を新設した。提供されるプログラムは、「開発支援、技術トレーニング」「WebAPIの公開」「デモ・検証機材の提供」など。「ソリューションパートナーはすでに30社強にまで拡大しました。中小規模市場向けの顔認証関連製品と連携したソリューション開発を促進・提供し、市場拡大につなげます」(青野氏)

ソリューションパートナーとの共創による新しいソリューション例として、クマヒラのセキュリティゲートと組み合わせた「セキュリティゲートソリューション」や、ローレルバンクマシンのロボット受付番号呼び出しシステムと連携させた「ロボット窓口受付システム」、OBCの勤怠管理システム「OMSS+勤怠管理サービス」と組み合わせた「顔認証による入退・勤怠管理ソリューション」、店舗の来客情報(性別・年齢)と売上情報をサイボウズのKintone上に集約して可視化する「小売業向け来客層&売上可視化ソリューション」などが提供される予定だ。

こうした動きに合わせて、全国の販売パートナーに対する支援体制も強化する。NECの全国の拠点に顔認証ソリューションの担当者を100人配置し、販売パートナー向けの講習会や販売・技術トレーニングを提供。さらに顧客への提案支援なども行う。また、ネットワークカメラの設置や工事・保守を含めて支援できる体制を、全国約400拠点、計4,000人のエンジニアを有するNECフィールディングと連携して整備していく。

「新たな販路の開拓にも注力し、販売パートナーの皆さまとともに、中小規模市場における顔認証ソリューションの拡販に努めます」と服部氏と青野氏は声を揃えた。

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